陰キャ社長は、“雨の朝”をミカタにする話。杉本幸雄

午前5時。  
自由が丘の高台は、強い雨にすっかり覆われていた。  
アスファルトを叩きつける雨粒は、ひとつひとつがはっきりした音を持っていて、耳に届くたびに、世界の輪郭を少しだけ鋭くする。  
その音の中を歩いていると、自分の存在が雨に対して正確な位置を持っているような気がしてくる。

傘の縁から落ちる水滴が、一定の間隔で地面に落ちる。  
高台の端では、雨水が細い流れになって坂を下っていく。  

雨水の流れは速く、迷いがない。  
事実を言えば、ただ水が流れているだけだ。  
でも、その「ただ」が、朝の静けさを支えている。

わたくしは、  
20年間ひとりでコンサル会社を経営し、  
16年間毎日ブログを書き続け、  
商業出版は6冊になった。  

毎朝4時に起きて、静かに思考する時間を確保する習慣も続いている。  
性格は陰キャで、刺激に弱く、雑談を避け、人との接触を最小限にする。  

こうした性質は、
強雨の朝と相性がいい。  
雨が街の音をすべて消してくれるからだ。  
気が楽になる。平等に近づく。


高台から見ると、街全体が薄い灰色の膜に包まれていた。  
自由が丘は、晴れの日には明るい街だが、強雨の朝はまったく別の表情を見せてくれる。 雨の自由が丘が好きだ。

建物の壁は濡れて暗くなり、電柱の影はほとんど消え、尾山台や深沢の屋根がぼんやりと滲んで見える。  
ただ住宅街に雨が降っているだけの風景だ。  
でも、その「ただ」が、わたくしの思考を静かに整えてくれる。

わたくしの人生目的は
「強くて優しい人になる、強くて優しい人を増やす」。  
この目的は、
派手な行動や勢いから生まれるものではない。  
静かな朝の中で、自分の輪郭を確かめながら積み重ねることでしか育たない。  

強雨の音は、その目的を邪魔しない。  
むしろ、背景として支えてくれる。

わたくしは紙のノートを開き、今日やることを静かに確認した。  
ページが湿気を含んで、少し重く感じられる。  
この瞬間が、わたくしの経営の基盤、毎朝のルーティン。  

静かな朝に、今日一日を静かにイメージする。  
これが、わたくしの性格に合った、一日の創り方だ。

強雨はさらに勢いを増し、
道の雨水は小川のようになって流れていく。  
その流れを見ていると、わたくしは思う。  
「雨の朝は、陰キャ社長のミカタだ」  
これは、わたくしの人生で変わらない真理だ。

傘を少し傾け、ゆっくりと坂を下る。  
自由が丘の街はまだ眠っている。  
でも、わたくしの一日は、もうすでに動き始めている。  

強雨の朝に、静かに歩きながら、わたくしは今日も淡々と積み重ねる。  
それが、わたくし杉本幸雄の生き方。