「今日は無理、もう止めよ」が言える陰キャ起業家は、長く走れる
――自由が丘の朝、杉本幸雄
朝の自由が丘は、まだ世界の端っこみたいに静かだ。
目黒通りのパン屋の前を通ると、焼きたての香りが薄い霧のように漂ってくる。
僕はその匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、ゆっくり歩く。
20年間ひとりで経営を続けてきた経営コンサルタントとしての僕は、
こういう「静かな朝」に救われてきたのだ想う。
商業出版6冊。
コンサルセッション2万回。
売上加算110億円。
数字だけ見れば、どこかの“陽キャ社長”の武勇伝みたいに聞こえるかもしれない。
でも、
実際の僕は、そんな派手なものとは無縁だ。
むしろ逆で、静かに、淡々と、猫のように働くタイプの人間だ。
僕はそれを「ごろにゃん仕事術」と呼んでいる。
ベッドの上で、スマホひとつで、必要なことをひたすら積み上げる。
大声も、勢いも、派手な演出もいらない。
ただ、正確に、丁寧に、静かに。
いつも布団の上にいるのは、疲れたら寝られる、寝る以外は仕事をしていられるからだ。「ごろにゃん仕事術」で
恐らく、仕事時間は、普通の人の3倍近い。移動もしない、会議もない。打ち合わせは、オンラインで。
そんな僕が、長く走り続けられた理由はひとつだ。
「今日は無理、もう止める」と言えること。
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■「今日は無理」は、敗北じゃない
起業家という生き物は、どうしても“頑張り続けること”を正義にしてしまう。
特に内向的な起業家は、周囲の期待や空気を敏感に読みすぎて、
必要以上に背負い込んでしまう。
「今日もやらなきゃ」
「休んだらクライアントに迷惑をかける」
「期待を上回りたい、越えたい」
こんな声が、心の奥で小さく鳴り続けていく。
でも、ある朝ふと気づくのだ。
その声は、誰の声でもなく、自分が勝手に作り出した幻だということに。完全に妄想でしかない。
「今日は無理、もう止めよう」と言うのは、逃げることじゃない。
むしろ、長く走るための“整備”、メインテナンスみたいなものだ。
車だって、オイル交換を怠ればエンジンが焼けつく。
人間だって同じだ。
だから、
静かに止まり、静かに整える時間が必要だ。
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■「無理、止める」と言える人は、深く潜れる
内向的な起業家は、疲れたときにこそ本音が浮かび上がる。
それは、海の底からゆっくりと上がってくる泡のように、
静かで、確かで、嘘がない。
> 「あれ、この仕事、もう自分の価値観とズレている」
> 「もっと静かに人生の目的に沿った働ける方法があるはずだ」
> 「目の前の人を本当に大切にしたい」
好調で問題のないときには見えないものが、疲れたときには見える。
それは、内向的な人間に与えられた、ひとつの才能だ。
僕自身、
20年間のひとり経営の中で、
何度も「今日は無理、もう止めよ」と呟きながら、
そのたびに速度と方向性を微調整してきた。
その微調整の積み重ねが、
2万回のコンサルティングになり、
6冊の出版になり、
110億円の売上加算になった。
派手な成功ではない。
目の前の人たちと自分を、大切にしてきた結果である、
本当に静かに、着実にに積み重ねたものだ。
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■僕が生きる目的は、静かな人の“強さと優しさ”を取り戻すこと
僕はずっと、少数派だった。
子どもの頃から、考え方も、速度も、話すテンポも、周囲と違っていた。
でも、その「違い」こそが、僕の武器になった。
観察力。
継続力。
静かな集中。
言葉の精度。
内向的な人間が持つこれらの力は、
社会の喧騒の中では見落とされがちなだけではない。不適切だと否定される。
だからこそ、僕はそれを取り戻すミカタになっていたい。
僕の生きる目的は、
“強くて優しい人になること、そして強くて優しい人たちを増やすこと"。
その過程で、静かな人たちは、静かなまま成功できる世界をつくること”
これだけだ。
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■「今日は無理、もう止めよる」と言えるあなたは、もう強い
自由が丘の朝を歩きながら、僕は想う。
長く走れる人は、速く走る人ではない。
自分のマイペースを守れる人だ。
そしてその第一歩は、
「今日は無理、もう止める」と言えること。
それは弱さではなく、
静かな、そして確かな強さの証だ。
もし今日、あなたが少し疲れているなら、
それは人生を微調整するタイミングが来ているということ。
焦らなくていい。
止まっていい。
深呼吸して、よくあなた自身を感じてみるといい。
長く走るために、僕たちは今日も静かに歩く。


