毎日トイレ掃除とぼっち起業で成功するは、無関係である

わたくしは、しばしば耳にする「成功の秘訣」なる言葉に、いつも違和感を覚えます。
たとえば、
YouTubeや雑誌、ビジネス書で散見されるあの、しょーもない話、
「毎日トイレを掃除すれば、成功する」。
謙虚さを養い、細部にこだわり、忍耐力を身につける。そんな美談が、まるで魔法の呪文のように語られる。検索すればすぐに出てくるほど、世の中にはそうした「簡単で取り組みやすい成功法則」があふれています。
しかし、わたくしは、はっきり申し上げます。
毎日トイレ掃除をすることと、成功起業家になることとは、完全に無関係です。わたくし自身や周囲の億稼ぐ成功起業家たちが、その生き証人です。
わたくしは、コンサルタント会社を20年間経営し、商業出版を6冊手がけ、コンサルティング指導を2万回以上行ってまいりました。
クライアントの課題に真正面から向き合い、結果を出してきた自負があります。でも、
わたくしはトイレ掃除を「毎日」していません。適宜、汚れが目立つときに掃除するだけです。それだけではアリマセン。
片づけも、徹底的に「しない」と決めています。デスクは書類で埋まり、部屋は必要最低限の秩序しか保っていません。
それでも、事業は継続し、成果は積み上がってきました。
さらに言えば、
成功者の事例を見渡しても、同じことが言えます。
毎日トイレ掃除をしている人のほうが、はるかに少数派なのではないでしょうか???
孫正義氏やイーロン・マスク氏が、毎朝、欠かさずトイレを磨いている姿など、到底想像できません。彼らが世界を変えるほどの事業を築き上げてきた原動力は、そんな"日常の儀式"ではなく、常人には耐え難いリスクと不確実性に挑み続けた「コト」そのものです。
また、わたくしの身近な知り合いの成功起業家たち、皆、業界をリードする方々ですが、
例えば、億稼ぐECコンサルタントに聞いても、さらに、複数の飲食店を経営するオーナー社長に尋ねてみても、毎日トイレ掃除をしている人は一人もいません。
彼らもまた、時間とエネルギーを「コト」に注ぎ込み、細かな儀式に頼らず成果を掴んできた人たちばかりです。
なぜ、こうした現実があるのでしょうか。
それは、成功の本質が「儀式」ではなく、「具体的な困難な課題との格闘」にあるからです。
「毎日トイレ掃除」というフレーズは、確かに心地よい。耳障りが良くて、誰でも取り組みやすい。誰にでもできて、キレイにすることは即効性があり、達成感も得やすい。
朝のルーティンに組み込めば、自分を「努力している人間」だと納得、自認できます。
それは、まるで、成功への近道チケットを手に入れたような気持ちになるのでしょう。
しかし、
それがまさに問題なのです。
耳障りがよく、取り組みやすいからこそ、本当に必要な「具体的で困難な課題」から、巧妙に目を逸らさせる逃げ道になってしまう。ごまかし、そのものです。
起業とは、毎日、同じ動作を繰り返すことではありません。
市場に目を向け、顧客の痛みを深く掘り下げ、解決や満足に導くことで、代金を得ることです。
市場の変化を先読みし、取引先らと共に不確実性に立ち向かうことです。思うようにいかない失敗を何度も味わいながら、数字を追い、直視して、戦略を練り直すことです。
わたくしの20年間で最も苦しかったのは、クライアントの期待に応えきれず、徹夜で、原因を究明したり、後悔を反すうした夜々でした。
出版のたびに原稿を何十回も推敲し、コンサルセッション2万回のなかで、言葉選び一つで相手の結果を変える影響力の責任を背負った瞬間でした。
そんな「コト」、つまり一心に課題そのものに向き合う、果敢に闘うコトこそが、成果を生み、結果を出します。
トイレがきれいかどうかは、関係ありません。
わたくしがコンサル起業してから痛感したことは、成功する人は「コト」に没頭する人ということです。
自分をごまかすための習慣や、他人に「頑張っている」と見せるためのルーティンに、時間を使わない。
代わりに、
目の前の困難な「コト」に、没入する。うまくいかなくて失敗しても、そこから学び、次の「コト」と闘う。
「トイレ掃除神話」は、
逆に言うと、
そうした本物の格闘を避けるための、心地よい言い訳にすぎません。
「掃除さえしていれば、いつか成功するはず」。そう思っていれば、今日の厳しい交渉や、明日の戦略立案を、安心して手を抜ける。
人間の心理として、実に巧妙な逃げ道です。もちろん、謙虚さや忍耐力は大切です。
しかし、それはトイレ掃除という形ではなく、事業のどん底で味わう「不格好な失敗」からこそ養われるものです。わたくし自身、起業直後に何度も壁にぶち当たり、クライアントから厳しい指摘を受け、夜中に一人で反省した経験が、今の基盤となっています。
片づけをスルーしたデスクの上で、必死に考え抜いたアイデアが、6冊の本になり、2万回の指導を生みました。
きれいなトイレよりも、汚れた手で掴んだ成果のほうが、よほど価値があると信じています。
世の中には、こうした「簡単成功論」が後を絶ちません。
なぜなら、
人は本質的な努力の重さを、素直に認めにくいからです。
毎日トイレを掃除する習慣は、否定しません。きれいな環境は心地よいでしょう。でも、それを「成功の条件」に持ち上げるのは、誤りです。
むしろ、そうした神話を信じるほど、本当に必要な困難な道から遠ざかってしまう。わたくしは、これからも適宜トイレを掃除し、片づけは最小限にしながら、コンサル指導の現場で、クライアントと共に「コト」と向き合い、闘い続けます。
成功とは、そんな不格好な、しかし本気で課題に挑む姿勢の積み重ねでしか生まれない――それが、20年間の経営と、2万回の指導、そして数多の成功者たちとの接点で得た、わたくしの確信です。
あなたがもし、今「毎日トイレ掃除」を習慣にしようか迷っているなら、どうか一度立ち止まってください。
そんなこと、どーだっていいことです。トイレ掃除は、成功するための呪文ではアリマセン。必要だから、することです。
本当に目指す「成功」のために、今、目の前にある最も困難で、具体的で、避けたくなる課題は何ですか?
そこに、真正面から向き合うこと。それこそが、起業家としての、唯一の道です。

