年3千万円を越えるぼっち社長になった人たちに共通している特徴





執筆者

杉本幸雄 (すぎもとゆきお)

陰キャに誇りを持つぼっち起業家。20年前に経営コンサルタント業で法人設立。これまで1万人の起業家を見て、2万回のコンサルを行い、累計110億円の売上に関与。商業出版で6冊目の著者。目的は日本に「強くて優しい人」を増やすこと。  


 

 





わたくしは早朝4時には起きている。自由が丘の街はまだほとんど眠っていて、窓の外には薄い青が広がっている。


コーヒーを淹れるとき、いつも同じカップを使う。縁に小さな欠けがあって、そこに指を当てると不思議と落ち着く。欠けは直せるが、直さない。欠けがあるからこそ、そのカップは市販にも関わらず、自分だけのデザインになっている。



ぼっち起業も似ている。

完璧を目指すより、"欠け"という、それぞれの歴史や事情と付き合う術を身につけることが近道だ。


二十年前、法人を作ったときのことをよく思い出す。


書類の山、押し寄せるメール、そして何よりも自分の孤独。しかし、わたくしは最初から孤独は悪者ではないと感じていた。孤独は、静かに耳を澄ませば、何が本当に重要かを教えてくれる。これが孤高だ。


わたくしは陰キャであることに誇りを持っている。人と群れることが嫌だからこそ、細部に気づける、人の感情を見透せる。細部が積み重なって、やがて事実になる。


朝の空気は特別。

車の音は少なく、東横線の音だけが静かに聞こえてくる。こういう時間に考えると、頭の中の雑音が全くない、新鮮な気分で、自然と思考が整理される。


コーヒーメーカーの湯気を見ながら、わたくしはいつも次の7つのことを思い返す。


年3千万円を越えるぼっち社長になった人たちに共通している特徴だ。


数字は冷たいが、そこには人間の習慣と選択が映っている。



1. 評判より事実を大切にする  

評判は風のようなものだ。吹けば飛ぶ。事実は土だ。踏めば踏むほど固まる。評判に振り回されると、判断がブレる。心が翻弄される。だから、数字を見て、ターゲットや顧客を観察し、実際に存在する結果だけを信じる。評判は無責任なことも多い。


2. 人を選ぶ  

人を選ぶというのは冷たい選別ではない。自分が快適に生きるための知恵。そして選んだ相手と共に生きる、稼ぐことで生まれる規律を守ることだ。

良い店に入った瞬間にある空気のように、良い取引先とのチームには独特の呼吸、空気感がある。互いに小さく貢献することで、その呼吸は合いやすくなる。呼吸が合えば、意思決定も、欲しい成果も速くなる。


3. 場所を選ぶ  

場所とは住所だけではない、空間の使い方も含む。場所を選ぶとは、自分を大切に取り扱うこと。集中する、悪影響を受けない、良い気分を創ると決めることだ。わたくしは朝の3時からの四時間を、立入禁止にしている。この時間は誰にも渡さない。そこは感性を磨くかインプットの時間。音楽を聴く、映像作品を見る、本を読む、たまには戦略を練ることもある。場所が整えば、自分は自然と整う。


4. 結論から話す  

結論を先に出すことは、相手の時間に対する敬意だし、自律と自立でもある。長い前置きは詩のように美しいかも知れないが、ビジネスの場では結論を先に示すことで、相手も自分も迷子にならない。ただ、いくらかの衝撃を相手に与えることはある。結論なのだから、仕方がない。


結論→理由→補足の順で話す。

言った後で、必要ならば物語を語る。物語は補助線で例え話だ。


5. 知らない・判らないをハッキリさせる  

知らないことを隠す必要はない。むしろ誠実さの証だ。判らないと正直に言えば、そこから学びが始まる。わたくしは、よく「それは判らない、知らない」と言う。言った後で、調べるか、試すか、相手に尋ねてみる。


放置が、人々に子どもの頃からずっと「差」を作ってきた。一番まずい。


6. とにかく、感謝する  

感謝は礼儀ではなく、筋トレのようなもの。毎日少しずつやると、心の筋肉、優しさが宿る。顧客に、取引先に、市場に、失敗や上手くいかなかったことにさえ感謝する。失敗は教科書だ。感謝はその教科書を読む態度だ。わたくしはメッセージの最後に必ず一行、感謝を書く。それは小さなトレーニングであり、関係を強める種だ。


7. 9割の集まりに参加しない  

情報は洪水のように押し寄せる。すべてに顔を出す意味はない。自分の生命には期限があるから、全部出ていたら肝心の仕事はできないし、疲弊する。だからわたくしは、参加する集まりを厳選する。残りの9割には出ない。断ることで、残った1割に全力を注ぐ。準備をして必ず果実を得る。そこから本当に価値のある人間関係が生まれることを、小さく期待して。参加しても、30分で帰ることはよくある。




早朝4時の街を早足で歩くと、舗道に落ちた街灯の光が水たまりに映る。前に進むことは考えることと同じだ。足を前に出すたびに、頭の中の雑音が整理される。


起業も同じで、動き続けることでしか見えない景色がある。動かないと、同じステージにいるままだ。


わたくしはこれまで多くの起業家を見てきた。1万人だ。


成功した人たちに共通しているのは、特別な才能とはなく、日常の小さな努力をする習慣力だ。


習慣は静かに人格を作る。

人格はやがて事業を作る。

事業は社会を少しだけ影響を与える。


変化は小さくてもいい。小さな変化が積み重なって、やがて大きな波になる。


コーヒーのカップをテーブルに戻すと、欠けた縁が朝の光を受けて少しだけ輝いた。欠けがあるからこそ、そこに物語が宿る。


あなたの事業にも欠けがあるだろう。欠けを恐れず、欠けと向き合い、欠けを味方にすることだ。それが、年3千万円を越えるぼっち社長になるための、静かな道筋だと想います。


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7つの特徴の短い解説

- 評判より事実を大切にする  

  数字と顧客の行動を最優先にする。評判は後からついてくる。


- 人を選ぶ  

  少人数の呼吸の合う人間関係を作る。文化は、関わる人で決まる。


- 場所を選ぶ  

  物理的な場所だけでなく、時間とルールを含めた「仕事の場」を設計する。


- 結論から話す  

  相手の時間を尊重する。結論→理由→補足の順で伝える。


- 知らない・判らないをハッキリさせる  

  誠実に「判らない」と言い、そこから学ぶ姿勢を示す。


- とにかく、感謝する  

  日々の小さな感謝が信頼を育てる。形式でも続ける価値がある。


- 9割の集まりに参加しない  

  情報の取捨選択を徹底する。集中できる1割に全力を注ぐ。


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