正解は必ず市場にある、顧客が正解を決める話


マーケティングや経営学は、過去の成功体験や統計データを基に構築された「汎用的な枠組み」で絶対解では、アリマセン。


わたくしは、

大学でも教壇に立ち、マーケティングの原則論と、多くのフレームワークを学生に伝えてまいりました。


もちろん、経営学やマーケティング論のの有用性を認めていて、これらを活かしてビジネスを行って、大いに失敗確率を抑制出来ております。


とは言え、

限界も承知しています。


理論の前提条件をシンプルにすればするほど、本当のリアルな市場は想定を超えます。これは、当たり前です。本当のリアルな市場は複雑怪奇さをはらんでいるからです。


マーケットを揺さぶる多様な要因


実際の売買活動に影響を与える要素は枚挙にいとまがありません。


例えば、


- 天候や自然現象が突如として来店数や購買意欲を左右する  

- 社会的ムードや政治情勢がブランドイメージに影響を及ぼす  

- マスコミやSNS上のトレンド、インフルエンサーのつぶやきが購買心理、不売買心理を加速させる  

- 個々人の趣味・価値観、日々の体調や感情、さらに人間関係までもが選択の基準に影響を与えます


こうした実際の“ノイズ”は、いかに精緻に組み立てた戦略シナリオも想定し得ない範囲で介入してきます。



議論の無力さ──経験者も未経験者も同じ


「この場面ならこう動くはずだ」という意見交換に意味がないわけではありません。しかし、経験不足の者同士が時間をかけて議論を重ねても、机上の空論と紙一重です。逆に、知識も経験も豊富なベテランのマーケター同士で交わすディスカッションも、本質的には同じく“予測”の域を出ません。つまり、どうなるかは【わからない】。


結局のところ、市場が示すリアクションに確かなものはアリマセン。



 確率を少しだけ上げる方法


理論や議論が“ゼロ”の無力とはいいません。唯一できるのは、成功確率をわずかにでも上げるための工夫です。


具体的には


1. 仮説を立て、最小限のコストで素早く検証する  

2. 本番環境でのABテストやパイロット展開を実施する  

3. 定性的な顧客インタビューやエスノグラフィで深層ニーズを探る  

4. データドリブンな計測を継続し、結果に応じて即時に軌道修正  



これらのアプローチは、確実に「正解」を保証するものではありません。

ただし、試行回数を増やすほど、ビジネスの舵取りは思い込みや希望だけに頼らず、統計的裏付けを伴うものへと近づきます。



“正解”が市場でしか見つからない理由


理論はあくまで確率的に高い傾向にすぎず、実際の事実は、誰にもわかりません。


市場の状況は、多種多様、論理的非論理的な事情や感情によって、変わり得ます。いわば、航路は波や風次第で大きく変わりのと同じことなのです。


だからこそ、

真の「正解」は市場のフィードバックにこそ宿ります。試作商品を渡したユーザーの生の声、キャンペーンに対するエンゲージメント、購買データの微細な変動──これらはすべて、企業が次の一手を決定するための唯一の“現場証拠”です。しかしながら、この結果もたまたまかも知れませんし、今後を保証しません。



無論、

理論やシミュレーションを否定するつもりはありません。むしろ、それらをどう活かし、市場検証へと結びつけるかが、現代の経営者やマーケターに求められる真のスキルです。



「正解は必ず市場にある」「正解は、顧客が決める」──このシンプルな真実を肝に銘じ、理論と現場をつなぐ“架け橋”としての実践を今後も追求していきましょう。


とにかく、やってみないと何も分からない、ということは間違いありません。やっとも分からないのですが。