A「いやー最近おかしいことありますね。」
B「あー色々ありますねぇ。」
A「こないだもありましたよ。電車乗ってて。」
B「何がおかしかったん。」
A「前に立ってた女の人が「キャー! チカン!」いうておれの方見るねん。」
B「えーなんやそれ?」
A「おれなんもしてへんで。おかしいで。」
B「そらおかしいな。ちゃんと言うたったか?」
A「言うたよ。私はなにもしてません。たまたま手が当たってしまいました、て。」
B「まあ満員電車やったらたまに当たってもうたりするわな」
A「まあそんときは、ガラガラやったけどな」
B「あかんがな」
A「ほんで言うたんや。たまたままさぐってしまい」
B「ん?」
A「たまたまスカートをめくり、もみ、もみしだき……」
B「もみしだくな!! どこがたまたまやねん! 必然的な結果やないか!」
A「たまたまやろが」
B「100%ちかんや。言うたら120%や。」
A「……お前、今、120%言うた? 恥ずかしいで。子供か」
B「うるさいわ! それくらい流せよ! 」
A「いまどき子供でも120%とかいわんで。」
B「それくらいお前がおかしい、いうことを言うとんねんやがな。」
A「まぁ、おかしい言うたら、すもうですよすもう。『すもうの秋』とか言いますけど……」
B「いや聞いたことないで。なんや『すもうの秋』て。」
A「お前しらんのかい。食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、って昔からいわれとんねん。」
B「……すもう入ってへんやないか。」
A「あとあれや、読書の秋とか。」
B「読書さっき言うたやないか」
A「ビスケットの秋」
B「ないわそんなもん。なんで秋になったらこぞってビスケット食わなあかんねん」
A「まあ、秋いうたら、そういう風に言われとんねん」
B「結局すもうはあれへんねやないか」
A「……まぁ、とにかくすもうは、おかしいところいっぱいありますよ。すもうとりなんてあれでしょ。いっつもハンバーグばっかり食ってるんでしょ」
B「はぁ? いや……別にハンバーグばっかちゃうで? 」
A「主なエサはハンバーグ、て図鑑に書いてあったもん」
B「何図鑑やねん!!」
A「昆虫図鑑や普通の。」
B「なんで昆虫図鑑にすもうとりのっとるねん。」
A「まあ、あれは、隣に載ってるハチに刺されとったけどな」
B「どないなっとんねん。」
A「ハチは危ないですー、みたいに書いてあったわ。」
B「いやそらハチは危ないけどな」
A「あと、すもうとりがワニに噛まれてあってやな」
B「もう昆虫図鑑ちゃうやないか!」
A「ワニの牙は鋭いですー、てな。」
B「しっとるわ」
A「次のページでは『車に注意しなさいー』て言いながら、すもうとりがにこやかに車にはねられとったわ。」
B「何やらされとんねんそのすもうとり。ギャラちゃんとでとるんかいそれ。ただの『おすもうさんいじめ図鑑』やないか」
A「そうかなぁ」
B「人権問題やでそれ。なんでニコニコしながらはねられるねん。んなわけあるかアホ。」
A「あーでも、すもうとり自身の解説はかっこよかったで。体長は約1800ミリメートルとかな。」
B「……180センチて言えや。」
A「ほなやったらお前、リポビタンDも、タウリン1000ミリグラム言わずにタウリン1グラムって言えや!!」
B「しらんがな! 1000ミリグラムの方が効きそうやろ。なにをムダに気にしとんねん。」
A「あと図鑑に書いてあったんは、あれやな。すもうとりは、1度に産むタマゴは約2億らしいな。」
B「ほぼ魚類やん。」
A「2億のうち、成人のすもうとりになれるのは、わずか半分程度といわれています。」
B「2億の半分……て、1億人もすもうとり増えるんかい! ビックリするがな」
A「天敵はハチとワニくらいやから、ぎょうさん生き残りよんねん」
B「半分死ぬってことは、思ったよりハチたちにやられとんねやな、それ。」
A「せやで。な? そう考えたら、すもうっておかしいやろ?」
B「お前が変に言うとるだけや。すもうは実際かっこいいんですよ。」
A「どこがやねん。」
B「横綱とかなったら、もうほんま強いし、やらしい話、収入もめっちゃいくんですよ。」
A「え、収入すごいんかい。」
B「せやで。あたりまえやないか。」
A「……かっこええがな、それ!!」
B「やらしいな!!! 金だけかいな。」
A「ものすごかっこええやないか。」
B「他にもかっこええとこいっぱいあるんですもうには。」
A「金以外ありえへんやろ」
B「あるわ! たとえば勝ったとき、行司からまあ、あのなんや封筒みたいなんうけとるやん。あのときもやで、手で『心』いうて書いて受け取るねん。かっこええであれも。」
A「あれ『心』て字書いてるん?」
B「そうや。『心』や。」
A「ああ、俺あれ、『モチ』て書いとるんかとおもっとったわ。」
B「全然ちゃうわい! 考えたらわかるやろが。『モチ』て書く意図がわからんわ。」
A「常にモチ食いたくてしゃーないねんすもうとりは」
B「食えや! 好きなだけ食うたらええがな!!」
A「主な食事はモチやからな」
B「さっきお前、ハンバーグて言うとったやないか。矛盾しとるやんけ。だいたい、お前すもうのこと知らなすぎやで。」
A「ちょっとまってくれ。いやおれすもうは詳しいで?」
B「全然わかってへんわ。全っ然わかってへん。」
A「お前そんなん言うなよ。友達やろが。」
B「なんやねん」
A「おれが仕事できへん人みたいに言うなや!!」
B「お前それ何の仕事してんねん! すもう詳しないとできへん仕事ってなんやねん!」
A「だから。すもうについて語らせたら、おれの右に出る者はおらんよ?」
B「そんなことあるかいな。」
A「まあ左にもおらんよ。」
B「……じゃあどこにおんねん」
A「後ろに一直線にズラーっとならんどるわ」
B「行儀ようサーっと整列しとるんやないか。」
A「『前にならえ』してな」
B「かっこわるすぎやろが」
A「まあ勝ったとき、『心』てかいてるってのは初耳やったわ。」
B「それくらい常識っちゅーたら常識やけどな。」
A「あ、でもおれ知ってるで。難しい方の『心』とか書いてもうとる人おるやろ」
B「見たことないわ! 『心』ていう字に難しい方とかあれへんねん。」
A「いや、あるよ。憂鬱の『鬱』に似た字で……」
B「どんだけ画数多いねん!」
A「難しいであれ」
B「あんなもんササッと書いて受け取って帰るからかっこええねやろが。」
A「そうなんかい」
B「えんえんと書いとったら、行司も『もうはよ受けとって帰れや』ってテンション下がんねん。」
A「そもそもな、行司がわざわざ金渡したりするの、あれ人件費かかってまうからやめてもーたらええねん。」
B「あれが伝統やないか。どないして金渡すねん。」
A「あんなもん自動販売機みたいなん置いといてやな、勝ったら『勝った』いうボタン押したら金出てくるようにしといたらええねん。」
B「あかんあかんあかんあかん。伝統もクソもないやんけそんなもん。」
A「んなもん、ボタン押す前に『心』て書いたら伝統ちゃんと守られるがな。」
B「守り切れへんわ!! でも『心』はするんやな。」
A「まあ無人化したら、ズルするやつも出てくるからな。」
B「どういうことよ」
A「わからんよーに、2回ボタン押したりするやつとかな」
B「せこいせこい」
A「勝って先に金もろとるやつの後ろに、負けたやつが順番待ちしとんねん。」
B「負けたくせになに並んでるねん。」
A「ハァッ、ハァッ負けたッス! 悔しいッス! ポチッ チャリーンチャリーン」
B「なにしとんねん! 小銭やないかい!」
A「もちろん、二人で並んで『心』や。」
B「あかんあかん。片方の『心』には、よこしまな心はいっとるそれ。」
A「やっぱ負けたら正々堂々『負けたボタン』をちゃんと押さなな。」
B「負けたんやろ!? そんなん押さんともう帰れや!!」
A「わかったわ。『帰るボタン』押してすぐ帰るシステムにするわ。」
B「だから、いらんことさせんと、さっさと帰らせや!」
B「あー色々ありますねぇ。」
A「こないだもありましたよ。電車乗ってて。」
B「何がおかしかったん。」
A「前に立ってた女の人が「キャー! チカン!」いうておれの方見るねん。」
B「えーなんやそれ?」
A「おれなんもしてへんで。おかしいで。」
B「そらおかしいな。ちゃんと言うたったか?」
A「言うたよ。私はなにもしてません。たまたま手が当たってしまいました、て。」
B「まあ満員電車やったらたまに当たってもうたりするわな」
A「まあそんときは、ガラガラやったけどな」
B「あかんがな」
A「ほんで言うたんや。たまたままさぐってしまい」
B「ん?」
A「たまたまスカートをめくり、もみ、もみしだき……」
B「もみしだくな!! どこがたまたまやねん! 必然的な結果やないか!」
A「たまたまやろが」
B「100%ちかんや。言うたら120%や。」
A「……お前、今、120%言うた? 恥ずかしいで。子供か」
B「うるさいわ! それくらい流せよ! 」
A「いまどき子供でも120%とかいわんで。」
B「それくらいお前がおかしい、いうことを言うとんねんやがな。」
A「まぁ、おかしい言うたら、すもうですよすもう。『すもうの秋』とか言いますけど……」
B「いや聞いたことないで。なんや『すもうの秋』て。」
A「お前しらんのかい。食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、って昔からいわれとんねん。」
B「……すもう入ってへんやないか。」
A「あとあれや、読書の秋とか。」
B「読書さっき言うたやないか」
A「ビスケットの秋」
B「ないわそんなもん。なんで秋になったらこぞってビスケット食わなあかんねん」
A「まあ、秋いうたら、そういう風に言われとんねん」
B「結局すもうはあれへんねやないか」
A「……まぁ、とにかくすもうは、おかしいところいっぱいありますよ。すもうとりなんてあれでしょ。いっつもハンバーグばっかり食ってるんでしょ」
B「はぁ? いや……別にハンバーグばっかちゃうで? 」
A「主なエサはハンバーグ、て図鑑に書いてあったもん」
B「何図鑑やねん!!」
A「昆虫図鑑や普通の。」
B「なんで昆虫図鑑にすもうとりのっとるねん。」
A「まあ、あれは、隣に載ってるハチに刺されとったけどな」
B「どないなっとんねん。」
A「ハチは危ないですー、みたいに書いてあったわ。」
B「いやそらハチは危ないけどな」
A「あと、すもうとりがワニに噛まれてあってやな」
B「もう昆虫図鑑ちゃうやないか!」
A「ワニの牙は鋭いですー、てな。」
B「しっとるわ」
A「次のページでは『車に注意しなさいー』て言いながら、すもうとりがにこやかに車にはねられとったわ。」
B「何やらされとんねんそのすもうとり。ギャラちゃんとでとるんかいそれ。ただの『おすもうさんいじめ図鑑』やないか」
A「そうかなぁ」
B「人権問題やでそれ。なんでニコニコしながらはねられるねん。んなわけあるかアホ。」
A「あーでも、すもうとり自身の解説はかっこよかったで。体長は約1800ミリメートルとかな。」
B「……180センチて言えや。」
A「ほなやったらお前、リポビタンDも、タウリン1000ミリグラム言わずにタウリン1グラムって言えや!!」
B「しらんがな! 1000ミリグラムの方が効きそうやろ。なにをムダに気にしとんねん。」
A「あと図鑑に書いてあったんは、あれやな。すもうとりは、1度に産むタマゴは約2億らしいな。」
B「ほぼ魚類やん。」
A「2億のうち、成人のすもうとりになれるのは、わずか半分程度といわれています。」
B「2億の半分……て、1億人もすもうとり増えるんかい! ビックリするがな」
A「天敵はハチとワニくらいやから、ぎょうさん生き残りよんねん」
B「半分死ぬってことは、思ったよりハチたちにやられとんねやな、それ。」
A「せやで。な? そう考えたら、すもうっておかしいやろ?」
B「お前が変に言うとるだけや。すもうは実際かっこいいんですよ。」
A「どこがやねん。」
B「横綱とかなったら、もうほんま強いし、やらしい話、収入もめっちゃいくんですよ。」
A「え、収入すごいんかい。」
B「せやで。あたりまえやないか。」
A「……かっこええがな、それ!!」
B「やらしいな!!! 金だけかいな。」
A「ものすごかっこええやないか。」
B「他にもかっこええとこいっぱいあるんですもうには。」
A「金以外ありえへんやろ」
B「あるわ! たとえば勝ったとき、行司からまあ、あのなんや封筒みたいなんうけとるやん。あのときもやで、手で『心』いうて書いて受け取るねん。かっこええであれも。」
A「あれ『心』て字書いてるん?」
B「そうや。『心』や。」
A「ああ、俺あれ、『モチ』て書いとるんかとおもっとったわ。」
B「全然ちゃうわい! 考えたらわかるやろが。『モチ』て書く意図がわからんわ。」
A「常にモチ食いたくてしゃーないねんすもうとりは」
B「食えや! 好きなだけ食うたらええがな!!」
A「主な食事はモチやからな」
B「さっきお前、ハンバーグて言うとったやないか。矛盾しとるやんけ。だいたい、お前すもうのこと知らなすぎやで。」
A「ちょっとまってくれ。いやおれすもうは詳しいで?」
B「全然わかってへんわ。全っ然わかってへん。」
A「お前そんなん言うなよ。友達やろが。」
B「なんやねん」
A「おれが仕事できへん人みたいに言うなや!!」
B「お前それ何の仕事してんねん! すもう詳しないとできへん仕事ってなんやねん!」
A「だから。すもうについて語らせたら、おれの右に出る者はおらんよ?」
B「そんなことあるかいな。」
A「まあ左にもおらんよ。」
B「……じゃあどこにおんねん」
A「後ろに一直線にズラーっとならんどるわ」
B「行儀ようサーっと整列しとるんやないか。」
A「『前にならえ』してな」
B「かっこわるすぎやろが」
A「まあ勝ったとき、『心』てかいてるってのは初耳やったわ。」
B「それくらい常識っちゅーたら常識やけどな。」
A「あ、でもおれ知ってるで。難しい方の『心』とか書いてもうとる人おるやろ」
B「見たことないわ! 『心』ていう字に難しい方とかあれへんねん。」
A「いや、あるよ。憂鬱の『鬱』に似た字で……」
B「どんだけ画数多いねん!」
A「難しいであれ」
B「あんなもんササッと書いて受け取って帰るからかっこええねやろが。」
A「そうなんかい」
B「えんえんと書いとったら、行司も『もうはよ受けとって帰れや』ってテンション下がんねん。」
A「そもそもな、行司がわざわざ金渡したりするの、あれ人件費かかってまうからやめてもーたらええねん。」
B「あれが伝統やないか。どないして金渡すねん。」
A「あんなもん自動販売機みたいなん置いといてやな、勝ったら『勝った』いうボタン押したら金出てくるようにしといたらええねん。」
B「あかんあかんあかんあかん。伝統もクソもないやんけそんなもん。」
A「んなもん、ボタン押す前に『心』て書いたら伝統ちゃんと守られるがな。」
B「守り切れへんわ!! でも『心』はするんやな。」
A「まあ無人化したら、ズルするやつも出てくるからな。」
B「どういうことよ」
A「わからんよーに、2回ボタン押したりするやつとかな」
B「せこいせこい」
A「勝って先に金もろとるやつの後ろに、負けたやつが順番待ちしとんねん。」
B「負けたくせになに並んでるねん。」
A「ハァッ、ハァッ負けたッス! 悔しいッス! ポチッ チャリーンチャリーン」
B「なにしとんねん! 小銭やないかい!」
A「もちろん、二人で並んで『心』や。」
B「あかんあかん。片方の『心』には、よこしまな心はいっとるそれ。」
A「やっぱ負けたら正々堂々『負けたボタン』をちゃんと押さなな。」
B「負けたんやろ!? そんなん押さんともう帰れや!!」
A「わかったわ。『帰るボタン』押してすぐ帰るシステムにするわ。」
B「だから、いらんことさせんと、さっさと帰らせや!」