記事の最後に、三宅星南選手のジャンプがアイスコープのデータでは全日本選手権で一番高かったことを知り、喜んだことを追記したけれど。
一方で、一番高いっていいことなのかしらん?というのもチラッと頭をかすめていた。
いや、大した根拠のない素人考えなんだけどね。
話はNHK杯のペアの放送までさかのぼる。
実況のアナウンサーと解説の高橋成美さんが、ちょっと時間に余裕がある時に会話していたのだ。
録画は編集してそこの部分はカットしてしまったので、正確なところは覚えていない。
ただ、下のようなやり取りだった。
実況の人は「(スロージャンプの練習の時)遠くに投げられるのと、近くに投げられるのと、どちらがいいのですか」と聞き、成美さんは「遠くがいいです」と答えた。
「遠くだと怖くないですか?」とびっくりしたように聞く実況の人に対し、「高いだけなのは怖いですけど、遠くなら平気です。着氷しやすいですし。転んでも、ズサーッと転べるので。」というようなことを言っていたのである。
つまり、近くだと落下の衝撃を体がそのまま受けてしまうが、遠くだと横への移動が入ることで衝撃を受け流すことができるのかな、と思ったのである。
雪の上にボールを落とすより、投げた方が浅くしか雪に埋もれない、そんな感じか。
で、これっておそらくペアの話だけじゃない。
シングル選手のジャンプにおいても、遠くまで跳ぶ、つまり幅のあるジャンプの方が体にとっての負荷は少ないのではないか?私はそう考えた。
実際、NHK杯に出てきたシングル選手の一人、幅はあるけれど高さはないと言われてきたジャンプをかなり長い間跳んでいた宇野昌磨選手は、シーズンを棒に振るような深刻な故障は聞かない選手である。
一方、高さのあるジャンプを跳ぶ鍵山悠真選手の方は、皆様ご存知の通り故障で昨季ほとんど試合に出れなかった選手である。
高いジャンプを跳ぶ方が負荷も高い可能性はあるなあと思った。
そして、そう考えるとアメリカのマリニン選手が、四回転アクセルをグランプリファイナルになるまで跳ばなかったのも分かる気がしたのである。着地の衝撃の凄さを知っているからこそ、ここぞという時以外は使わない方がいいと考えたのではないだろうか。
そんなことをNHK杯の時に考えた。
で、今回、全日本三連覇女王もまた幅があるジャンプを跳ぶ人であり(高さもあるけれど、あの幅には毎回驚かされる)、しかも全日本連続11回出場というタフな経歴の持ち主でもあることを聞いて「やっぱり幅のあるジャンプの方が、選手の体にとっては多少優しいのかな?」と思ったのである。
なのに、星南くんのジャンプは高いんかーい。ううむ。
無論、ジャンプは高い方が見た目はいいんだけどさ。