アイスエクスプロージョン2023福岡。
いくつかのグループナンバーが今回、スマホや携帯で撮影可となり、金曜日の昼から撮影された動画などがSNSに流れてきた。
動画のアップは最初の公演が終わってからかなと思ってたののに、公演途中の休憩時間に早くもアップされた人もいて。とてもありがたく拝見した。

たくさんの動画が流れてきて、同じ演技でも席により撮影方向が違うのが新鮮で色々見てしまった。おかげでこの三日間の私は、家のことが後回しになってしまったことは否めない。



この一部の演目の動画撮影およびSNSにアップ可というのは宣伝効果を狙ったものだと思う。今回だけでなく、次のアイスエクスプロージョン開催の際にも意味を持つだろうしね。
ただ、それだけじゃなくて、ファンの中にあったかなだい引退のショックをかなり和らげてくれたように思える。少なくとも私は(一度は)消えてしまった。
二人が全力でこのショーに取り組んで、見事なものを見せている、そしてそのことを思い切り楽しんでいることが動画から伝わってきたからすっきりしたのだ。
グループナンバーもそうだが、それ以上に(予告無しで許可された)フィナーレ動画の、音楽に体を合わせて自由に踊ってる大輔さんが本当に魅力的だった。音楽に完全に合い、そして微妙な動きで音楽にニュアンスを与えていく。
その様子を見て「競技が枷だったのかも」とすら思った。
いや体が許すなら大輔さんが競技を続けたかったことは引退会見などでわかってる。彼の心にとって枷ではないのは間違いない。
ただ、競技を続けるということは、競技で使うエネルギーとショーで使うものの間でバランスをとる必要があるわけで。
そのバランスをとる必要がなくなった分、よりショーでは突っ走れるのかな、と思ったのである。



で、テレビでアイスエクスプロージョンのyoutube動画を流しながら家事をしていたら、ショーの動画が終わったのか、かなだいの国別の演技の動画に変わった。

「Conga」が流れて、ハッとする。競技の演技は、なんて美しいのだろうと思ったのだ。
研ぎ澄まされた、二人の動きが完全に調和した、鮮やかな動き。明るい会場、白い氷の上の演技は、まるで実験室のガラスのビーカーの中で燃えている美しい青い炎のようだった。熱さは感じるがススも出ない、抽象的な存在の青い炎。

アイスエクスプロージョンの演技動画の方は、グループナンバーだった。それぞれのスケーターが高い身体能力を活かし、音楽に合わせてフォーメーションを変化させながら踊る。素敵だったが、数日間(確か一週間?)の練習で作り上げたものである。バレエの群舞と違い、参加スケーターの体のフォルムまでを合わせたものでもないので、どうしても微妙なばらつきがある。いや、ばらつきのある人たちが合わせるのがむしろ迫力になってるし、魅力なんだけどね。
そして、フィナーレの踊りや、その後の周回のときの大輔さんの動き。周回のときに音楽に合わせる必要なんてないのに、踊りながら滑っていく姿。
それはおそらくそうしなくてはいられない、高橋大輔というスケーターの本質的なものが露呈している感じで。枯れ草が擦れて自然発火して燃える野火のような美しさに思えた。夾雑物ありまくりの環境で、なお周りを巻き込んで燃え広がっていくオレンジの炎。




ああ、そりゃあ大輔さん、競技「も」続けたかったよね。
青い炎もオレンジの炎も魅力的なのだ。どちらも追求したかっただろう。

そんな風に思ったのだ。