宇野昌磨選手が、JOCのシンボルアスリートに選出された。

"宇野昌磨「選ばれて光栄」 シンボルアスリート発表/フィギュア"



それに対し、一部の羽生選手のファンが「もやもやする」と書いている。
実力も知名度も羽生選手の方が上なのに、なんで?というところだろう。

もやもやするならすっきりするために調べた方がいいよ。「JOCシンボルアスリート」というのがどういうものか。あれ、トップアスリートにとっては労多く益少ないお仕事なんだよね、実は。

いささかお節介と思いつつ、書いてみる。

JOCシンボルアスリート制度は、Wikiの「選手強化キャンペーン」の中に記載がある。

<引用>
2005年度から始まったCM出演制度。肖像権はJOCが管理した上で、JOCのスポンサー企業のCMに優先的に出演できるようにして(スポンサー企業以外のCM出演も可)、JOCから協力金(年間1000~2000万円程度)としてギャラを支払っている。なお、次世代のシンボルアスリートを対象にしたネクストシンボルアスリート制度も導入された。
契約期間は原則1年間である。

<引用終わり>

言い換えると。JOCのスポンサー企業のCMに出演しても、年間2000万円程度にしかならないってことである。
羽生選手、P&Gや味の素のキャンペーンやってるけど、ギャラ、多分もっと上だよね?ソチ五輪の唯一の金メダリストで、平昌五輪で連覇を達成し、国民栄誉賞を受賞したトップアスリート。人気も高い。相当のギャラをもらっているはずである。

多分、羽生選手の場合、下手にシンボルアスリートになったら、減収にしかならないんじゃないかな。割が合わない契約だと思う。



で、そういう収入面以上に。

シンボルアスリートになったら、JOCの広告塔として、スポンサー企業のイベントに駆り出されることもあるんだそうで。(「日刊ゲンダイ」「シンボルアスリート」で検索するとそのあたりを説明した記事が引っかかります)

海外在住の羽生選手にとっては、日本まで飛んでこなくちゃいけないイベントが増えるわけで、大変だと思うよ。
自分だけのスポンサーなら自分の都合に合わせてスケジュール組める。しかし、複数のアスリートがかかわるイベントとなると自分の都合だけ主張するわけにはいかない。負担は大きいはずだ。



つまり。
「先輩、家が遠くて大変でしょう。僕、近所だからやりますよ。」
「おお、頼むわ。」
程度のことだと思ってればいいんだと思う

「幽霊の正体見たり 枯れ尾花」なんて川柳もある。
もやもやなんて、きちんと調べたらたいしたことなかったりすることも多いのだ。





(というか、過去羽生選手が2013-14年度は引き受けていたシンボルアスリートの契約を続けなかった時点で、アンチは「自分に都合がいいことしかしないのね。」と吹聴していたんだよな。それがひっくり返った話になるとは。時の流れというものは面白い。)