こんばんは。

 

帰宅後、息子たちの諸々の関係で時間を要し、書き始めた段階で日付は変わってしまいましたが、今年の汚れは今年の内に精神で、競馬界では年度末のダービーのことは5月26日未明の内にということで、私なりに簡潔に振り返って行きたいと思います。

 

元々、現地観戦の予定の無かった中ですが、いつもお世話になり過ぎている馬主のTさんのご厚意で、皐月賞に続き、現地観戦をさせていただきました。

 

 

現代風に言うなら「推し馬」であるアグネスフライトの悲願の戴冠の映像をターフビジョンに何度も観ながら…

 

 

Welcomeチャンスの(全員当たると専らの噂の)特別賞で、ダービーリボンと共にオルフェーヴルのキーホルダーをGETしつつ…

 

 

お昼ご飯は、億り人の非ではない、壮絶な人生を経られた上で、まだまだ夢に向けて発展途上中の馬主のIさんで有難いお昼をご馳走になりつつ…

 

 

パドックでは、有馬記念とは違う、若駒のギリギリの張りつめた仕上げと、それぞれに尽力をした上で、自らコントロール出来ない何かと戦っている関係者の方々の挙動に、胸が詰まりそうに何度もなりながら、レースを迎えました。

 

レースの結果は皆さまご存じのとおり、皐月賞のゲート前での競争除外が有った関係で、1月14日の京成杯勝利以来、実に4箇月振りの競馬にもかかわらず、最内の厳しいところを抜けたダノンデサイル@横山典弘騎手が優勝。

 

2着のジャスティンミラノに2馬身つける、決定的な着差による勝利でした。

 

私がとやかく語るより、今年こそ、道中のLAPに語って貰うのが1番良いと思います。

 

「12.5 - 11.4 - 12.4 - 13.1 - 12.8 - 12.6 - 12.7 - 11.7 - 11.3 - 11.1 - 11.2 - 11.5」

メイショウの取消で急遽逃げ馬不在となる中、3F目から減速LAPに入り、そのまま5F1000mが団子状態で、実にこの中間が1分3秒6と、未勝利戦とも言って良い程のスローで推移した結果、ラスト5Fは56.8秒、レースラップでこの数値は、調べるまでもなく、ダービー史上最速LAPでしょう。

この展開を、埒沿いの番手で終始脚を溜め、直線は、リーチザクラウンの内をロジユニヴァースで突いた年を彷彿とされる騎乗で、突き抜けたダノンデサイル@横山典弘騎手。

自身のラスト5FのLAPは、少なくとも56.5秒程度、後方からこれを交わそうと思うものなら、55秒台の脚は必須で、この舞台の為にギリギリに仕上げられた馬達にとっては、道中の「遊び」を踏まえ、実質的に無理な競馬でした。

そうなることが分かっていたのか、1コーナーの入りの3頭、エコロヴァルツ、シュガークン、そしてダノンデサイルの鞍上、御年50歳以上で、かつ、ダービーを勝っている3人の騎手が、レースを完全にコントロールした形になりました。

その一角に戸崎騎手騎乗のジャスティンミラノもつけ、騎乗カメラ映像を見ても、終始前に障害物はなく、抜け出すだけで無敗の2冠達成、そして、悲願のダービー制覇が完全に見えたと思いますが、その視界の外、まさか、埒沿いから1頭抜け出すとは、思わなかったのではないでしょうか。

ロジの時に、リーチをパスする際、外を回していたら負けていたと典ちゃんは言っていた様に、今回の競馬も、万全を期して、シュガークンの外に出すようであれば、ジャスティン勝利の芽も有ったと思いますが、あそこを手応え抜群で突かれたら、もうどうしようもないですね。

本命を打ったレガレイラは、1枠2番が災いし、大外に出せたのが残り1F手前。
デビュー以来、最速上がり記録は継続出来ましたが、青嵐賞でスローからの向こう正面での捲りをルメール騎手はやり、その再現をするかと思いましたが、そのレベルにはきっと達していなかったのでしょう。

それは予想の段階で完全に見誤りました。

その上で、レース後の典ちゃんの「(ダービー)3回とも同じ競馬をしていますよ」というコメントが全てを物語っているでしょう。

道中の隊列を評して「やっぱりベテランは前で、考えることは一緒ですね。」

と、悟りを開いた様なコメントには、ありとあらゆる含蓄に溢れていますね。

馬の出来については、軽めの直前追い切りにつき「最後の追い切りはヤマ(坂路)で遅い時計、あれが良かった」と、ダービーの敗因として最も多い、この時期の一生に一度のレースだからこそ、仕上げすぎてしまう馬が大半の中、前走発走直前のハ行に一早く気付き、無理をしなかったことからの一連の流れ…まるで悟りを開いた様な一連の流れが、いつの間にか必然となった、そんな感じですね。

個人的には、典ちゃん鞍上で、調教助手に安田景一朗となると、この2月まで、父の安田隆厩舎の看板馬として頑張ったレッドルゼルのチームをどうしても思い出し、現場では極力そこに触れない様にしつつも、帰宅後、その感情は染み出ましたね。

安田翔伍先生は若干41歳、初めてのダービー挑戦で結果を出しましたが、そこまでの過程では、それこそ、トウカイテイオーから続く系譜を継承した、素晴らしい勝利でした。

東京コースはデビュー戦の4着のみ、前走競争除外で、実質的に4箇月振りの競馬での戴冠は、フサイチコンコルドの3戦3勝に匹敵する快挙でしょう。

社台Fは、エイシンフラッシュ以来、実に14年振りのダービー制覇。

そのエイシンフラッシュも、昨年惜しくも2着に敗れたソールオリエンスも、皐月賞へのステップは京成杯からでしたから、馬場の影響も有り、質の高い追走力が求められるこのレースの傾向と、牧場の育成方針がマッチした結果なのでしょう。

それでも、馬自身より、そこに至るまでの過程でが大きく勝敗を左右した、これが競馬の実力ではないにせよ、「最も運が良い馬が勝つレース」としての矜持を感じた、そんな第91回ダービーでした。

目黒記念の出走が17時だったこともあり、レース後は、ご一緒だった4人で、毎週の様に通っている、西国分寺駅のビストロ千俵さんへ。

 








 

写真は一部では有りますが、〆のパスタまで、大変美味しく頂戴しました。

馬主のTさん、本当にいつもありがとうございます。

 

これで競馬界では1年が終了しました。

 

決して「無事に」とは言えない1年、最後のダービーも、こんなスローは世代の頂点を決するレースでは…という声も十分理解できますが、ダービーだからこそダービーの勝ち方が有る、その間口がグッと拡がったという点でも、十分に素晴らしいクライマックスだったと思います。

 

最後に、おまけでは有りますが…

 

 

軸のレガレイラが差し切れなかったものの、対抗のジャスティン、単穴のシンエンペラーは3着に来た結果、3頭目は荒れる法則で、何とか3連複だけは引っ掛けることが出来ました。

 

ダノンさえいなければ、4着のサンライズも「1枠1番」の法則で持っていたので、3連複は一気に958倍まで跳ね上がったのに…というのは欲をかき過ぎでしょうか(笑)

 

現2歳世代の牡馬の出資は僅か1頭ですが、何とかその1頭で、1年後はこの舞台に立ちたいという決意表明で、1年を締めくくりたいと思います。

 

その1頭が、鞍上武豊で、最年長記録を更に更新することが出来ますように。

それでは、1年間、本当にお疲れ様でした。