こんばんは。

 

2月の中旬とは思えない程、暖かい1日となった2024年初のG1デイ。

 

未明まで色々と今までの感慨に耽っていたこともあり、重い頭と眠い瞼を擦りながら、今日は妻も一緒に馬主のTさんのお招きいただき、一路東京競馬場へ。

 

現地では、お昼前に、ルゼルでご一緒の名も無き馬さんと娘さんと合流。

彼とは、同馬やレッドブロンクスでご縁が有り、3年前は無観客だったので叶いませんでしたが、直近2回のフェブラリーSは一緒に観戦しており、今日で3年連続。

 

競馬に対する知識や感性は勿論、競馬に対する妥協なき姿勢にいつも刺激を受けておりますし、何より、ギャンブラーとしての資質に惚れ込んでいますが、そんな彼の最も尊敬すべき点は、4歳になる愛娘の一挙手一投足に付き合いながらも、現地競馬を楽し満喫されている点、本当に凄いと思います。

 

フェブラリーSと同条件のヒヤシンスSでは、某馬主さんの某馬を近くで応援させていただきつつ、そのレースでは、昨日言及した、テンの2F目が10秒台となったことから、最後は追い込み決着となり、土曜日から続いていた前残り、イン伸び馬場でも、ペース次第では後ろから届くことを確認。

 

因みに、単複をちょっと厚めに当てて、少しは負債の補填となったこのレースの勝ち馬ラムジェットですが、ここまで追走に苦労するわ、4角入口でも馬群に取り付けない気性的な難しさがあるわで出世が遅れていましたが、皇成騎手が乗った前走から少しだけ行儀が良くなり、今日も、3角から追いどおしでは有ったものの、長い直線でフットワークが定まってからの末脚はかなり強烈。

 

勝ち時計の1:36.3は、フェブラリーSのそれと僅か0.6秒差。

例年、1秒から3秒程度、ヒヤシンスSとフェブラリーSのタイム差が有りますが、過去10年をピックアップしても、着差が1.4秒以下だった馬は、

 

2015年 ゴールデンバローズ(0.8秒差)

2016年 ゴールドドリーム(1.4秒差)

 

僅か2頭で、いずれも種牡馬入りしています。

馬自身の課題も多い事、下馬評からもフェブラリーSのレベル自体への疑問も有りますが、ラムジェットの名前は憶えておいて損はないでしょう。

 

ペース次第では差しが届くということが分かり、トラックバイアスへの懸念がある程度払拭出来たことで迎えた、第41回のフェブラリーS。

 

愛馬のレッドルゼルは、前走武蔵野Sから増減なしの490㎏で迎えることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

全盛期に比べ、多少瑞々しさは無くなったものの、これが8歳とは思えない好馬体は健在。

帰宅後、グリーンチャンネルのパドック解説を見返し、「良い頃に比べて馬体が小さい」との言及が有りましたが、何処に目を付けているのかと言いたい位、馬体の外見については問題なかったですね。

 

昨日、特に競馬予想TVでは、最終追い切りがごく軽めで、その前2日も坂路入りしていないことから、「気性面が限界」という話しから、「(勇退する安田隆先生の)記念出走」とまで揶揄されましたが、G1の喧騒の中でも非常に落ち着いて周回出来ており、この時点で、入れ込みに関する不安は無くなりました。

 

後は、後方から末脚勝負に徹する戦法が彼のスタイルだけに、その展開が向くかどうか。

昨日の更新のとおり、テンの2F目のラップが10秒台になることを祈りながら、レースを迎えました。
 

2024.02.18
2月18日レース後コメント(6着)
安田隆行調教師「応援ありがとうございました。状態については申し分なく、返し馬もスムーズ。去年と同じだけ走ってくれれば勝てると自信を持って送り出しました。競馬も後ろからになるのは作戦通りで、33秒台と速い流れの中ぴしゃりと折り合っていたので『よしよし、あとは前を飲み込むだけ』と思いながら見ていましたが、ルゼルらしい爆発力を繰り出せなくて…。牧場滞在時にやや順調さを欠いたとはいえ、このレースに向かう過程に狂いはなかったですし、我々も馬も、そしてジョッキーも全力でやり切った結果なので仕方ありません。私自身最後のG1レースの挑戦で、ファンファーレとともに鳴り響く手拍子にはグッとくるところはありましたが、最後の最後まで厩舎の大将格として国内外で活躍し続け、今日もこの舞台に連れてきてくれたルゼルには感謝の気持ちでいっぱいです。ルゼル、ありがとう。それしかありませんね。全力で走り切ってくれたので、まずは脚元などに異常がないかよく観察し、次の厩舎に引き継ぎたいと思います

北村友一騎手「レース前の雰囲気はすごく良かったですし、自分の競馬もできたのですが、G1に出てくる馬たちですから前も簡単には止まらなかったです。4コーナーで3着馬に蓋をすることができていればもう少し上の着順でゴールができたはずで、そこについては悔いが残ります。せっかくいただいたチャンスでしたし、これまでお世話になった安田隆行調教師や厩舎の皆さんに恩返しをする絶好の機会だと思っていたので申し訳なく思っています

 

レースラップは、

 

「 12.0 - 10.8 - 11.1 - 11.7 - 12.3 - 12.5 - 12.4 - 12.9 」

 

見事に2F目だけでなく、3F目も10秒台に近いラップが刻まれる超ハイペース。

テンの3F33.9秒は、G1施行以降、オープニングラップでは2番目の速さのレースとなりました。

 

ハナ宣言をしていたドンフランキーが好発からハナに立ち、内枠各馬に人気のウィルソンテソーロが間髪入れずに追走するレースは、まさにG1らしい激流でした。

 

逃げたドンフランキーは9着に敗れましたが、勝ち馬とは僅かに0.9秒差。

 

故障明け、しかも海外遠征を控えた中でのステップレースということを考えても、逃げの質自体は非常にレベルの高いもので、今後、スプリント覇権を取るであろうその実力を十分示しましたし、それを追走したイグナイターも、こちらも11着に敗れましたが、見応え十分なものでした。

 

本馬場入場から発汗が非常に目立ったウィルソンテソーロは、結果的に激流に巻き込まれて8着に敗れましたが、トラックバイアスを考えれば、前が落ち着いた場合の最適解はこのポジションでしたし、現に勝ち馬もこのポジションから出ていますから、鞍上、陣営を責められません。

 

それは、1番人気のオメガギネスも同様。

 

予想段階で無印、格的にも通用しないと事前に書きましたが、ダートマイルG1における格というのは、どれだけ厳しいペース、周囲のプレッシャーに耐えて結果を出してきたかということで、この激流、そして、今までと2枚違う相手に好位で競馬をするには、まだまだ研鑽が足りなかったということでしょう。

 

その点、勝ったペプチドナイルについては、G1自体は初出走でしたが、昨夏、北海道シリーズで、厳しい展開を自分でつくり、結果を出してきた馬。

 

富田騎手が弱気な騎乗で13着と敗れたエルムSでのみ本命を打っている自分は恥ずかしい限りでは有るのですが、その追走力が活きた2走前のベテルギウスS、前走の東海Sは、超スローの前残りで結果が出なかったことを考えれば、激流での追走力という点では、十分狙えた1頭です。

 

そして、3着のセキフウは、このペプチドナイルと何度もセットで来ている馬。

 

鬼門の初ダートでも、セントライト記念では自ら動いてアスクビクターモアとローシャムパークを完封し、あの天皇賞秋で、イクイノックスを負かしに行った、ガイアフォースは、砂を被らない長岡騎手の素晴らしい騎乗も有りましたが、このペースへの適性という点では、好走の下地が有ったと言えるでしょう。

 

ただ、いずれも、予想、しかもG1でのそれを組み立てるに当たり、最優先でこのファクターを重視出来るかと言うと、初マイル、初ダート、同レース昨年11着、武蔵野S12着、8着実績馬ですからね…流石に難しいです。

 

そんな中、絶好の展開となったと思われたレッドルゼルでしたが、結果は伸びきれずに6着。

 

発馬は上手く出て、昨年同様、道中は最後方のイン追走。

 

そこから直線大外に出し、何処まで伸びるかという理想的な競馬が出来ましたが、1つ前にいたセキフウに取りたい進路を先に取られ、スムーズに加速出来なかった点は、確かに痛かったですが、北村友一騎手のミスということは全然ないでしょう。

 

ここまでの過程、当日の調子、全てにおいて、問題は無かったと思いますが、加齢による影響を挙げるとすれば、追走力でしょうか。

 

昨年、ドバイでも過去2年とは違い、追走に手間取るシーンが見受けられたことで、直線弾けることが出来ずに6着に敗れましたが、今日も、追走自体に問題は無かったですし、上がり自体も全体で2位の36.9秒の脚を使ったものの、ラスト1Fは明らかにそれが鈍ったのは、道中の追走余力が、加齢と共に無くなってきたという点は、確かに有ると思います。

 

これだけの激流になれば、中距離向きの適性をより問われたという点は当然有ります。

 

昨年は中盤が緩んだことで、楽に馬群に取り付けましたし、今年の方がより重い馬場だったので、スタミナロスが大きかったという点も否めませんが、それは相対的にも言えることで、その中で、昨年より大きくパフォーマンスを落としたのは、やはり加齢の影響が否めない、そんな印象をレース直後に受けました。

 

それでも、内で粘った馬たちが12着まで団子状態の中、外から最後僅かでもそれを交わし切り、6着に上がったことは、観戦していた場所の角度的に、もっと厳しい結果かもと思った瞬間が有っただけに、入線後のストップモーションを確認したときは、寧ろ嬉しかったですね。

 

パドックの雰囲気から、破裂する前の風船の様な究極の仕上げを安田隆厩舎が施してくれたのは分かりましたし、北村友一騎手が並々ならぬ覚悟で騎乗してくれたこと、こちらが思い描いたとおりの競馬を彼がしてくれましたから、負けるなら力負けと割り切れますし、個人的には十分満足いく結果だったと言い切ることが出来ますね。

 

素晴らしい競馬をしてくれた人馬に、心から感謝を申し上げたいと思います。

 

ここまでの過程、今後の適鞍が無い状況、そして厩舎解散という点に鑑みても、個人的にはここで現役生活に終止符を打つだろうと思っていましたが…まさかの転厩言及が有りますね(^^;

 

この時期であれば、まだスタッドインが間に合う時期なので、行先が決まっているのであれば、流石に今日の発表こそ無いと思っていましたが、今週中には発表が有ると思っていましたが、転厩という表現を見ると、それがまとまらなかったのか、それとも、クラブ側からか、新天地側からか、現役続行の強いオファーが有ったのか…

 

ポジティブな理由で有れば良いのですが、ここが一区切りと数か月前から覚悟をしてきた身としては、正直、どういう風にこの状況を捉えて良いか、ちょっと戸惑っています。

 

それでも、どの様な結論になるとしても、今週中にははっきりすると思うので、まずはしっかり走り切りましたから、馬自身が無事であることを祈りつつ、続報を待ちたいと思います。

 

素晴らしい環境で、このトライを見守ることが出来るようにご配慮いただいたTさん、本当にありがとうございました。

そして、今回は特に、沢山の方々に応援していただきましたが、結果こそ期待に応えられませんでしたが、彼らしい走りは十分見られたと思いますので、どうぞこれからも、彼の動向を気にして頂けたら幸いです。

 

本当にありがとうございました。