こんばんは。

 

次男の体調不良から始まった週明け。

昨日は早朝から発熱外来の列に並ぶところから、幸い、コロナでもインフルでもありませんでしたが、胃腸炎の判定。

まだ体調は万全ではないので、登園再開を何処で…という感じですが、金曜日は卒業遠足なので、なんとかそこまでには回復して欲しいところです。

 

私自身も、この花粉症騒動で耳鼻科の予約が全くとれず、2週間近く上咽頭治療が出来ていないせいで、リンパ機能が乱れ始めており、突発的に手足に痺れや痛みが出始め、ちょっと危ない状況。

 

鼻うがい等のセルフケアはやれるだけやっていますが、それももう限界。

 

何とか週末には受診出来ればと思いますが、コロナ明けで受診控えがなくなり、かつ、この花粉の飛散量、耳鼻科もパンクするのも分かりますし、ましてや人気の耳鼻科に通っているので仕方ないですが、全国の耳鼻科でも100件前後しかやっていない特殊な治療を受けている患者としては、もどかしい思いです。

 

さて、昨日まで次男に付きっ切りだったので、ようやく、祐一騎手の引退式の様子を見ながらこれを書いていますが、いきなりの川田騎手の花束贈呈での号泣を見て、涙腺がヤバいことになっています(^^;

 

これだけ実績を挙げた騎手を、デビューから引退まで見届けられたのは、彼が初めて。

しかも、日本競馬史に残る名騎手の息子であり、日本競馬史に残る悲劇の騎手の息子であり。

 

歳もそれほど違わないので、その意味の重さを、高校生だった自分は始めは字面どおりに、それが、自分が歳を重ねるに連れ、ライフステージが上がるに連れ、どんどん感じるようになりました。

 

とにかく無事に。

 

プリモディーネでの初G1制覇の翌週、マルカコマチでの落馬による腎臓摘出手術、その時から、そればかりを願っていましたが、こうして無事に騎手生活を全うされるだけでも十分ですが、あのどうしようもなく頼りなかった祐一が、数々のG1を制し、父の3倍の勝ち鞍を重ね、ダービーを、しかも3度も勝ち、無敗の3冠馬にも巡り会う…騎手人生の晩年の展開は、20年前は想像も出来ませんでした。

 

3月4日、福永家にとっての悲劇の日に、素晴らしいセレモニーが出来たこと自体が日本競馬史に残ること。

本当に良かったです。

 

私自身、妻が2000年頃から祐一の大ファンで、結婚する前は一緒にイベントに行ったり、妻は仕事で行けませんでしたが、エイシンプレストンの引退レースである香港カップの応援ツアーに行き、レース後は懇親会で酒席を一緒にさせて貰ったことを契機に、何度か顔を合わさせていただいたことも有る、我が家にとっても、想い出深い騎手でもあります。

 

 

良い写真があまりなく、香港での懇親会のときの、私の後ろ姿で恐縮ですが、この時の祐一は26歳。

翌年に、シーザリオ、ラインクラフトで大ブレイクすることになりますが、夜明け前と言った感じでしょうか。

 

そして、奥に写っているのが、当時は北橋厩舎の調教助手で、現、実弟の藤原厩舎の調教助手である藤原和男氏。

 

この数年後、定年で恩師である北橋先生が勇退され、乗鞍こそ確保出来ていたものの、明らかに馬質が落ち、本人も相当悩んでいるときに、馬術に長ける藤原先生の元で再スタートをと誘ったのが、この和男氏です。

 

当時はそんなことがその後に起こるなんてつゆも知らず、プレストン自体は引退の花道を勝利で飾れなかったものの、数々の金字塔をこの香港で打ち立て、無事、スタッドイン出来ることで、終始号泣されていた和男氏のことだけが印象的でしたが、祐一自身のその後の運命を変えた、そのコンビと特別な場所で出会えていたことが、自分が今も競馬ファンでいるに当たり、大きな財産になっています。

 

彼の再スタートと時を同じくして、私自身、一口馬主を始めていますが、彼の愛馬への騎乗実績は以下のとおりです。

 

 

 

全騎手の中で、岩田騎手の中で最多タイの6勝をアシスト頂きましたが、もっと大きいレースを勝って貰っていると思っていましたが、殆どが新馬、未勝利だったことに、改めて気付きました。

 

想い出補正が入ってしまうのも、一口での初勝利のフェリスホイールの鞍上であり、初G1馬のアヴェンチュラの新馬戦の鞍上であり、そのアヴェの仔の初勝利のカイザーラインの勝利も彼が鞍上。

 

節目節目の勝利を飾ってくれた分、それが一発回答のケースばかりだっただけに、印象深くありますね。

 

そして、藤原厩舎での3頭、カイザーライン、レッドサクヤ、サーマルソアリングの主戦は全て彼でした。

特にレッドサクヤについては、愛馬での唯一のOP勝ちのエルフィンS、そして、アーモンドアイ、ラッキーライラック等と戦い、4着と好走したオークスと、いずれも唸る様な好騎乗をしてくれたことが、彼との一口を通してのハイライトでしたね。

ワグネリアンでダービーを勝つ、ちょうど1週間前の出来事でした。

 

今でも彼の印象は、キングヘイローで負け続けた時代のイメージが強いですが、若い時期にお会いしてお話しした印象も含めると、非常に勉強家で、頭の良い方でも有りますが、それ以上に、騎手としての思考能力と同じくらい、一般の競馬ファン、と言うより、馬券や血統と言った、外から競馬を見る、分析する思考能力に長けた印象が強かったです。

 

ご本人も、度々取材で、それこそ優駿の最新号にもそうですが、元々競馬には全く興味はなく、競馬学校に入ってもそれは同じで、初めて競馬に興味をもったきかっけは「血統にハマった」ことだったと話されていることからも、競馬一家に生まれながらも競馬とは接点のない生活を長く過ごしていたことで培われたこと、馬乗りとしての素地が無かったからこそ、努力して築かれたことが、自分自身を、競馬自体を客観視して、それを具現化する力になったのかなと思います。

 

愛馬に最も乗って欲しい騎手に彼の名前を出してもう随分と長くなりますが、とにかくその辺りのコメントやジャッジが的確で、アヴェもサクヤもそうでしたが、馬自身の「器の大きさ」を確信させてくれたことが、非常に印象的でしたし、普段の競馬の中でも、それを感じる部分が大きく、あの頼りなかった祐一とは別人が今は同姓同名で騎手をやっていた、そんな印象すら晩年は受けました。

 

これから調教師として活躍されるとのことで、騎手上がりでは間違いなく近年稀にみる人気厩舎になるでしょうし、それに見合った実績も先々挙げることになると思いますし、一口については最初から大人気になると思うので、おそらく縁は殆どないとは思いますが、沢山の知識と経験と、そして競馬の魅力、楽しさを、これからも伝えて言って欲しいと思います。

 

本当にお疲れ様でした、そして、ありがとうございました。

 

それでは、本題。

 

土曜日のチューリップ賞に、主戦の祐一調教師は誘導馬に乗っていましたが、彼女の背には、藤原厩舎の新しい主戦、所属騎手の望来騎手を乗せ挑んだサーマルソアリング。

 

未勝利を勝っただけの馬とは言え、ドゥラメンテ×トータルヒートの血統馬ですから、穴人気になるかと思いましたが、まさかの単勝99倍の15番人気。

 

これは流石に人気無さすぎだろうと思いつつ、スローの上り勝負濃厚な中で、やる競馬はひとつなだけに、苦しい競馬にはなるだろう、だけど…と思いながら、レースを迎えました。

 

23/3/4  藤原厩舎
4日の阪神競馬では後方に控える形でレースを進め、直線は大外へと持ち出す展開。追って伸びてきてはいるものの、最後は脚色が同じになり10着。道中は折り合いをつけながらじっくり追走し、直線に向いてからも一瞬は伸びる気配を見せてくれました。残念ながら上位争いはできませんでしたが、逃げた馬がそのまま押し切るような展開の中、この馬自身33秒台の脚を使ってよく頑張ってくれたのではないでしょうか。重賞でコンマ4秒差なら悲観することはないでしょうし、次走でさらにいい競馬をしてくれることに期待したいと思います。今後については膝を含めて馬体をよく確認してから検討していきます。

 

3F通過35.2秒もスローですが、それ以上に、そこから2Fが「12.3-12.4」と更に原則したこと、インバイアスが変わらず強い馬場状態ということで、この時点で勝ち負けはないと分かりましたが、そこから頑張りましたね。

 

ラスト3Fは出走馬中2位の33.5秒、ラスト2Fの時点では、一瞬外から先団に取り付く位の勢いで伸びかけ、勝ち馬まで0.4秒差ですから、着順こそ悪いですが、しっかり走れています。

 

3着で権利を獲った大外枠のペリファーニアの様に乗れという批判もあるようですが、ここがゴールではない、まだまだこれからの馬ですからね。

 

前走祐一騎手がしっかりギリギリまで我慢させたこと、この形をペース如何問わずに続けて行くことで、マイルは短い馬でも有りますから、距離延びての伸びシロをしっかり確保する、あわよくば、この形で賞金加算が出来れば最高でしたが、この形になってしまった以上、教育に徹すること自体は決して悪くないですし、チームオーダーもそうだったのでしょう。

 

馬自身は、しっかり走りつつ、ストレスのない競馬だったと思いますから、強い相手にこれだけやれた自信を糧に、次は距離延長でというところにも繋げてくれましたから、個人的には満足度100%と言えるレースではありました。

 

まだまだ芯が入らない中でもこれだけ走れていますし、今回はしっかり折り合いがついていましたから、まだこの時期でもありますので、次走は距離延長で走る姿が観たいですね。

 

桜花賞路線は、賞金足りない組がチューリップ賞の上位を独占したことで、賞金ボーダーがとんでもないことになりそうですが、オークスは例年どおり、そうでもない可能性が高いだけに、自己条件で着実にステップアップするのか、それとも、トライアルに再度チャレンジするのかは分かりませんが、厩舎自体もそうですし、祐一騎手自身もそうでしたが、上でやれる素材を認めて貰っている仔ですからね、目標へ向かっての選択肢がある以上は、そこに向けて頑張って欲しいと思います。

 

それでは。