今回で終えますm(__)m

前走の結果と上積みを評価されて1番人気で迎えた8月29日の芝1200m。
今度も無難にスタートを切ると、同中好位5番手を追走。
すぐ前にいるのが、2番人気のジャックボイス。
前走ダート1000mで2着、それまでも芝1200mで2着が2回ある出走馬での実績はNO.1、この馬を交わせば勝利がグッと近づきます。

勝負の分かれ目は4コーナー、早めに仕掛けて先頭に立とうとするジャックボイスとは対照的に、ワンテンポ仕掛けを遅らすフェリス@福永祐一。
ここで勝負有りました。
ラスト100mの伸びは前走以上だったものの、3/4馬身届かない2着でした。

追い込まれましたが、出資者として希望する選択肢はただ1つ、適鞍が無いスーパー未勝利ではなく、ラスト1週間残っている小倉の1200mへの連闘。
ここを使って、仮に負けはしたものの5着以内で出走権利を得たとしても、披露の関係からも恐らくまともな状態でスーパー未勝利は使えません。
それでも、常識にかかってきたレース内容と、同開催の芝1200m出走馬の中では殆どの有力馬との勝負付が済んだと言える相手関係を考えると、ラストチャンスはここしかないと。
陣営も同じ気持ちであったらしく、晴れて1週間後の9月5日、3度目の祐一騎乗でレースは始まりました。

いつも通りの5番手を追走しながら、すぐ前を走るのがフェリスと同タイムの持ちタイムのある2番人気のフラワーウインド。
新人ながら現在35勝している松山騎手の鞍上で斤量差が3kgもあるだけに、ここ2戦の最後捕まえ切れない嫌なシーンが頭を過りました。

勝負所の4コーナー、ここでフェリスに幸運が訪れました。
3枠6番スタートから、馬場の悪いながらもロスの少ない内側を走っていたフェリスが、いつもより早めに押しながら前を捕らえにかかったところに、逃げていたフラワーウインドが馬場の良い大外の方に意図的に狙ったのか、それとも人馬のコーナーリングの未熟さを露呈したのか、フェリスの前がぽっかりと開きました。

もう、そこに入って、後は状態の良い馬場の真ん中に持ち出しながら追うだけ。
逃げたイナズマガイアがしぶとく粘るも、外から競りかけたフェリスの脚色が優に勝っており、ラスト50mで先頭に立ち、見事1着でゴールイン。

一口馬主生活初めての勝利が、スーパー未勝利目前、しかも連闘での勝利と、これ以上無いくらいドラマティックかつ非常に心臓に悪いものでしたね。
期待から失望へ、驚きから確信へ、たった1つの勝利へのドラマの中に、これだけの感情を埋め込んでくれたフェリスは、自分にとって、どんな名馬にもひけを取らない、尊い存在にいつの間にかなっていました。

その後フェリスはまさかの続戦、2週間後の中山の特別戦汐留特別に出走。
鞍上に目下武豊を抑えて全国リーディングを独走する内田博幸騎手を迎え、昇級初戦ながら3番人気に押されましたが、初の関東輸送と連戦の疲れが出たのか、当日の馬体重の-22kgが示す通り、最後は失速、12着に敗れました。
それでも、混戦の2着争いからは僅か0.5秒差。
苦手な急坂コースではなく、得意の平坦コースに戻れば、充分やれる手応えは掴めました。

現在は放牧を終え、栗東TCで調教を積んでおり、おそらく今週の日曜日の中京の1200mでの復帰になると思います。
1つ勝つまでが大変なダンス産駒。馬体の幼さからもこれからまだまだ成長が見込めるだけに、フェリス伝説の第2幕が、輝かしいものであること、そして、引退までのキャリアをとにかく無事に過ごしてくれることを、心より祈っています。