前回はレザークラフトを始めた理由を紹介しました。レザークラフト関連の記事はFC2に既に書いたものなのですが、閉鎖してアメブロにまとめるため一部の記事のみ引っ越し中です。『私がレザークラフトを始めた理由』このブログではあまり書いてませんでしたが、レザークラフトも趣味にしております。インドネタはマンネリ化しているのでダッセンついでに今度はレザークラフトの話をさせ…リンクameblo.jp

ビリヤードのジョイントキャップホルダーを作りをはじめたところ、文字を入れて欲しいと言う方が現れたので焼印作りをしてみました。


まずはルーターを使って文字を彫ろうとしましたが、真鍮に書いた図柄を手で彫るのは至難の技で、断念。エッチングをしてみることにしました。

参考にしたのは真鍮エッチングのページです。

エッチング


この通りやれば出来ると思うのですが、レーザープリンターで印刷したトナーを真鍮に転写するのが記事通りに上手くいかなかったので、自分の方法を紹介します。

使用したプリンターはNECの5650Cです。



安いので使っている人も多いと思います。高品位インクジェット用紙 フジフィルムの「画彩」(マスカットの写真がパッケージ)を使う人が多いようですので、私も同じ方法で試しました。

図柄はこんな感じ。


フォントはcenturyの18ポイント 小さい字は8ポイントです。

真鍮は1cmの角棒を使用。印刷して切り抜いた図柄を濡らして張ります。




ここでアイロンをかけるのですが記事により高温、中温説があって迷いました。色々とやった結果、中温が必須だと思います。何故高温がダメかというと、加熱した後、紙をふやかすのに水をかけますが、このとき高温では染み込んだ水が金属表面で一気に蒸発し、発生した水蒸気の勢いで紙が剥がれてしまいますが、このときトナーも紙に持って行かれてしまうのです。参考記事では加熱時間は5-10分、力を入れて押すとか書かれていますが、こんなに時間はかかりません。軽く濡らしたタオルを上にあてて中温で1分~2分押し付けます。タオルを剥がすとまだ湿っていますが、すぐに乾きます。これに霧吹きで軽く水をふいてアイロンを直にあて、さらに1分程度押し付けます。終わったら再度霧吹きした後、濡らしたタオルで包んで数分蒸らします。

蒸らしたら乾かないうちに水の入った容器に入れて冷まします。紙は一気に剥がさず、端をしっかりおさえて、中央部から端に向けて指の腹でゆっくり擦りとるように剥がしていきます。剥がすとこんな感じになります。


何度も失敗して短くなってます。



白い紙の繊維が残らないようによく擦って除きます。上の写真ではRや8のところがまだ白くてダメで、このままではちゃんと文字が浮き出ません。腐食させたくない面にはマスキングテープを張り、腐食液に浸けます。下の写真は別の図柄で試した時のものです。


腐食液はamazonで購入出来ました。これは塩化第2鉄の溶液で酸性ですがそれほど危険なものではありません。使用後は中和して廃棄します。


エッチング処理は途中時々振り混ぜながら室温で1時間半行いました。処理後水洗するとこんな感じになります。


真鍮の棒のカットにはルーターが役立ちます。エッチングは切ってからでも出来ますし、切らずに腐食させたいところのみを腐食液に漬けても良いです。

裏面に6mmの穴を開け、先端を切り落とした40Wの半田ごてに取り付けます。若干ゆるいので、アルミ箔を挟んで抜けないようにしました。



テストで焼いてみた結果です。


エッチングが浅いので文字の周囲が焼けてしまいました。これでは満足出来ないので、ルーターで文字の周囲を削ります。エッチングのラインがあるので割と簡単に削れます。

焼けてる部分を中心にルーターで削り再度焼印。

今度は下が焼けてしまいました。もう少し微修正が必要で、下の部分の小さな文字の間をルーターで削りました。完成した焼印はこんな感じ。


これで焼いてみました。



まずまずの出来で満足です。これで作ったジョイントキャップホルダーです。


どうでしょうか?無地よりかっこいい気がします。

ではではまた。


8ポイントの文字も読むことが出来ました。周りも焼けなくなって満足です。ヌメ革以外でも大丈夫で当初目的は達成。"t"がとっても残念です。8ポイントの文字も読むことが出来ました。周りも焼けなくなって満足です。ヌメ革以外でも大丈夫で当初目的は達成。"t"がとっても残念です。