通勤用にバイクが必要になった。

 

『通勤用だし、何でもいいや』

 

本来ならば125ccが保険の面で考えてもお得だ。

 

そう思っていたけど、何故だか250ccで探していた。

 

『車検なく高速を走れるのは使い勝手も良い』

 

本当は高速なんて乗る予定もないのに・・・

 

そう思っていた。

 

 

 

 

 

中古でバイクを探してみても、カッコいいバイクは高い。

 

半ば諦めモードだった頃、かっこいいとは思わない・・・

 

けど許容範囲な、お手頃価格で君を見付けた。

 

 

 

 

 

早速、お店に向い対面した。

 

傷だらけだ・・・フロントフェンダー、シェラウド、マフラー

 

その他もろもろ、そのお蔭で? お手頃価格なんだと思う。

 

許容範囲内で買えるのは、こいつしかないと思い

 

君と契約することにした。

 

 

 

 

 

やはり好みのバイクではないこともあって残念感が増していった・・・。

 

雨の日も通勤で使っている訳だが、汚れても一切お構いなし。

 

洗車する気が全く起きない・・・・。

 

『どうでもいい・・・。』

 

そんな中、一か月以上に及ぶ、出張の話があった。

 

現地では足がないと身動き取れそうになかったので、

 

バイクで行くことにした。

 

出張先での休みの日はやることがない・・・。

 

せっかくだし、バイクに乗って観光でも行くか・・・。

 

宿泊しているとこを起点に色々と巡り、

 

『バイクで来てよかった。。。』

 

 

 

 

 

出張も終わり、汚れたバイクを見て念入りに洗車した。

 

くすんでしまって、輝きは取り戻せない。

 

それでもオイル交換、チェーン清掃するだけでも

 

喜んでくれている様な気がした。

 

それから一緒に過ごす時間が増えていった。

 

 

 

 

 

時には立ちごけしそうになり、慌てよろめいたり、

 

時には気持ちの良い季節を感じ、草木の匂いを堪能したり、

 

時には荒っぽくアクセルをひねり自己陶酔したり。

 

次の休みは何処に行こうかなぁ。。。

 

 

 

 

 

気付けは製造から10年をゆうに超え、

 

足腰が痛んできていた。気付いてはいたが

 

オーバーホールもせず、騙し騙し乗っていた。

 

さすがに限界を感じてきてたので、覚悟を決めて

 

オーバーホールして一新させよう。

 

ついでにカスタムもして、イケメンに変貌させて・・・

 

計画だけは進んでいった・・・。

 

 

 

 

 

が、結果は無情にも買い替えに・・・。

 

所詮は機械、新しいものが一番。

 

だいたい買い替えだって君のせいだ。

 

今は仕事の都合上、車での通勤を余儀なくされ、

 

完全な趣味でバイクに乗っているに過ぎない。

 

そんなものに大金を使って買い替える。

 

私はそんなにお金持ちではないぞ・・・。

 

本当はもう、バイクに乗る必要なんてないんだ。

 

それなのに・・・・・・・・。

 

君に乗らなければ、こんなことにならなかった。

 

こんなに楽しい思いをしないで済んだんだ。

 

 

 

 

 

最近の君からメッセージのようものを感じる。

 

私に感謝しているような・・・気のせいか・・・。

 

何故そう思うんだろ・・・。

 

そう決めてから、コーナーで転びそうになった時、

 

転ばないように助けてくれたり、未だに元気よく

 

廻ってくれるエンジン、すごく君を身近に感じる・・・。

 

 

 

 

 

初めの頃、適当に扱ってゴメン・・・。

 

中途半端なメンテしか出来なくてゴメン・・・。

 

事故も起こさず、今まで走ってこれたのは

 

紛れもなく君の性能に助けられていたからだ。

 

『ありがとう。。。』