タイトル:フルメタル・パニック 戦うボーイ・ミーツ・ガール
著者:賀東招二
発行:ファンタジア文庫
発行日:1998年9月25日
あらすじ
都立陣代高校に通う千鳥かなめは、普通の高校生。
だが、彼女の平和な学校生活は1人の転校生によって破られる!
外国暮らしが長かったせいなのか、転校生・相良宗介は、何かと言えば銃を発砲、問題解決と言っては校内爆破と軍事オタク丸出しの大ボケ野郎。
かなめは彼女に付きまとう宗介をストーカーと断定!?
しかし、修学旅行の飛行機が何者かにハイジャックされたとき、宗介の真の姿が!
彼こそ世界最強の武装集団≪ミスリル≫のエリート兵士・相良軍曹。
世界すら左右する秘密を持つかなめを、密かに護衛するため派遣されて来たエージェントだったのだ!
圧倒的スケールで描かれるSFアクションの金字塔ここに見参!
お待たせしました!
近代のSFアクション小説代表!
SFライトノベルといえば『フルメタル・パニック』!!
そう言っても過言ではないほどの人気を博した金字塔的作品です。
『フルメタ』の愛称で親しまれ、アニメ化をはじめ、漫画・ゲームもあり、
今尚熱狂的なファンを抱えております!
いやぁ~懐かしいな!!
富士見ファンタジア文庫ばかりを読み漁っていたあの時代!
リアルタイムで追いかけていた懐かしの作品です。
フルメタルパニック作品の素敵なところはですね!
長編と短編で同時間軸・同世界・同登場人物であるにも関わらず、
パラレルワールドか!?と思うほどギャップのある異なる展開を見せるところでしょうか!
この記事で紹介している本編(長編)は、
軍事的内容の部分もあり人が死に、世界の謎に迫るシリアス展開。
対して短編のほうは、常識はずれな行動をするボケ担当の宗介と、そににツッコミをいれていくかなめとのドタバタ学園コメディ。
同じ作品なのに全く別のテイストで、2度美味しい!
短編のほうは『ふもっふ』の名でアニメ化されており、
聞いたことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(本編よりふもっふの方が人気高かったイメージ)
ちなみに、アニメ化された『甘城ブリリアントパーク』の作者様と同じ方ですね。
人気作をいくつも出せる人はすごい。
フルメタが帰ってくる! シリーズ開幕25周年を迎える「フルメタル・パニック!」の新刊が刊行決定。クライマックスから約20年後を描く (4gamer.net)
↑
びっくりした。
丁度この記事が出る数日前に読みなおしたばかりだったから。
折角の機会なので、まだ読んでないよ!フルメタ知らないよ!って人は是非本作を手に取ってみてくださいね!
とりあえず本編1巻の雰囲気は以下で確認できます。
(133) 「フルメタル・パニック!」ディレクターズカット版 特報 - YouTube
豪華声優陣です。
P53
恵里の後に続いて入ってきた相良宗介を見て、かなめと恭子はジェスチャーで無言の会話を交わした。
(ほら、あいつ……!)
(さっきの軍事オタクだ……!)
ざわめく生徒たち。それを教諭は静めるべく、
「はい、みんな静かにして!新しいクラスメートを紹介するから!」
出席簿で黒板をたたいて叫んだ。
二年四組の生徒たちは、一応、口をつぐむ。
「じゃ、相良くん。自己紹介して」
「はっ」
宗介は一歩進み出ると、『休め』の姿勢で胸を反らして、
「相良宗介
よく通る声で言った。言った直後、自分のバカさ加減に青くなった。
秘密軍事組織≪ミスリル≫からやって来た相良宗介は、兵士としては一流かもしれないが日本の高校生としては三流以下というか、
全く日本の常識に馴染めずちょいちょいとんでもない行動をしでかす。
極秘の護衛だというのに自分で軍曹だと名乗ってしまったりね。
学生としての宗介は年相応の青年である。
しかし、≪ミスリル≫が危惧していた通り、
普通の高校生と思われた千鳥かなめに隠された秘密を知った敵対組織が、
かなめごと数百人を乗せた飛行機をハイジャックした時、
宗介はその真価を遺憾なく発揮する。
「マスコミに送る映像を撮るから」と連れ去られたかなめを追って、
宗介は少ない武器を駆使し、ひとり救出へと向かった。
P269
「なんでなのか教えてあげる。
あんたはね、『自分はいつ死んでもかまわない』だとか、そーいうナメたこと考えてるからよ。
(省略)
だれかのために犠牲になるのは立派だけどね、それは、自分自身を大切にしてる人がそうするから立派なの。
あんたのはただの『自暴自棄』っていうのよ。(省略)」
通信機器を失い、予想以上の敵戦力に圧倒され、
とにかくかなめ一人だけでも生かそうと必死になる宗介に対し、かなめは激怒した。
P271
「あたしは絶対あきらめないわ」
彼女は自分の胸に手をあてた。
「みんなで助かる方法がないなんて、絶対に認めない。
なんとかするの。
あなたもクルツくんも見捨てずに、ここを抜け出して、キョーコやみんなが待ってる所に帰る。
そうして、これからもずっと生きるの。
くぅ~~~!!カッコイイ!!!
90年代から20年初頭のライトノベルのヒロインって、
めちゃくちゃタフで勝ち気ですっごくカッコイイ!!
この時代(広く平成初期)って、バブル崩壊から景気が悪くなっていたけれど、
それでもみんな前向いて頑張っていこうって感じの気持ちがいろんな作品に出ていて、元気出る。
回顧主義でもないし今の作品に文句を言うわけでもないけれど、
異世界転生とか、「一旦この現実の日本を諦めて、ひとり別世界で頑張ろう」ってなっているように感じられて、何というか、良くも悪くも個人主義の時代だなぁ、とね。感じたり。
やっぱり作品に時代背景は出ちゃうよね~。
まぁ、個人的には
衰退の原因を政府に言うのはちょっと違うかなとは思ってる。
だってその代表を選んだのは有権者である私たちなのだし、
責任の一端はひとりひとりにあるはずでしょ?
文句言うだけじゃなくて、できることをコツコツやって、
次世代の負担を減らしてやるしかない。
頑張って行こうな。
それにしても続編楽しみだなぁ~~!!
ドラゴンマガジンが隔月発行になってしまったから、文庫になるのは一年後かな?
わくわくが止まらないぜ!!
既に刊行してある書籍とアニメと、別作者様が描かれるアナザーストーリーと、
関連作品を追う時間はたっぷりあるので、是非皆さんも見てみてくださいね!!
あと、記載は出来なかったけれど、
本作のバトルシーンは滅茶苦茶熱い!!
ここも必見です!!
TOP画は以下からお借りしました!
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ロボットものって、ロボットと操縦者が一致しなくなっちゃうからあんまり見てないな…
(エヴァンゲリオンやマクロスの有名作品ですらちゃんと見たことない)
本書を気に入った方には以下もおすすめ!
とりあえずさっきもリンク貼ったけれど、シリーズ短編集のこちら
カッコイイヒロインとバトルアクション(魔法)の作品
【44】スレイヤーズ!(神坂一) | 秋風の読書ブログ (ameblo.jp)
バトルシーンが逸材なファンタジー作品
【60】薔薇のマリアⅠ.夢追い女王は永遠に眠れ(十文字青) | 秋風の読書ブログ (ameblo.jp)
日常・学園ものが好きな方には王道のこちら
【121】涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流) | 秋風の読書ブログ (ameblo.jp)
他にもおすすめの本があればコメントで教えてくださいね!
では素敵な読書ライフを!