タイトル:わたしの美しい庭

著者:凪良ゆう

発行:ポプラ文庫

発行日:2021年12月5日

 

 

 

 

 

 

 

 

完全にジャケ買い・・・(笑)

電子書籍では味わえないからね!!

紙媒体の強みですわ。


ハードカバーからキラキラしてて、ずっとお迎えしたかった。
待望の文庫本化!!おめでとうございます!

 

 

 

絶賛上映中の映画、流浪の月の同著者。

流浪の月がハード過ぎたので、一瞬だけ本作を手に取るの悩んだ。コンマ1秒くらい。

でも結局購入。表紙の力は絶大だ。

 

結論から言えば、今回は重い話ではない!!(もちろん人による)

ただ、流浪の月同様、社会問題というか、ちょっと複雑な題材を扱ってはいる。

けれど、それはずっと身近なもの。

 

 

 

あらすじ 

小学生の百音と統理はふたり暮らし。

朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。

百音と統理は血がつながっておらず、

その生活を"変わっている"という人もいるけれど、

日々楽しく過ごしている。

三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、

断ち物の神さまが祀られている。

悪癖、気鬱となる悪いご縁を断ち切ってくれるといい、

"いろんなもの"が心に絡んでしまった人がやってくるが―――

 

 

※以下、ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

P65

孤独死なんて言葉を考えた人は、重い罪に問われるべきである。

誰かと一緒に生きていくのはもちろん素敵だけれど、だからといって、人生の選択は、もっと明るく自由なものであってほしい。

 

今の日本の結婚感って、なんかとても違和感がある。

完全に恋愛至上主義みたいなさ。結婚=愛、みたいなさ。

恋愛と結婚はまた別でしょう。

第二次世界大戦以前の日本では恋愛結婚なんてほとんどなかったと思う。

女性の結婚は就職と同義だった。

私の結婚の認識はずっと『就職』。

共働きしないと生活がなりたたない家庭が多くなってきた今、

自立して稼ぎのある女性からしたら『仕事』が増えるだけの結婚なんて、そりゃしなくなるわ。

少子化に歯止めなんてかからないわ。

―――そうか、むしろ結婚する理由が今の時代、『恋愛』しかないのか・・・

 

 

 

 

P137

「理解できないならできないでしかたない。

だったら黙って通りすぎればいいんだ。

なのにわざわざ声かけて、言い訳して、路有に許されることで自分たちが安心したいんだろう。

けど良心の呵責はおまえらの荷物だよ。

人を傷つけるなら、それくらいは自分で持て」

 

理解できないなら、もう仕方ない。

理解し合うのが無理な人間はどこにでもいる。

でも、黙って通り過ぎるのだって、かなり勇気がいるだろう。

未知のものには恐怖が付き纏う。

排除しようという動きはもう本能のものだよな・・・

 

もちろん差別も偏見も、排除しようっていう動きも良くないことだけど、

『理解できない人』の気持ちを、こっちだって汲み取ってあげなければならない。

 

多様性が叫ばれる昨今だけれど―――

なんていうか、『女性専用車両』の導入みたいに

トンチンカンな事にならなければいいなと思う。

痴漢を撲滅すればいいのに、なんで女性が追いやられるのか。

男女平等を謳うなら、男性専用車両だって作るべきだし。

・・・でもそんなの非効率でしょ。もっと合理的に行こうよ。

臭いものに蓋をする。

一時的な対処療法。

そんな風にならないことを祈る。

 

『痴漢は犯罪です』『万引きは犯罪です』のあのポスター。

犯罪だって知らずにやっている人なんていないと思う。

必要なのは、たぶん医者だよ。

医者の番号ポスターに記載してあげて。

 

 

 

 

 

P201

早朝出勤、深夜までの残業、休日出勤から解放されて、身体はずいぶんと楽になった。

なのに楽な毎日を積み重ねるほど、罪悪感と焦燥感がふくらんでいく。

 

鬱病のときって、なんだかわからない不安感と罪悪感と焦りで、

本当になかなか良くならないよな・・・

しかも完治しないからね。良くなるだけで、割れたコップは割れたまま。

接着剤で体裁を保っているようなもので、水はちょっとずつ漏れるし、

乱暴に扱えばまた割れる。

 

 

梅雨に入って天気も不安定なので、メンタルにはとにかく気を付けて・・・

何もかもが面倒だと感じたら、危ないサインなので、

食欲なくてもちゃんと食べて、眠くなくてもちゃんと寝て。

感覚鈍くなっているから自分の感覚じゃなくて数字で管理して。

 

 

 

TOP画は以下からお借りしました!!

紫陽花の手花水 - No: 23989777|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (photo-ac.com)

 

なんとなく、この本のイメージは紫陽花だった。

紫陽花の手水舎素敵だわ。

 

ところで。

どうやら本のカバーデザイン、冬バージョンもあるらしいよ?

気になるねぇ~