タイトル:英雄の書

著者:黒川伊保子

発行:ポプラ社

発行日:2015年9月1日

 

 

 

 

脳は失敗しなければ成功できない。

脳は、孤高でなければ特別になれない。

あなたのものがたりをドラマティックに盛り上げてくれるイベントを、「失敗」と呼んで怖れたり、いちいち傷ついていたら、何も始まらない。

 

さあ、人生を始めよう。

あなた自身が、ヒーローになって。

・・・狼の口の中へ。

 

 

 

本の帯や、本書の書き出し、シックな表紙に惹かれて購入。

・・・でも、最後まで読み切れなかった。

途中でうんざりしてしまった。

今回は、本当に著者との相性が合わなかった・・・

感想が辛口です。閲覧注意。

(見返したけど、本当に今回は辛辣・・・)

 

 

 

 

私が苦手とするものに、

①科学的根拠があるというわりに、参考文献の書き出しがない

②著者の意見の押し付けがある

③逆に著者の意見が読み取れない

があり、本書は①と②に該当する。

 

 

脳科学的に、といった文言が多用されるが、その根拠たる参考文献の紹介がない。

まぁ、それは著者だけでなく、出版側の意図もあるだろうから多少許容できるが・・・

 

一番引っかかって、読み切ることすら断念してしまったのは、②に耐えられなかったからである。

 

 

 

本書書き出しは読者のことを「あなた」と個人を尊重する語り口であったのに、本文にはいると読者を「きみ」呼ばわり。

また、母親目線で息子との会話を綴ったエピソード(P48)や、どこで目に付いたか忘れたが、著者自身の母親との関係など、文から滲み出る

『私、苦労してきました!だからきみ達が苦労しないよう、失敗のないような生き方のコツを教えるね!!』

みたいな感じが本当にダメだった。

 

 

 

そもそも、本書の書き出しであれ、帯であれ、主題は『失敗を恐れるな』といったところにあったはずなのに、本書の内容はまるで真逆だ。

 

 

「~しなさいね」とか「もったいないでしょ?」「そんな人生、辛くない?」といった、

距離感無視の意見の押し付けや、思考誘導のような洗脳の手法。

 

P50「いい?よーく、覚えておいて」や、P89の「もう一つ、ヒントをあげよう」といった上から目線。多用される「つまりね、」の書き出し。

 

P35「お顔に書いてあるもん」は、本当にひどい・・・

 

あとは時々出てくる"(笑)"みたいに文末で使う"(微笑)"という表記にも、違和感というか、もはや嫌悪感を抱いた。

 

私の性格や受け取り方に問題があるにしても、

「読者を馬鹿にしてんのか?」と取られても仕方のない言いぐさに、読むのが苦痛になった。

真っ当なことを述べていても、これでは頭に入ってこない。

 

 

 

いやぁ・・・

今回は本当にひどく辛口な感想文になってしまった。

この著者は他にもいくつか本を出しているので、好きな人は好きなんだろうと思う。

単に私とは合わないだけで。

自己啓発本は、当たり外れが大きくて、感想文が絶賛か辛辣かのどちらかに偏るな・・・

 

 

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全人類と意見が合うわけないしね。たまにはこういうこともある。