タイトル:ロミオとジューリエット
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:平井正穂
発行:岩波文庫
発行日:1988年2月16日
1595年頃にシェイクスピアより発表された悲劇、『ロミオとジュリエット』。
岩波文庫から出版されたタイトルは『ロミオとジューリエット』ではあるが、
世間的知名度に合わせ、以下『ロミオとジュリエット』と作品名を統一して紹介する。
P72
「おお、ロミオ、ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?」
初めて読んだ、シェイクスピア作品。
シェイクスピアといえば『ロミオとジュリエット』、というくらい有名な代表作だと思っていたが、
どうやら世間では、シェイクスピアの代表作としての知名度は『ハムレット』や『オセロ』のほうが高そうだ。
最初は、普段読む小説とは違う『台本』形式に戸惑っていたが、
読み進めていくと、本当に劇を見ているかのような錯覚がした。
あらすじを知らぬ人のためにざっくり説明すると、本作品は、
『モンタギュー』家のロミオと、『キャピュレット』家のジュリエットの恋の物語。
悲しいことに、両家は憎しみ合うほど仲が悪く、ロミオとジュリエットは周りに隠した、禁断の恋の関係となってしまう。
それにしても・・・
なんという悲劇。
そしてなんと突っ込みどころの多い作品か・・・!!
まず、ロミオの登場シーン。
この時点では、ロミオはロザラインという女性に恋している。
それはそれは、夜も眠れぬような、周囲が心配するほどの『恋煩い』であったが・・・
なんと、訪れた仮面舞踏会でジュリエットに一目ぼれして、あっさり心変わりしてしまう。
そして翌日の午後には二人で内密に結婚式を挙げる展開の早さ。(約2時間の舞台だから仕方ないけど)
加えて、ロミオは結婚式から1時間後に、妻となったジュリエットの従兄、ティバルトを、
友の仇として殺し、街から追放になってしまう。
ロミオが追放されたその翌朝、ジュリエットの元に父親から結婚の命令が下される。
3日後の木曜日に、パリス伯爵と結婚するように、と。
当然、前日にロミオと式を挙げ、永遠の愛を誓ったジュリエットには受け入れられるはずもなく―――
ジュリエットは、神父ロレンスの助けを得て、まるで死んだように見える薬を服用し、パリス伯爵との結婚を回避する。
そして仮死状態となったジュリエットは、墓の中でロミオの救出を待つが・・・
ここからが真の悲劇。
ロミオにこの作戦を知らせる手紙は届かず、代わりに『ジュリエットが死んだ』とだけ伝わってしまい―――
ロミオは仮死状態のジュリエットの横で服毒自殺。
仮死状態から目覚めたジュリエットはそのまま後追い自殺。
2人の恋の事情を知り、その結果として互いの子供を亡くした両家は、
ロミオとジュリエット2人の像を作り、仲直りしましたとさ。
めでたしめでたし・・・(悲劇)
驚くなかれ、
ロミオとジュリエットが出会ってから、たったの7日間の出来事だ。
(日曜に舞踏会、月曜に結婚と追放、土曜の朝に二人とも死亡)
もっと長い時間をかけて育んだ恋の果ての話だと思っていたから・・・
素直な感想、
知り合って1週間の相手に、よく命を捧げられましたね!!!
って感じでした。
恋ってそんなに人間を狂わせるものなの・・・?
私自身、恋したことがないのでその感覚がわからないけど・・・
私には一生わからない感覚なだけに、そこまで相手を愛した彼らが、少しだけ羨ましい。
P73
「(省略)みんなが薔薇と呼んでいるあの花も、ほかの名で呼ばれてもその甘い薫りには変わりはないはず。
同じようにロミオも、ロミオと呼ばれなくとも、あのなつかしいお人柄に変わりはなかろう、(省略)」
P77
「おお、ジューリエット、この庭の
「いいえ、それはいけません、空の旅路をめぐりつつ、月毎に姿を変えるあの月に、あの浮気な月にかけて誓ってはなりません、
あなたの愛が月のように変わりやすくなるのはいやでございますもの」
詩的で美しい、読者まで赤面してしまいそうな恋の語らいや、
日本語訳では表しきれない、韻を踏んだ掛け合い。
いつか原文でこの悲劇をもう一度楽しんでみたい。
ロミオとジュリエットの舞台、イタリア ヴェローナの美しい夜景は下記からお借りしました!
ロミオとジュリエットの街 イタリア・ベローナの夜景 - No: 3460141|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (photo-ac.com)