映画好きによる、小さなしくじり | とときちの詰め合わせ

映画好きによる、小さなしくじり

私は、わりとよく映画を見にいきます。
ほとんど洋画ばかりですが

いつも、どこかに映画を観られる時間が転がってないか考えています。
会社にいても「今日残業がなければ、あの時間のあの映画を観に行かれるなぁ」とか「お、今日はレディースデイだ」とか、映画を観られるタイミングがないか気にしています。

ホラー映画と、残虐なシーンが多い映画はどうしてもダメなのですが、

基本的にどんなジャンルでも内容が良さそうな映画は気になります。
なので、恋愛映画、SF映画、コメディ映画、アクション映画、などの他に、社会派映画なども好んで観ます。

そんな「映画好き」の私が、映画好きだけにしくじってしまったことがあります。
今でも、ときどき思い出すそのことをお話ししましょう。

 

8年ほど前のことです。
職場の仲良し5人で休みの日を合わせて和食バイキングのランチに行くことになりました。
その5人の中で、午前中も空いてるメンバーが私を含めた3人いて。

誰かが「じゃあ、3人で食事の前に、なにか映画を観ない?」と言い出しました。

そこで、映画好きの私がまかされて選んだのが公開中のこの映画。


映画 『グラン・トリノ』(2009年日本公開)

 

グラントリノ
クリント・イーストウッドが主演・監督・プロデューサーを務めた、社会派ドラマです。

公開されてから世間の評判も良かったし、アカデミー賞にノミネートされそうな気配もあったので「悪くはないだろう」というどころか、私自身はかなり期待していました。

実際、この映画を観終わったとき、私は「なかなか良かった」と、満足していました。

と・こ・ろ・が…

映画を観終わった他の二人はどんよりしていました。
表情が暗いんです。

この映画『グラン・トリノ』が社会派ドラマで、内容が深刻なこともありますが、中でも、ストーリーの中に「若い女の子がひどい暴力にあう」という設定があり(映画中にそのシーン自体はない)、それが「年頃の娘を持つ母親」である二人には、心情的にこたえたようなのです。

「うちの娘があんな目にあったらと思うと…」と二人は口を揃えて眉をひそめています。
もう、映画全体の印象が、すべてこの気分で上書きされている…

おぉ、なんということ…
楽しいランチ前にこの空気…


とにかく、この日、この映画を選んだのは私の失敗でした。
「良い映画」を選べばよい、というわけではないのですね。

楽しい映画にすれば良かった

そんなの当たり前じゃないか、と言われそうですが、

私の人間としての足りなさが、この小さなしくじりにつながったのです。
私は「映画好きでどんなジャンルでも観る」人だけれど、誰もがそうではないと理解してませんでした。

たしかに、彼女たちが普段観ている映画を思い返すと、「ハッピー・フライト」タイプのコメディ映画や、「アルマゲドン」みたいなわかりやすく豪快な感動ものが多かったのです。

「楽しく笑える」「すっきり豪快」「恋愛もので涙」……

食事前には、そういう映画にしとけよ、
to 私


と、学んだ一件でした



ともあれ、もともと底抜けに明るい二人のこと。
ランチのお店に着くころには、そんな映画のこともすっかり忘れて大笑いしながら楽しくおしゃべりしてました。
他の二人とも合流して「和食バイキング」はみんなで美味しく頂けたので、私もホッとしたのでした


 


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