肉妄想 「危ないマグナム達」 | すねーくおるふぇのくの あくまでおっさんの独り言

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80年代をこよなく愛するオッサンの独り言。新しい話題にはついていけません。

 

 

 

続きです。

 

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ヒュ~~~~(乾いた風の音)

 

 

アシュラ「ちっ!砂ぼこりが目に!なんてとこだ!」

 

アシュラマンは謎の超人と壮絶な戦いを経て、

ようやく地球に戻ってきてすぐにアメリカのテキサス州に来ていた。

体を休める事もなく。

 

アシュラ「多分この辺りの牧場にいるはずだが、広すぎてさっぱり分からねぇ」

 

アシュラマンはだだっ広い荒野を独り歩いていた。

 

!!

 

そこへ一人の人物が馬に乗って現れた。

 

「あ、あなたはもしやアシュラマン?」

アシュラ「フ、こんな田舎でもオレを知ってる奴がいるなんてな。」

「こんな所にいるということは私の主に会いに来たとしか思えませんが。申し遅れました。私はあの方の弟子の『カウボーイマン』と申します。」

アシュラ「話が早い。奴の所へ案内しろ。」

カウボーイ「お言葉ですが、主は今体調を崩されておりお会いする事は…」

アシュラ「貴様!俺のこの体を見てそんな理由が通用するとでも思っていやがるのか!」

 

アシュラマンは昨夜激闘を終えて帰ってきたばかりで、

当然体中は傷だらけで、歩くのもやっとという状態であった。

それでもすぐにこの地へ赴きたいとやって来たのである。

 

カウボーイ「わ、分かりました。ご案内致します。」

 

こうしてカウボーイマンに導かれ、アシュラマンは広い牧場の一角に建てられた建物に辿り着いた。

 

アシュラ「奴はどこにいる?ここに連れてこい。」

カウボーイ「昨夜は非常に危険な状態でしたので来れるかどうか分かりませんが、 少しお待ち下さい。」

 

 

 

待つこと30分ほどだろうか。

彼がやって来た。

左脚を引き摺りながら。

 

 

 

アシュラ「久しぶりだな。テリーマン!」

 

テリー「………」

 

アシュラ「オレ達が修行を積んでいる間、例の肉妄想興行とやらは目まぐるしい展開をしていたようだな。聞いたか?」

テリー「………」

アシュラ「ふん。まあいい。」

 

 

 
 
アシュラ「シングルは相変わらずウォーズマンが防衛を続けてるらしいな。しかしタッグはやっぱりオリエンタルマジックズが復活→戴冠して防衛を続けてるそうじゃないか。」
 
肉妄想興行の第二弾以降、シングル戦線ではウォーズマンがマンモスマン、ブロッケンJr.、ロビンマスクを下し、更にはキン肉マンとは引き分けに持ち込む大健闘で、そしてバッファローマンにも勝ち長期政権を築いていた。
 
一方タッグ戦線は、プラネットマン&ブラックホールの「デビル・ユニバース」を挑戦者決定戦で下したバッファローマン&スプリングマンの「ディアボロス」がネプチューンマン&ジェロニモの「ワイルド・サイズ」を下し初戴冠。
しかし初防衛戦でラーメンマン&ザ・ニンジャの「オリエンタルマジックズ」に王座を明け渡すと、
ザ・ホークマン&ペンタゴンの「ビッグ・ウィングス」、マリポーサ&スカイマンの「スカイ・アドベンチャーズ」、キン肉マン&ウルフマンの「TOKIOブラザーズ」、二冠を狙ったウォーズマンとブロッケンJr.の「イノベーティブ・ニューリーダーズ」を破り防衛を続けているのだった。
 
 
暫くテリーマンの目を見つめたのち、アシュラマンはゆっくりと口を開いた。
 
アシュラ「今オレ達の力は恐らく頂点に辿り着くとこまで来てるはずだ。どうだ、オレとタッグを再結成し頂点を目指さないか。」
 
テリー「オレ『達』の意味が分からないな。何より悪魔のお前とは再びタッグを組むことはない。」
アシュラ「カーカカカ。そうくると思ってたぜ!昨夜の相手が誰だったか、そんな事はどうでもいい。とにかく貴様は、オレが戦ってきた中で最もガッツに溢れる強敵だって認めてるって事さ。」
テリー「それがどうした。私はキン肉マンとのザ・マシンガンズ。いや、マッスルブラザーズとして、お前とサンシャインの「はぐれ悪魔超人コンビ」から勝利しているし、シングルでも負けてはいない。明らかに格下のお前にその様な事を言われる筋合いは無い。」
アシュラ「言ってくれるぜ…。しかし、オレは悟った。貴様との、いや、テリーマン、あんたとのコンビなら超人界の頂点に立てるってそう感じてるんだ。」
テリー「頂点に立って、その上でどうす」
テリーマンの返答を遮る様にアシュラマンが迫る。
アシュラ「お前!キン肉マンに勝ちたい!超人オリンピックで優勝したい!超人界の頂点に立ちたい!って野心はどこに置いてきちまったんだよ!!」
テリー「!……」
アシュラ「こんな田舎でカウボーイやるのが超人としてのお前の終着点なのかよ!」
 
 
暫くの沈黙ののちアシュラマンが再び口を開いた。
アシュラ「オレはただ、かつての様なギリギリとした緊張感の中に身を置きたい。それだけだ。盟友のサンシャインもいなくなった今、そして同じ悪魔六騎士のニンジャがラーメンマンなんかと共闘している今、オレと同じ方向を向いて戦えるパートナーは、そう、テリーマン、あんたしかいないって、そう、思えたんだ。」
 
テリー「アシュラマン、お前が昨夜誰とどんな戦いをしたのかは分からない。そして、そんな事は私には何の関係も無い事。」
 
アシュラ「…くっ」
 
 
テリー「でも、そう、そうだな、私だってまだ超人格闘技のど真ん中で、メインストリームで、戦ってみたい思いはある。」
テリー「いや、今お前の言葉で思い出したと言った方がいいかもしれない。」
 
テリーがそう言うと、ようやく表情に笑みが表れた。
 
 
アシュラ「嬉しいぜ。あんたとは戦っても組んでも無限のイメージが湧き出てくる。間違いなく最強の超人タッグチームの誕生となるぜ!」
テリー「まだ承諾したわけじゃないぜ。」
アシュラ「その顔でよく言うぜ。ここに『デンジャラスマグナムズ』結成だな!」
テリー「『デンジャラスマグナムズ』?」
アシュラ「マシンガンなんてセコい武器は持たねーぜ。マグナムだよ。デンジャラスな、な。」
テリー「なるほど、気に入った!しかし、私もお前もまずは体を休めた方が良さそうだ。」
アシュラ「確かにな。悪いがしばらくいさせてもらうぜ。」
テリー「部屋代と食事代は請求させてもらうぜ。」
アシュラ「ふん笑」
 
 
ここに『デンジャラズマグナムズ』が結成された。
超人界タッグ戦線に大きな台風の目が産まれた瞬間である。
 
 

 

つづく