足部だけを見ても限界がある

 

現場で「足のアライメントを整えたい」というニーズは非常に多いものです。


偏平足や外反母趾、回内足など、見た目や機能の歪みを足部レベルで説明し、足裏のトレーニングやインソールで対応する──こうしたアプローチは世の中に溢れています。

 

しかし本当にそれだけで改善が可能でしょうか?


もし脛骨の形状そのものに“内湾”という構造的な要因が存在していたら、足部だけに注目しても代償運動を見抜くことはできません。

 

 

「代償の連鎖」を理解する

 

脛骨の内湾とは、下腿骨が内側にカーブする特徴を指します。

 

  
この形状を無視して足部だけを評価すると、何が起きるか。

  • 脛骨が内湾しているために、足部は常に回内方向の代償を強いられる

  • 足部のアライメント不良と誤認し、矯正インソールや運動処方を行っても改善しない

  • その結果、足関節・膝関節・股関節に負担が拡大する

  

つまり「足部の歪み」と見える現象が、実際には脛骨形状に由来する代償だった、ということが少なくありません。

 

クライアントの訴えが「足の問題」に見えても、その根本が「脛骨の内湾」にある場合、アプローチを誤れば改善どころか負担を増長してしまうのです。

 

また脛骨内湾が〇度以上ある場合は足部回内では代償し切れない、と足の神様と言われた「入谷誠先生」が訳した専門書「フットファンクション」に記載があります。

 

 

 

 

 

 

つまり、簡単に言うと脛骨内湾が酷い場合には運動療法では立位での足部アライメント改善はほとんど不可能だと言いう事です。

 

それを知らないなら、もしかすると改善不可能な回内足のクライアントに「足の内在筋を鍛えると回内が改善しますよ」とエクササイズを強制してしまう可能性があると言う事です…

 

それって恐ろしい事だと思いませんか?私は恐ろしいです。

 

 

評価ができる者だけが“正しい介入”にたどり着ける

 

冷静に考えてみてください。

  • 骨格的に足部が回内に見える人に、「もっと外側で立ちなさい」と指導したら?

  • 脛骨の形状が原因のO脚に、膝だけを内側へ寄せるトレーニングを課したら?

これらはすべて「代償を代償で上塗りする」行為に過ぎません。
理論的に見ても改善は不可能です。むしろリスクを高めるだけです。

 

だからこそ、脛骨の内湾を評価できることは必須条件です。
その上で初めて、足部のアライメントに対して有効かつ安全なアプローチが選択できるのです。

 

 

8月31日の勉強会で得られること

 

今回の勉強会では、脛骨内湾を含む「下肢アライメント評価」を実技中心で学んでいただきます。

  • 脛骨内湾を評価する徒手検査法

  • 足部に現れる代償運動の見極め方

  • 股関節・膝関節との連鎖を理解する方法

  • 改善プロトコルを誤らないための判断基準

文献で理論を学ぶことはできます。
しかし「実際の人の骨格に触れ、代償を観察し、形状を推測する」経験は、独学では不可能です。

この勉強会は、知識を「現場で使える技術」に変える絶好の機会になります。

 

  

 

 

最後に

 

もしあなたが、足部のアライメント指導で確実な成果を出したいなら──
脛骨内湾の評価なしにそれは達成できません。

 

根拠のない「見た目の歪み」に振り回されるのか、
それとも構造を見抜き、最適な介入でクライアントを救えるのか。

その分岐点となるのが、この評価法です。

 

8月31日の勉強会で、その技術を手に入れてください。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 

👉 詳細・お申込みはこちら

 

 

 

 

 

  ■ 大腿骨体と頚部の形状を徒手検査法で推測する意義

 

近年、股関節の前捻角を徒手的に検査し、その結果から股関節頚部の形状を推測して、股関節可動域の傾向や適したエクササイズフォームを導き出す指導法が広がってきています。

 

 

 

これは私自身、非常に良い流れだと感じています。実は私は10年以上前から、この重要性を強く意識してきました。

 

『直るO脚、直らないO脚』⇒ https://ameblo.jp/okugawa-seitai/entry-11465988322.html

 

 

 

きっかけは、股関節痛に悩むあるプロゴルファーの施術でした。

彼は整形外科や治療院をいくつも回り、さらにパーソナルトレーニングも様々な指導者から受けましたが、改善は見られなかったのです。

 

 

  ■ 「膝が外に開く」を直そうとして悪化

 

初診の問診で話を伺うと、痛みが出始めた背景が見えてきました。

アマチュアゴルファーへのレッスン中に「膝が外に開く」と指摘され、笑われたことがきっかけで、それを直そうと股を内に閉じる・内に捻じる動作を繰り返し、さらに股関節内旋を広げるストレッチをやり込んでいたそうです。

 

 

 

その結果、股関節の痛みが強まり、やがて腰痛にも発展し、治療院や病院を巡ることになったとのことでした。

 

 

  ■ クレイグテストで「後捻股」と判明

 

私は「股関節前捻角の問題ではないか」と考え、クレイグテストという徒手検査を実施しました。

すると結果は「後捻股」。つまり、そもそも股を内に捻じる動作が骨格的に負担になるタイプだったのです。

 

その場では、専門書の図を用いて「骨格的に内旋方向は無理をすると負担が大きい」ということを説明しました。(もちろん、レントゲンのように確定診断ではない点は伝えています)

施術は、緊張している筋肉の緩和や関節モビライゼーションを全身に行う程度にとどめました。

 

そして1週間後の再来院時──彼は笑顔で「痛みがほとんど消えた」と報告してくれました。

この経験を境に、私は股関節の症状だけでなく、慢性的な腰痛などを持つ方にも股関節前捻角の評価を必ず行うようになったのです。

 

 

  ■ 徒手検査を行う意味

 

「徒手的評価はレントゲンより信頼性が劣るのに、なぜやるのか?」

 

 

こう思う方もいるかもしれません。

 

私もその懸念は理解しています。

 

 

それでも徒手検査を行うのは、現場で大きな意義があるからです。

 

例えばクレイグテストでは、大転子の突出肢位から股関節中間位を推測し、脛骨と床面の角度から前捻角を見極めます。

 

前捻角が大きければ「前捻股」

 

小さければ「後捻股」

 

後捻股では外旋可動域が広く見えます。これは、大腿骨の頚部が通常より内側にねじれていないため、中間位でも見た目上は外旋に見えるからです。逆に、内旋可動域は狭く見えます。

 

 

 

まさに、冒頭のゴルファーと同じ状態です。

 

 

  ■ 無視すれば危険

 

こうした骨格の特徴を無視して内旋運動を強要すると、股関節に大きな負担を与える危険があります。

 

 

クライアントが違和感を伝えてくれれば良いですが、我慢してしまうタイプであれば、指導者が気づかないまま股関節への負担が積み重なっていくかもしれません。

 

 

 

また『運動機能障害症候群のマネジメント』には、こうした形態の違いが筋や筋膜系に過大なストレスをかけ、痛みにつながるケースが具体的に示されています。

 

 

実際、後捻股の女性に内旋を強制した結果、外旋筋群が過伸長され股関節痛になった例が紹介されています。もちろんその逆(前捻股に外旋を強制するケース)も然りです。

 

 

 

さらに、膝・頚部・足部などが股関節の代償として変形や障害を起こすケースもあります。

 

 

 

クラシックバレーダンサーのプリエが取れない原因が「前捻股」だっ事に気付かず、股関節外旋を強要して代償的に「下腿外旋症候群」となってしまったケース。

 

 

後捻股の女性の「とんび座り」による脛骨外旋の悪化など、関連は多岐にわたります。

 

 

 

これらを表面的な症状(下腿外旋症候群、脛骨外捻悪化)だけを見ていては問題解決を遠ざけるアプローチをしてしまう可能性が大きいと思いませんか?

 

 

 

例えば、下腿外旋症候群などは「膝伸展時に下腿を内旋させるエクササイズ処方」という改善プロトコルもありますが…そもそも論で原因が股関節ならどうなるでしょうか?

 

 

 

事前に評価する事はそのようなリスクを軽減させます。

 

 

  ■ 頚体角(外反股・内反股)の重要性

 

これは「股関節前捻角」だけの話ではありません。

股関節頚体角(大腿骨体部と頚部の角度)も重要です。

 

平均は約125度。

 

大きいと「外反股」→外転が得意で、O脚傾向

 

小さいと「内反股」→内転が得意で、X脚傾向

 

こちらも前捻角と同様に、骨格に合わないアプローチは大きなリスクとなります。

また頚体角を推測しておくことで、代償的な変形や障害を予測することにもつながります。

 

 

  ■ 勉強会で学べること

 

文献を調べれば、こうした検査法を学ぶことは可能です。

しかし実際に「人を相手に練習できる機会」は非常に限られています。

 

今回の8月31日の勉強会では──

 

前捻角・頚体角の徒手検査法の実際

 

検査から得られるメリットと、実施しない場合のリスク

 

機能解剖学的な理論背景

 

ペアでの繰り返し練習

 

をじっくり行います。

 

「知ってはいるけど自信を持って実施できない」

そんな状態を、この勉強会で確実に解消していただけると思います。

 

 

  ■ 最後に

 

股関節の形は人それぞれ違います。

だからこそ、その違いを正しく見抜き、最適な指導・施術に活かすことが大切です。

 

 

 

下で紹介する8月31日の勉強会で、その力を身につけてみませんか?

皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

 

8月31日新宿 ”見抜く目”を養う!前捻角・脛骨捻転・足部配列の徹底理解 勉強会

 

 

 

✅ あなたの“見立て”、感覚だけになっていませんか?

股関節や膝、足部のアライメント評価は、現場でよく行われるものの──
その多くが 「なんとなくのクセ」「歪んでいる気がする」 といった曖昧な感覚に頼っていませんか?

本勉強会では、
前捻角や頚体角、脛骨捻転角、足部の関節配列といった
見落とされがちな“ねじれ”や“角度”を明確に評価する技術を、実践的に学びます。

以下のチェック項目がひとつでも当てはまる方は、

ぜひ、今回の勉強会に参加ください!

こんな方におすすめです!

アライメント評価の精度を上げたい中堅柔整師

  1. アライメント評価の精度を上げたい方
  2. トレーニング指導に評価を活かしたい方
  3. 解剖学の知識を現場にどう落とし込むか?迷ってる方
  4. 姿勢や動作を見て、どこからアプローチすれば良いか悩んでいる方

 

具体的内容



1.知識編:見立ての前提となる基礎理解


  • 股関節〜足部の機能解剖(簡単で臨床に活きる要点のみ)

2.実技編:評価技術をロジカルに体得


・立位での下肢アライメントチェック
・股関節前捻角・頚体角の評価
・スクリューホームムーブメントの理解と観察
・脛骨の捻転角・内湾角の確認方法
・距腿関節、距骨下関節、ショパール、リスフラン関節にかけての足部アライメントの見方

👉 評価は「動作につながる視点」で行うため、実践でそのまま使える内容です。

 

勉強会のお申し込みはこちら

勉強会詳細

勉強会名称

“見抜く目”を養う!

前捻角・脛骨捻転・足部配列の徹底理解 勉強会

開催日

2025/8月31日

開始時間

10:00 開始 / 13:00 終了(受付9:45~)

会場住所

東京都新宿区西新宿8-19-1小林ビル612号 おくがわ整体院

アクセス

東京メトロ丸の内線「西新宿」駅から徒歩3分

参加費用

【一般】4,500円 / 【サブスクリプション会員】4,000円

▶︎ トータルコンディショニング研究会のサブスクリプション会員についての詳細・お申込みは
【こちら】👉 https://www.okugawaseitai.com/tc-library-info

定員・締め切り

限定6名(少人数制で実技重視)

締め切り:定員次第、または8月30日(土)21時までお申込み

講師紹介

奥川洋二

トータルコンディショニング研究会代表
日本コアコンディショニング協会 マスタートレーナー
NSCA 公認パーソナルトレーナー
日本関節コンディショニング協会 関節マニュアルアプローチマスタートレーナー

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