皆さんは

「クライアントの正しい身体の使い方と、間違った身体の使い方が頭で考えずに直感的に理解出来ると良いのに…」

と思った事は無いですか?

 

よく有名な施術家やトレーナーは「パっ」とクライアントが入室した姿を見ただけで…または問診の時に座り姿勢を見ただけで

そのクライアントが「出来る動き、出来ない動き」「不具合のあるところ」などが分かると言います。

 

本当なのでしょうか?皆さんはどう思いますか?

 

しかし、そこまで望む望まないは別として…施術家、トレーナーのどちらの先生も

「姿勢評価」「動作分析」はお仕事する上で非常に重要な能力だと思います。

 

《いわゆる天才の持つ直感メカニズムはかなり解明されている》

実は先ほどお話したような「天才」のような直感のメカ二ズムについて、だいぶと科学的に解明されています。

そして、姿勢評価や動作分析を直感的に出来るようになる為には、そのメカニズムを理解する事がとても役に立ちます。

というか、むしろ知らないと大分と遠回りすると思います。

 

私は整体院で過去に数名スタッフを育ててきましたが、そのメカニズムを利用した研修を経たスタッフはみんな直感的な姿勢評価や動作分析が出来るようになりました。

 

一度に全部説明するのはこのメルマガでは困難なのですが、可能な限り今回から数回に分けてそのメカニズムについて少しづつ説明していきたいと思います。

 

きっと皆さまのお仕事現場でも参考になると思いますので、最後までご覧頂けると幸いです。

 

《正常を知らないと異常は分からない》

まず第一回は簡単で分かりやすいお話からしたいと思います。

私は徒手療法の師匠に口ずっぱく言われた言葉があります。

 

それは「正常を知らないと異常は分からない」です。

これを昔は随分と単純に理解していました…

 

どう単純だったのか?

例えば「正常なアライメントを知らないとミスアライメントは分からない」

くらいのレベルの話と思っていました。

 

しかし、私の徒手療法の師匠はそれこそ「ゴッドハンド」と呼ばれていた先生だったので「それだけなのかな?」と思う事もありました。

 

実は数年前に脳科学的なある事実を知る事で、もっと深い意味があるのでは?

と思うようになりました。

 

《直感は定石で無いと働かない》

それは「アルツハイマー型認知症」の研究で有名な脳科学者の池谷裕二先生の著書を読んでいて「直感の正体」について書かれた項の事でした。

 

皆さんは将棋の「感想戦」を知っていますか?

感想戦とは将棋の対局が終了した後に勝者と敗者がお互いに一手目から差し手を振り替えり、互いに「そこは良い狙いでしたね」とか「あれはやられた」とか、戦いを振り返り研究、検討する場と言う事ですが…

今回の話で関係する部分は…棋士たちは何百手ある戦いであっても「一手目から投了まで」間違わずに指すことが当たり前に出来る事なんですね。

 

「流石はプロ棋士!凄い記憶力だな!」って思っちゃいますよね?

しかし、池谷先生によるとあれは単純な記憶力だけじゃない事も最近の研究で分かっているんですね。

 

なんと「歩行」に深く関係する部分を使う特殊な記憶方法になります。

更にはプロ棋士でも「定石」でないと覚えられない事も分かっています。

 

「定石」とは、いわゆる「正常パターン」と言う事です。

時折対局で「奇想天外」な手を打たれると前後の棋譜も飛んでしまい感想戦が出来ないと言います。

 

つまり、プロキ棋士のような感想戦が出来るためには「正常パターン」をたくさん理解している事がまず重要なのです。

 

また、プロ棋士や将棋が上手な人が「詰将棋」など、パッと見ただけで答えが浮かぶ事がありますよね?

あれを見ていると「めちゃくちゃ思考が早いな」と思われますが、あれも意識的な思考は余り使ってない事が分かっています。

そのような無意識的な思考や直観力は同じメカニズムを使います。

 

そのメカニズムは「正常パターン」をたくさん学ぶ事で働くようになってきます。

 

今回のまとめ

・直感は正しいパターンをたくさん学ぶ事で生まれる

 

今回のコラムは以上です!

次回は「正常パターンと何?」という所を説明していきます!