こんにちは

トータルコンディショニング研究会代表の奥川洋二です。


さて施術家の間ではもはや当たり前になってきたテクニック「筋膜リリース」ですが、トレーナーの皆さんには最近流行りのテクニックという感覚かも知れませんが施術家の方には定番のテクニックでしょうか?


片やストレッチは馴染みの深いテクニックだけに、とうに使い古された感があるかも知れませんね。



日本での筋膜ブームはトーマス・マイヤーズの大ヒット書籍「アナトミートレイン」が大きく貢献していると思います。

 

 


いわゆる「筋膜経線」と言って、同じ筋膜階層の結合の強い筋膜が構造的、機能的に関係しあうという理論ですね。


一方ストレッチの歴史は古く、ボブ・アンダーソンというヨガを勉強していた人が考案したのがストレッチングの原型なんですね。

その様な事もあってスタティックストレッチのポーズの多くがヨガのアーサナに似ているのです。


施術家、トレーナーのどちらにおいても、既にクラッシックなテクニックだったストレッチの次世代版?的な存在として筋膜リリースが入って来たというイメージが強いと思います。


どちらも関節可動域を改善するテクニックとして使用している方が多いと思いますが、それぞれのテクニックの「違い」を意識して使っている方は少ない気がします。


例えば…

✅筋膜リリースに出来て、ストレッチで出来ない事
✅ストレッチで出来て、筋膜リリースで出来ない事

など意識して使用している方はいますでしょうか?


さて、ストレッチと筋膜リリースの大きな違いはなんでしょうか?


関節可動域改善という部分だけ見ても、生理学的な違い(コラーゲンの伸長についてや、筋線維内のコネクチン作用など)は研究者の考えがまとまり切っていない部分があり議論が尽きないので今回は避けますが


それとは別に科学的な知識などなく、常識的に考えて分かる部分で大きな違いがあります。


入谷誠、福井勉、山口光圀という理学療法士の大御所3人が共著した事で有名な書籍

「結果の出せる整形外科理学療法」の中に以下のようなトピックがあります。

 

 





スティッフネス(硬さ)の異なる生地を一つずつ2枚用意します。

それを互いに糸で縫合してしまって、一枚の生地にします。

その生地を両端から引っ張るとどうなるでしょうか?


そうなんですね。

柔らかい生地ばかり伸長されて、硬い生地はほとんど伸長されません。



先程は筋膜経線という筋膜の繋がりがあるという話をしました。

一番有名?な筋膜経線は「スーパーフェイシャルバックライン」と言って、足底筋膜から

まで背面を下から上まで繋いでいる筋筋膜経線です。



例えば、スーパーフェイシャルバックラインにも含まれる、下肢の裏側の筋肉であるハムストリングスをストレッチするとしましょう。



恐らくみなさんSLR(ストレートレッグレイジング)のように、膝を伸ばしたまま下肢全体を持ち上げるストレッチをすると思います。



しかし、先ほどの布とスーパーフェイシャルバックラインの関係をイメージしてもらいたいのですが、ハムストリングスは腓腹筋と筋膜連結をしています。



その為にSLRのようなストレッチでは腓腹筋がハムストリングスよりスティッフネスが低い、つまり柔らかい場合はハムストリングスも伸びますが腓腹筋が優先的に伸ばされるために効果が薄くなってしまいます。



もちろん、その逆も考えられます。

腓腹筋でなくとも、仙結節靭帯を介して連結している脊柱起立筋が伸ばされてしまうケースもあるでしょう。


よくハムストリングスのストレッチをしていて、腰が動き過ぎて「ギックリ腰」を起こす人がいますが、それは腿裏のスティッフネスより腰部のスティッフネスの方が低い人に起こりやすいです。


そのようなケースで効果を発揮するのが筋膜リリースになります。

筋膜リリースはスティッフネスが高い組織だけにダイレクトにアプローチ出来るので、代償的に他の部位が動き過ぎて障害を起こすリスクを減らします。



逆に言うとピンポイントでしか筋膜を緩める事が出来ないので、全身を緩める事を考えると「時間が掛かる」というデメリットがあります。

ストレッチの利点はスティッフネスに大きな差が無いなら、一度に多くの筋群を緩める事が出来るので時間的に早く終わる事であったり

ダイナミックストレッチなど、運動動作と結び付けやすいものから

バリスティックストレッチのように、伸長反射を利用して特異的な能力を高める事も出来たり…

応用の幅が大きい事も挙げられますね。

このようにそれぞれの技術の中身の「違い」を知る事は、より効果的なアプローチをする為に重要です。

それぞれの技術の違いを深く考えずに「どれも同じで可動域を改善させる」と曖昧な理由で使っていると、それで効果が出ない時には「もっと効果の出る新しい技術は無いだろうか?」と探し求めて、たくさん技術は知ってるが効果を出せない「器用貧乏」状態になってしまいかねませんよね?



そうなるといくら勉強しても、セミナー出ても、お金が掛かるだけで臨床ではなかなか効果的なアプローチに繋げる事は出来ませんので「セミナー難民」のようになってしまいます。


そのような考えから、私は知識の深堀りは結構重要だと思っています。

ただ知っているというより「理解」する事が重要だと思っています。



話すと長いですが…著名な脳科学者の池谷裕二氏(東大教授)は人間の長期記憶のメカニズムに「たくさんの情報の中から共通する普遍的な部分を抽出して、知識として長期記憶させる」というメカニズムがあるのでは?と著書の中で仰っています。

 

 


これは私は池谷氏にインタビューをした事ある人に直接聞いたのですが、池谷氏が記憶の実験で「学生にググってテスト勉強をさせるグループ、パソコンを使わずテスト勉強させるグループで長期記憶の定着率を調べる」実験をしたところ、ググったグループは記憶の定着率が悪かったと言っていたそうです。



これは私の私見ですが、ただ知っているというよりは理解から得た本質的な知識の方が記憶も定着しやすいのではないか?と思っております。

9月23日に実施します「真剣しゃべり場~ボディワークとは?~」もそんな考えから企画したものです。



曖昧に「ボディワーク」のイメージを持っているだけだと、トレーニングとの違いは?ボディワークでなくてはいけない理由は?



逆にボディワークでは効果が出ないケースは?なども曖昧になってしまうのではと危惧しています。

私たち指導者がそうなるとクライアントである一般の方はもっと曖昧になりますよね?それはボディワークを普及したい人はもちろん、運動指導に関わる人たち全てにとって余り好まし未来では無いと思っています。



また、単純に私たち自身が今後色々な知識を増やしていくうえでも本質を理解した方が良いと思っています。(先ほどの脳科学的な理由です)



最後までご覧頂き、誠にありがとうございました。



9月23日 施術家&トレーナー 真剣しゃべり場!
第5回 「ボディワークとは?」を実施いたします!



早い物でこのイベントは第五回となります。

今回はパネラーが3人となり、豪華な内容となっております。



3人のパネラーとWeb&会場の視聴者で少し話ずらい業界のセンシティブな話題についてガチンコで語り合うのですが、今回は「ボディーワーク」について語り合います。



セミナー内容真剣しゃべり場 第五回 ボディーワークとは?

開催日
2024年 9月23日(祝・月)


開始時間
10:00 開始/ 12:00 終了


会場住所
東京メトロ西新宿駅から徒歩3分圏内
*参加人数により会場は変わりますので、お申込み時にお伝えいたします



アクセス
東京メトロ西新宿駅から徒歩3分圏内



参加費用
【Web参加】3,300円 / 【会場参加】6,600円定員



定員
【Web参加】40名/【会場参加】6名



注意事項

セミナー参加者限定のアーカイブ配信がございますので、当日参加出来ない方も安心してお申込み下さい。

お申し込み後のキャンセルは規定のキャンセル料が発生致しますので、予めご了承ください。



詳細の確認とお申込みは以下のサイトからお願い致します!
https://www.okugawaseitai.com/tc-syaberiba5