●生物史を揺るがす大事件の発生

 およそ5億4000万年前,カンブリア紀と呼ばれる時代に生物の全歴史を通じて特筆すべき事件が起きました。これは進化史上最大のイベントの1つで「カンブリア爆発」と呼ばれています。さまざまな動物がいっせいに出現しました。

 生物の分類の世界では、体の基本構造(ボディプラン)をもとに「門(もん)」という分類群に分けられています。同じ門ならばボディプランは同じです。たとえば,脊椎動物(亜)門には哺乳類や鳥類,魚類などありますが、体の基本構造は同じです。

 カンブリア爆発で特筆すべきことは,進化のタイムスケールからするとごく短い間に,現存するほぼすべての動物門がいっせいに出そろったという点です。逆に,カンブリア爆発以降,新しいボディプランを持った動物は誕生していません。

 この大事件を引き起こす原因の一つと考えられる、全ての遺伝子のコピー数が倍に増える、「全ゲノム重複」とよばれる現象が起きていました。これにより余剰な遺伝子が生まれて、その働き、あるいは体の中で働くタイミングや場所がいろいろに変わった結果、より複雑な体がつくられるようになったと考えられています。

 

 

●脊椎動物のはじまり

 カンブリア紀に管状であった我々のご先祖さまにも変化が生じました。体の中心を前後に貫く芯「脊索」の獲得です。小型の魚のような、現生の生物で言えば「ナメクジウオ」のような生き物です。脊索はその後、骨に入れ替わり脊椎になります。

 脊索ができるとその上側(空側)に脳と脊髄の元となる「神経管」が現れます。脊索を真ん中にして下側(地球側)に消化管が通り、上側に神経管が通ります。脊索の消化管側を「腹側」と呼び、脊索の神経管側を「背側」と呼びます。腹側と背側の区別ができます。また、明確な芯が通る事で「左右」の区別がはっきりとします。

 ナメクジウオは脊索の周囲に筋肉を持っています。右側の筋肉を収縮させると体が「くの字」になります。左側を収縮させると「逆くの字」になります。もし、脊索が無ければちょうちんの様に潰れてしまいます。左右交互に収縮させ反射的にピッピッと泳ぐことができます。この動きこそ我々脊椎動物のロコモーション(移動)の基礎となる動きと考えています。 

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執筆者紹介 
宮井健太郎(みやいけんたろう) 
 

1977年生まれ 
2001年 理学療法士資格取得  
以後、老人総合病院、老人保健施設、老人ホーム、小児病院、スポーツ整形外科、一般整形外科にてリハビリテーションに関わる 

2006年 ロルフィングプラクティショナー認定 

2010年 フランクリンメソッド エデュケーター認定 

2014年 ロルフィングムーブメントプラクティショナー認定 

現在、東京 有楽町線・副都心線 小竹向原駅近く、東久留米市内にて、ロルフィングとボディーコンディショニングを行う 

日本ロルフィング協会会員