ローテーター・カフとは

 

ローテーター・カフは4つの筋で構成されている

○触知可能な3つの筋

 ├ 棘上筋

 ├ 棘下筋

 └ 小円筋

 

○触知できない筋

 ー 肩甲下筋

 

ローテーター・カフは動的安定性を保つ為

関節包と一体となり、関節窩に上腕骨を保持している

 

 

ローテーター・カフ不安定性とは

 

・ローテーター・カフ不安定性は

 ローテーター・カフの部分的、もしくは全体の損傷を伴う

 

・通常、損傷は棘上筋健である

 しかし隣ある肩甲下筋健、もしくは棘下筋腱の場合もあり

 

 

損傷の原因

 

 

○若年の不完全な損傷の場合

 微小外傷によるものが多い

 

○年配の場合

 血流供給の減少により腱がもろくなることにより、損傷す

 ることが多い

 

臨床徴候・症状

 

 

・肩前側部の激しい痛み

・患部を下にして寝ると痛む

・硬直

・肩のひっかかり感

・自動的・他動的可動域での痛み

・局所的な圧痛

・肩を外転させることができない

 

 

不完全断裂

・臨床上、棘上筋腱炎と似ているが不完全断裂の原因は

 →転倒・無理な動きによる急激な挫傷によることが多い

・完全断裂していると患者は、腕を外転させることが

 できない。外転させようとすると激しい痛みを伴う

 

 

検査法

 

 

○ドロップアーム

【肢位】座位

【方法】検者が腕を90度外転させる。

    次に検者は手を離し、ゆっくりと腕を降ろさせる

【理論的根拠】

腕をゆっくり下ろせない・急に落ちる

これは、ローテーター・カフの断裂を示唆する

棘上筋は腕を外転させ、上腕骨を正常な位置に保持する働きがある。

棘上筋腱の損傷は、外転動作においての上腕骨の不安定性の原因となり、腕の急な落下を生じる。

 

 

○棘上筋テスト
【肢位】座位または直立位
【方法】肩を90度外転させるよう指示する。
    患者の腕をつかみ、患者からの抵抗に対して
    押し下げる。次に、
    肩を内旋させる(母指を下に向けるよう指示)
    再度、患者からの抵抗に対して腕を押し下げる

【理論的根拠】
外転に抵抗することで棘上筋、棘上筋腱にストレスがかかる。
抵抗力の低下・痛み→棘上筋または棘上筋県の損傷を示す
抵抗力の低下   →肩甲上神経の神経傷害を示す