TC研究会スタッフでトレーナー&セラピストとして活躍中の小田先生のブックレビューです!
また、小田先生はフリークライミングのJrの選手のコンディショニングも多数行っているそうですので

同じくJr選手をサポートしている先生方は、是非参考にしてみてください!

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天才を作る親たちのルール トップアスリート誕生秘話 (Sports graphic Number books)



この本は今活躍しているアスリート12人の幼少期から活躍するに至るまでの親御さん達の子育てや関わり方を記したものです。

なぜ私がこの本を手にしたかというと
まずは単純にどんな子供達だったのかな?という興味と
また私は関わらせていただいている選手の親御さん達と話をする事も少なくないので
その方達の参考になったらという考えと共にどんな違いがあるのかと知りたかったからなのです。

実際に手にして読み進めると
短編集のようでとても読みやすいと感じます。

展開や文章も
著者である吉井氏がおそらくインタビュー形式で引き出した子育ての回想録と
親御さん達のバックグラウンドを織り交ぜながら短文調で小気味好く進みます。

全体を通して心に残ったのは
タイトルである親のルールという点よりも
アスリート達が子供の頃にしっかりと意思表示をして自分の進むべき道を決めていくというところである。

そこにはもちろん覚悟を持った親御さん達の問いかけもあるのだが。
やはり、しっかりとした意志を持って自分で選択したこと、覚悟を持って臨んでいることは
継続して努力が出来るのだな、と。

更に天才アスリートの親は良い意味で親バカばかりであったということ。

ルールというより極度の親バカという生き方が天才アスリートを作り上げたのかな、と。

ルールに関していうと、尾木ママと杉山愛さんの特別対談とあとがきで深く読み取ることができるのでそこまでもしっかりと読んでいただきたい。

では、何故に自分の興味で手に取り読んだ専門書でもないこの本を今回レビュー紹介するのかという理由は

この本に登場する親御さん達やコーチや監督とに自分自身を置き換えてみて
クライアントや選手への関わり方や指導の仕方の参考にできるのではないかと感じたからです。

きっかけ作りや自立させる(依存させない)こと、しっかりとした目的意識、言葉や声かけ、また黙ってサポートするなどの後押し、
といった様々なタイプに対しての関わり方。

そして、そのためにはしっかりと観る(診る)ことや向き合うことの大切さが随所に出てきて
自分自身の現在を顧みることが僕自身はできました。

そして、この本は親御さん達や我々大人だけでなく、
サポートを受けている選手や子供達にも是非読んでいただきたい。

こんな想いでサポートや指導をしてくれているんだと感じたり、どういった想いなのかと考えるきっかけになってくれたらとも思います。