上腕二頭筋長頭腱炎は
上腕骨頭結節間溝部における圧痛を伴う肩の痛みの慢性的な症状である。
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症状
・肩の前部の痛み
・結節間溝部の触診時の痛み
・自動的・他動的な肘の屈曲・伸展における痛み
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多くの場合※他の病変を伴う。
上腕二頭筋長頭腱炎が単独で起こってる場合は他動的可動域の制限はない。
※他の病変→周囲の関節包の滑膜炎、癒着性関節包炎、結節間溝部の骨増殖体(骨棘)、回旋筋腱板断裂など
上腕二頭筋は長頭と短頭のの2つがある。
長頭:関節窩の上方関節窩唇から出ており、側面を通り上腕骨頭上面の結節間溝部で90°曲がる。
短頭:肩甲骨烏口突起から出て、橈骨粗面・上腕二頭筋腱膜に付着する
整形外科的検査法
◯スピードテスト
・患者の肘を完全伸展させ回外し、45°の角度で体の前に手を差し出させる
・検者は片手の指で患者の結節間溝を押さえ、もう一方の手で患者の手首を押さえる
・患者は検者の抵抗に対しながら挙上するよう指示する
→結節間溝に痛み痛みや圧痛があれば、上腕二頭筋長頭腱炎が示唆される
◯リップマンテスト
・患者を座位にし肘90°に屈曲させ、手の平を上に向けるようにし、前方に差し出す
・検者は片手で患者の手首を固定し、反対の手で結節間溝にある上腕二頭筋長頭腱を
触り、左右に動かす
→疼痛は二頭筋長頭腱炎の兆候である
◯ギルクテスト徴候
・直立している患者に2〜3キロのウェイトを外転するよう指示する
・次に、肩を外旋させ外転させるよう指示する
→結節間溝部の痛みや不快感は上腕二頭筋長頭腱炎を示す