肩関節は開放性球窩関節である。これは、自由度が高いがそれと引き換えに安定性の低下を有する。
これに対して、股関節は臼状関節である(連結度合いが大きい)
→やや制限はあるが、大変安定性に優れ、最も脱臼しにくい関節である
しかし、大腿骨が寛骨臼内に完全にはまっているのではなく、股関節の関節面には不適合がある。
ここからは、上記に示した関節の不適合について詳しく述べる。
直立位では大腿骨頭は寛骨臼に完全に覆われているわけではない。
関節軟骨の前・上方がはみ出している(赤印)
股関節の屈曲・外転・外旋により大腿骨頭が寛骨臼内にすっぽり収まり
このはみ出しは消失することができる。
屈曲・外転・外旋の肢位は、人が四つ這いになった時と同じである。
股関節は人類の進化の過程で、四つ足動物から二足歩行する人へと移行したことで、股関節の関節面の不適合が生じた。
これは言い換えれば、股関節の適合を犠牲にし、二足歩行を獲得したと考えられる。


