仙腸関節では主に、矢状面で比較的小さな回転・並進運動が見られる。

 

仙腸関節の関節運動を説明する。

前屈運動(うなずき運動):腸骨上の仙骨の前方回旋

             仙骨上の腸骨の後方回旋

             もしくは、上記両方が同時に起こる

 

 

後屈運動(起き上がり運動):腸骨上の仙骨の後方回旋

              仙骨上の腸骨の前方回旋

              もしくは、その両方が同時に起こる

 

 

仙腸関節の関節面は垂直に近い為、特に大きな力が関節にかかった時には滑りにより損傷を受けやすい。仙腸関節の前屈運動により、間接面間の圧迫と剪断力が増し、それにより安定力も増す。

仙腸関節の締りの位置(CPP)は完全前屈位である。その為、前屈トルクを生む力が仙腸関節を安定させる。

前屈トルクは、

・重力

・靭帯の伸張

・筋の活動

によって起こる。

 

 

 

まず重力により仙腸関節を安定させる作用に関して説明。

仙腸関節の安定維持のためには、骨盤にかかる重力と荷重は重要な要素である。

比較的小さい静的な負荷をかける活動(座位・立位など)では、この2つの要素だけで十分な安定性の確保ができる。

体重による下向きの力は通常、仙腸関節中心部の前方を通り、同時に重力によって上向きの股関節圧迫力が生じ、その力は大腿骨頭から寛骨臼に伝わる。

これらの力は仙腸関節付近で反対方向に前屈トルクを生み出すモーメントアームによって作用する。

体重によるトルクは腸骨に対して仙骨を前傾させ、股関節の圧迫力はによるトルクは仙骨に対して腸骨を後傾させる。

 

次に、伸張した靭帯の作用に関して。

さらに大きな動的な負荷がかかる場合は、靭帯と筋が仙腸関節を補強する。

仙腸関節の結合組織(仙結節靭帯・骨間靭帯など)の多くは前屈トルクにより伸張される。これらの靭帯の張力が高まることで、仙腸関節の関節面が圧迫される。

 

最後に筋活動の作用に関して

さらに高い安定性が要求される動作(ランニングなど)では、体幹や股関節の多くの筋(腹直筋・大腿二頭筋・脊柱起立筋・骨盤底筋群・多裂筋 等)が、仙腸関節を補強し安定させる。

これらの筋が収縮することにより、関節面に対する自動的圧迫力が生じ、前屈トルクが増し、仙腸関節の補強が可能な結合組織を引き寄せるという作用が一緒に起こる事で仙腸関節を安定させる。