関節の「締りの位置(CPP)」

通常は
・最大の関節適合が得られる位置
・関節包や関節周囲の靭帯が伸長される位置

であるのだが

股関節に関してはその定義は当てはまらないという点で股関節は珍しい関節である

股関節が関節面において最大の適合を得る位置は
『90度屈曲と適度な外転・外旋』

と言われている

しかし、この肢位では関節包靭帯の多くはもつれず緩んだ状態であり、関節に他動的張力を与えない。

靭帯②
靭帯

股関節最大伸展(中間位から約20度を超える)は多くの靭帯を捻じり、らせん状にさせ、もっとも緊張させる

最大伸展で少しの内旋、外転を加えることにより、すべての関節包靭帯の成分が伸張される
この位置を股関節の締りの位置と定義される

このように
関節面が最大適合する位置と締りの位置に違いがあるのは

四足から二足歩行に移動方法が移行した事の名残だと言われている。

また、解剖学的特徴として大腿骨頭は極めて球に近い形状をしているのに比べて
臼蓋は楕円に近い半球状である

また臼蓋の後面部は深い作りとなっているのに対し、前面部は浅い(骨性支持が低い)

すなわち、大腿骨頭臼蓋被覆は後面に比べて少ない(接触面積が少ない)

そのために骨盤が前傾すると臼蓋後面部が大腿骨頭前面部へ移動してくるので同部の被覆面積は増大する

そのような特徴から臼蓋形成不全を有する変形性股関節症のような臼蓋被覆が少ない症例では
大腿骨頭の被覆率を増大させようとするために骨盤前傾アライメントになりやすいと言われている。

骨盤後傾位
後傾

骨盤前傾位
前傾