こんにちは、トータルコンディショニング研究会代表の奥川です。
さて、前回は「姿勢と感情」についての考察をしました。
今回はメンタル面の話、特に「マインドフルネス(気づき)」「トラウマ(心的外傷)」について考察してみようと思っております。
メンタル面へのアプローチとして心理学的なアプローチがありますが、心理学において最近メディアで話題になっているものとして「アドラー心理学」があります。
日本で有名な心理学者「ユング」「フロイト」などと並び「心理学の3大巨頭」と称されるアルフレッド・アドラーですが、日本では先の2人ほどの知名度は無く、自己啓発本のベストセラー「7つの習慣」のスティーブン・R・コヴィーに影響を与えた人物との触れ込みもあって、ようやく最近になり注目されるようになってきました。
アドラー心理学がフロイト派、ユング派の心理学と大きく違う点の1つとして「身体と心は切り離して考えられない」として捉える点があります。
このスタンスは私達身体に係る職業の人間には馴染みやすいものだと思います。
また「トラウマ(心的外傷)」に代表されるフロイト派の「原因論」を否定した点も大きな違いの一つに挙げられます。
*1895年(39歳)、フロイトは、ヒステリーの原因は幼少期に受けた性的虐待の結果であるという病因論ならびに精神病理を発表した。今日で言う心的外傷やPTSDの概念に通じるものである(wikipedia)
『過去にあったどんなことも「いまここ」には何の関係もない、未来がどうであるか「いまここ」で考える問題で無い』と「トラウマ」に代表される原因論を心の問題の有効な解決方法と認めず「今の瞬間にスポットライトを当てる」ことこそが重要と説いています。
本当にあったのか?あるか?どうかも分からない不確かな「過去」や「未来」の事ばかり悩み、考えるのではなく、今の瞬間を真剣に生きる、そして自分を見つめる事で問題解決の糸口が見えてくる。
トラウマなどの原因論を否定する理由としては「過去や未来を見る事で、自らに免罪符を与えようとしている」(嫌われる勇気 自己啓発の源流アドラーの教え:岸見一郎、古賀史健)と述べています。
すなわち、トラウマや過去や未来に原因を求める事は、今の自分を積極的に見つめる事(アドラーの考える問題の解決方法)から逃げるための理由を与えていると言う事なのでしょう。
「今の瞬間にスポットライトを当てる」これを重視する考えは第3世代の行動療法の一つ「マインドフルネス認知療法」にも見られます。
マインドフルネス認知療法は「うつ病」「パニック障害」などのアプローチ方法としてすでに広まっている第二世代の行動療法である「認知行動療法」では効果が表れない疾患に対応する療法として近年注目を浴びています。
自分が行った行動や思考に対し「いまここ」の自分が感じた事に主観を入れず、ただ「気づく」ことが重要とされています。
身体を通じて「いまここ」の自分を体験する事を重要視するものとして、私達身体の健康に携わる者にとって身近なものとしてはフェルデンクライスメソッド、ロルフィング、アレクサンダーテクニークなどの「ボディーワーク」があります。
「ボディーワーク」の多くも「いまここ」の自分の直接体験を重要視します、またそこから得られる「気づき」によって身体を緊張より開放し、あるべき状態に近づけます。
場合によっては心をも開放させます。
この方法論は前述の「マインドフルネス認知療法」にも共通します。
アドラー心理学、第三世代の行動療法、ボディーワークなどに共通する点は
「過去」や「未来」ではなく「いまここ」の自分にピントを合わせ、自分を見つめる事で心と身体の問題解決を行っていくという点です
このような「いまここ」の自分にピントを合わせる事による「心と身体」に対する良い効果の理論背景は科学的にまだはっきりと分かっていない点が多いようですが
「うつ病」「パニック症候群」などの心の疾患が増えている昨今、今後の研究が望まれる課題ではないかと思われます。
また、トータルコンディショニング研究会でも、この身体はもちろんのこと、心に対しても未知の可能性を秘めた、ボディーワークのセミナーを講師の先生をお招きし今後も多数展開していこうと考えています。
なぜなら、前回の考察の通り心と身体が切り離せないものであるので、今後はボディーワークのような「身体と心」同時にアプローチ出来る方法の必要性が社会において増えていくと思っているからです。
さて、次回は徒手療法(マニュアルアプローチ)が心に与える影響を考察してみたいと思います。
さて、前回は「姿勢と感情」についての考察をしました。
今回はメンタル面の話、特に「マインドフルネス(気づき)」「トラウマ(心的外傷)」について考察してみようと思っております。
メンタル面へのアプローチとして心理学的なアプローチがありますが、心理学において最近メディアで話題になっているものとして「アドラー心理学」があります。
日本で有名な心理学者「ユング」「フロイト」などと並び「心理学の3大巨頭」と称されるアルフレッド・アドラーですが、日本では先の2人ほどの知名度は無く、自己啓発本のベストセラー「7つの習慣」のスティーブン・R・コヴィーに影響を与えた人物との触れ込みもあって、ようやく最近になり注目されるようになってきました。
アドラー心理学がフロイト派、ユング派の心理学と大きく違う点の1つとして「身体と心は切り離して考えられない」として捉える点があります。
このスタンスは私達身体に係る職業の人間には馴染みやすいものだと思います。
また「トラウマ(心的外傷)」に代表されるフロイト派の「原因論」を否定した点も大きな違いの一つに挙げられます。
*1895年(39歳)、フロイトは、ヒステリーの原因は幼少期に受けた性的虐待の結果であるという病因論ならびに精神病理を発表した。今日で言う心的外傷やPTSDの概念に通じるものである(wikipedia)
『過去にあったどんなことも「いまここ」には何の関係もない、未来がどうであるか「いまここ」で考える問題で無い』と「トラウマ」に代表される原因論を心の問題の有効な解決方法と認めず「今の瞬間にスポットライトを当てる」ことこそが重要と説いています。
本当にあったのか?あるか?どうかも分からない不確かな「過去」や「未来」の事ばかり悩み、考えるのではなく、今の瞬間を真剣に生きる、そして自分を見つめる事で問題解決の糸口が見えてくる。
トラウマなどの原因論を否定する理由としては「過去や未来を見る事で、自らに免罪符を与えようとしている」(嫌われる勇気 自己啓発の源流アドラーの教え:岸見一郎、古賀史健)と述べています。
すなわち、トラウマや過去や未来に原因を求める事は、今の自分を積極的に見つめる事(アドラーの考える問題の解決方法)から逃げるための理由を与えていると言う事なのでしょう。
「今の瞬間にスポットライトを当てる」これを重視する考えは第3世代の行動療法の一つ「マインドフルネス認知療法」にも見られます。
マインドフルネス認知療法は「うつ病」「パニック障害」などのアプローチ方法としてすでに広まっている第二世代の行動療法である「認知行動療法」では効果が表れない疾患に対応する療法として近年注目を浴びています。
自分が行った行動や思考に対し「いまここ」の自分が感じた事に主観を入れず、ただ「気づく」ことが重要とされています。
身体を通じて「いまここ」の自分を体験する事を重要視するものとして、私達身体の健康に携わる者にとって身近なものとしてはフェルデンクライスメソッド、ロルフィング、アレクサンダーテクニークなどの「ボディーワーク」があります。
「ボディーワーク」の多くも「いまここ」の自分の直接体験を重要視します、またそこから得られる「気づき」によって身体を緊張より開放し、あるべき状態に近づけます。
場合によっては心をも開放させます。
この方法論は前述の「マインドフルネス認知療法」にも共通します。
アドラー心理学、第三世代の行動療法、ボディーワークなどに共通する点は
「過去」や「未来」ではなく「いまここ」の自分にピントを合わせ、自分を見つめる事で心と身体の問題解決を行っていくという点です
このような「いまここ」の自分にピントを合わせる事による「心と身体」に対する良い効果の理論背景は科学的にまだはっきりと分かっていない点が多いようですが
「うつ病」「パニック症候群」などの心の疾患が増えている昨今、今後の研究が望まれる課題ではないかと思われます。
また、トータルコンディショニング研究会でも、この身体はもちろんのこと、心に対しても未知の可能性を秘めた、ボディーワークのセミナーを講師の先生をお招きし今後も多数展開していこうと考えています。
なぜなら、前回の考察の通り心と身体が切り離せないものであるので、今後はボディーワークのような「身体と心」同時にアプローチ出来る方法の必要性が社会において増えていくと思っているからです。
さて、次回は徒手療法(マニュアルアプローチ)が心に与える影響を考察してみたいと思います。