痛みに対した治療を行うにあたり、相手の示す部位と問題となる部位を推測する必要があります。
臨床において、相手が示した部位がそのまま問題点であった場合と異なる部位が問題点であった場合があると思います。
ある程度信頼関係が得られている方であれば、簡潔な説明で、状態に応じたアプローチを手際よく行えると思いますが、初診であった場合は必ずしもそのようにいくわけにはいきません。
疼痛部位の示し方においてある指標があります。
(1)palmar indication(広範囲)
(2)one point indication(局所的)
この指標は相手がどれだけ痛みの部位を認識しているかになります。
図のように肩の痛みであれば、局所的に押さえる方と肩をさするように部位を示す方がいます。
この現象の背景には、どれだけ体が痛みに対した認識を持っているかになります。
この指標で統計的にでていることがあります。
(1)palmar indication(広範囲)⇒必ずしもその部位に障害があるとは限らない
(2)one point indication(局所的)⇒示した部位に障害を認めることが多い
この指標から日々の臨床を思い出してほしいのですが、慢性痛を持たれている方で、局所的な表現をされる方は少なくありませんか?
肩の痛みがあっても「肩や首が痛い」という表現が多くあると思います。
そのような方が対象であった場合、肩の痛み=肩の問題をみるのでは不十分であり、一度姿勢から見直した方が効率的なアプローチができることが多いです。
その反対に急性的な痛みであれば、的確に部位を示すことが多いと思います。
相手の表現や説明だけでも、可能性を示唆することができるということがこの指標でわかるかと思います。
痛みの治療で悩みが出た場合、新たな学びを得ることは重要ではありますが、相手の問題点の説明などを一度再確認をしてみてください。
何気ない所で新しい発見があることが多くありますので、ぜひご参考にしてみくてください。