ヤマメ・アマゴは「渓流の女王」、岩魚は「渓流の王様」と呼ばれます。
どちらが釣りやすい魚なのでしょうか?
1、生息場所によると…
放流したものでなければ、ヤマメ・アマゴは渓流の下中流域、岩魚は源流域ですから、釣り場に行くまでのことを考えれば、ヤマメ・アマゴのほうが岩魚のより釣りやすいといえるでしょう。
2、性質の違いによると…
ヤマメ・アマゴは「女王」と言われるだけあって、明るく華やかな人場所を好みます。
例えば、こんな場所で、ヤマメ・アマゴは流れの中層を泳いでいますから、視認しやすく、釣りやすいといえるでしょう。でも、流れの筋に沿って、自然に仕掛けを流さなければいけませんから、その点では、渓流釣りを始めたばかりの人にとっては釣りづらいでしょうね。
岩魚は「王様」ですから、常に敵に対して警戒心がとても強く、暗い場所の底の岩に隠れていることが多いですね。隠者のような生活をしています。
例えばこんな場所ですね。暗いので、仕掛けが見えにくく、かつ、岩魚を視認することは困難ですね。そして流れの底を探るのは困難ですから、釣りにくいですね。でも、岩魚がいるのは川幅が狭い源流部が多いので、仕掛けを入れて粘れば、餌が少ない場所での隠遁生活で食にどん欲になっている岩魚は、餌を探しに出てきますから、その点では釣りやすいともいえるでしょうね。
3、釣り人の多い渓流では…
ヤマメ・アマゴも岩魚も警戒心が強くなって、なかなか釣れないのですが、そこは性格の違いから、ヤマメ・アマゴは流れの中で流れてくる餌を追う性質ですから、警戒していても、やがて流れの中の定位置に出てきますから、時間をかければ釣れるので、岩魚に比べ、釣りやすいといえるでしょう。
半面岩魚は、一度強い警戒心を持つと、岩陰から出てはきませんから、濁って増水でもしないと、プレッシャーの強い渓流ではなかなか釣れません。その点では、晴れの日で、たくさんの釣り人が入る時期には岩魚釣りは「坊主」も珍しくありませんね。
4、結論…
釣り人の少ない渓流で、釣り場までの距離と行くまでの険しさ、困難ささえ苦にしなければ、初心者には岩魚は釣りやすい魚です。
釣り人の多い渓流で、ベテランにとっては、ヤマメ・アマゴは視認しやすく、流れの筋の見極めも容易なので、先行者がいるかいないか、魚がいるかいないかわからない岩魚よりは、確実に釣ることが容易です。