地に足の着いた良い記事だなと思いましたので、ご紹介を。

 

 
AERA dot.の記事です。
記事の主題は「過去の値動きから想定される最大損失額を検証する」ということで、TOPIX、全世界株式、S&P500の過去30年間における大きな下落について、どれだけ下落したのか、また回復に要した期間などがまとめられ、対応としてリスク許容度に応じた非リスク資産の保有を提唱しています。
 
まことに正論ですし、いざ暴落となったらこのくらいまでは下がる、回復までに何年かかる、というのは相場が好調な今のような時ほど改めて確認しておくべきことかなと思います。
 
読んでて気になったのが、「リーマン・ショックで全世界株式は1年4カ月下がり続けて61.6%の下落、S&P500は1年9カ月下がり続けて59.9%の下落、TOPIXは1年8カ月下がり続けて56.2%の下落。」というところ。
 
今まで暴落時の下落率はこのグラフで認識していたんですよね。

 

 

これで見るとリーマン・ショックも含めた2007年の世界金融危機で50%下落していたので、10~15年程度の間隔で起こる暴落時は概ね半分まで下がると思っておけば良いなと思っていたんですが、今回の記事だとそれよりももう少し下落率が高いと説明されています。

 

改めて読むと、この違いは「検証する指数もそれに合わせて「配当込みのトータルリターン、円換算ベース」とした」とあり、円換算していることに起因しているようです。(上のグラフはS&P500のドルベースで指数化したもの)

 

ということは、ドルベースよりも円ベースの方が下がった=下落期間中に円高になったということですね。

はて、当時はそんな感じだったかなとググってみると……

 

 

リーマンショックをきっかけに円高が進み、回復途上の2011年には円が史上最高値を付けていたんですね。

 

つまり円ベースで見た場合、株安+円高のダブルパンチで外国株式についてはドルベースよりも大きく下落したということなんでしょう。

 

過去に書いた記事では紹介した記事からの引用として、「「歴史的に振り返ると為替変動率は株価変動率に比べて控えめで、為替変動だけで株式の値上がり益が吹っ飛ぶという事態は、そもそも頻繁に起こるものではない」として、特に長期投資においては、為替の影響は限定的と認識しました。

しかし、このリーマン・ショックの時のように短期間で大きく為替が動くと、それなりに変動の影響をダイレクトに受けるなという感じですね。

 

ということで言えば、冒頭の記事において、暴落時に備えて非リスク資産の保有を提案されていますが、ある程度リスクを取りつつ為替リスクを回避したいというような考え方の場合は、国内株式や国内REITなどのリスク資産を(資産の全部または一部で)保有するという選択肢もあるということでしょうね。

(オルカンであれば5%程度は国内株式だったりはしますが、さらに為替リスクを低くしたいということであれば、という話です)

(あくまで為替リスクを低くしたいというところだけに絞った話ですので、期待リターンの大小は考慮していません)

 

冒頭記事の主題に戻ると、株価にせよ為替にせよ、望ましくない事態がある程度の頻度・程度で発生するのは必然であると思いますし、心構えしておく、自身のリスク許容度に応じたポートフォリオで備えておくというのは必要なことだろうと思います。

 

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