先日、ネットで見かけたニュースですが、セゾンカードの一部カードに関して、1年間カードの利用が無かった場合に手数料が発生するようになるとのこと。
公式のリリースは以下のリンクの通りです。
僕自身はセゾンカード自体は保有していませんし、今回対象となるカードに付帯するサービスにどんなものがあったのかもわかりませんので、あくまで「なんとなく」というレベルの話ですが……
三井住友カードを使ってのSBI証券のクレカ積立てへのポイント付与制度の改定（改悪と言ってる方が多いですが）と根っこは同じなのかなぁという印象です。
数年前あたり、クレジットカードもしかりですが、銀行とか証券とか、口座を開設するたびに結構まとまったポイントがばらまかれていた時期がありましたが、それはカードを作ったり口座を開設したりすること自体ではなく、その後利用してもらって手数料等の収入が得られるということを前提としていたと考えるのが普通かと思います。
（今でも案件自体はありますが付与ポイントが今よりもだいぶ多かったように記憶しています）
しかし、ポイントをもらうだけでカードにせよ口座にせよ利用しないとなると、ユーザーもしくはお店で手数料が発生しないのでポイント分が回収できない。
それだけならまだしも、セキュリティの構築・維持だったり、会費無料のカードであっても有効期限が迫ってくると新しいカードを作って郵送料もカード会社負担で送らなければならない……
となると、（カードを利用しないなら）それ相応の費用を負担してくださいよというのは普通のことと言えば普通のことかなと。
SBI証券のクレカ積立ての場合は、カードを利用していないわけではないですが、積立てに付与するポイントと得られる手数料等の収入がバランスが悪いであろうことは容易に想像がつきます。
クレジットカード利用に伴う手数料の設定や負担具合について、クレジットカード会社と証券会社間でどのような取り決めがされているのか知る由もありませんが、クレカ積立てにしかクレジットカードを利用しないユーザーが負担している手数料は（昨今多くの投資信託がそうなっていますが）ノーロードの投資信託のみの積立ての場合だと、保有時に負担する信託報酬のみということになります。
交付目録書より
例えば、eMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）の場合だと、信託報酬は税抜0.0525％ですが、販売会社の取り分はそのうち0.0175％となっています。
仮に、販売会投資信託の積立て購入時に1％のポイントが付与されたとすれば、それを信託報酬で取り戻すには1÷0.0175≒57年かかることになりますから、この費用をもってポイント付与分を取り戻すのはどう考えても割に合わない話です。
（クレカ積立てにまつわる）クレジットカード利用に伴う手数料がどの程度の設定であって、証券会社orカード会社のいずれが負担しているのだとしても、経済的に合理的なサービスとは思えませんので、当然にそれ以外のサービス利用による収入を前提とした制度ということだろうと思います。
こういったあたりを踏まえると、SBI証券×三井住友カードの今回のクレカ積立て枠増額に伴うポイント制度の改定は、「改悪」との声が大きいですが、継続性に焦点を当てた合理的な制度に変えたということなのかなと思っています。
確かに今までよりもポイント付与が少なくなったり付与条件が課されたりというところはありますが、積立てによるポイント付与を継続して行っていくための窮余の策であろうと理解できます。
たまたまですが、メインの証券口座＝NISA口座もSBI証券にしていて、かつ昨年からメインカードを三井住友カードゴールドにしている関係で満額1％付与の条件を満たせるから、実質的に悪影響が無いからということでもありますけどね。
そういった意味では、積立て額10万円までに対して、ゴールドではないノーマルカードでも従来通り1％のポイントを付与することとしたカブコム証券×auPAYカードの組み合わせは、改めて頑張ってるなぁという感じがしますね。(ﾟ∀ﾟ)
まあ、この件に限らずですが……
今までは顧客獲得のための純粋なサービスとして行われてきたものが、適切な対価の一部還元という感じに変わっていくのかもなぁと思います。
基本的には「もらえるものはもらっておけ」という信条ではあるんですけどね、経済的な合理性や継続性があってのものですから、そういう消費やサービスにまつわる流れの転換は、改悪といえば改悪かもしれませんが、あえてそこは適正化という流れと捉えつつ利用できるものは利用していくというスタイルがスマートなのかなと思う次第です。
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