ビル・エバンスは言わずと知れたジャズミュージシャンで、

ワルツ・フォー・デヴィが有名なアルバム作品で

日本で一番売れたジャズアルバムでもあります。

以外と、知られていないのが彼が亡くなる前の、作品群です。

その時のメンバーはベースのマーク・ジョンソン

ドラムのジョー・ラバーベラでした。

ビル・エバンスは彼等と演奏するのが楽しいとインタビューでも答えていて、

長年の麻薬に身体が蝕まれて、生活するのも辛かったと思いますが、

この演奏のときだけ、彼のピアノはガラス玉のように輝き、

私達の心を魅了するのでした。

この時期のアルバムは6枚出ているようですが、

自分はパリコンサートのエディション1、2を聴いて、

感銘を受けました。

とても病気とは思えない、力強いピアノ、

痛みを紛らわすのにも使ったと思われる麻薬、

なのに、その繊細な描写は、若い時よりも、はっきりとしている。

と言っても、亡くなったのが51歳だから、まだ若いんだけど!

頭は冴えていたのか、演奏のときだけ冴えていたのか?

入院を勧める人の意見を頑なに拒み、

治療をしなかった。

兄の自殺、内縁の妻に離別を伝え、別の女性と結婚、

挙げ句に、その女性の自殺

その後の結婚生活の破綻

人生を終わらせたかったのかもしれない。

演奏の為だけに生きてきた気がする。

なのに、曲は綺麗で、美しく、力強い!

人間とは、何なのだろうか?