もともとのレコーディングしたキーで

 
楽曲を歌うこと
 
当然といえば当然のことなのかもしれない
 
 
 
僕の場合は
 
レコーディングの際
 
歌いやすいジャストのキーよりも
 
半音か、時には全音、時には全音半
 
カラオケでいえば
 
+1  か +2 か +3
 
あえて上げて
 
チャレンジすることもある
 
 
楽曲によっては
 
あえて少し下げることもある
 
 
歌声の質はもちろんのこと
 
キーのコード感によって変わる
音の表情の変化
 
楽器
とくに
ピアノや
バイオリンやチェロの
音の響きと
声の響きの調和感
などなど
 
細部にわたる響きの検証
 
 
トータルのパフォーマンスで
 
どのキーがベストかを
 
探る作業は
 
歌を表現する上では
 
最も重要なことだ
 
 
 
そして、歌う僕にとって
 
キーが半音違うということは
 
天と地ほどの違いがある
 
 
 
オリジナルキーに戻したいんですが
いいですか?
 
幕張のリハーサル時に
僕が突然提案したその問いに
 
 
オリジナルキーで
死ぬほど聴きまくって
身体にすべて入っちってるんで
オリジナルキーだと嬉しいです!
 
 
目を細めて微笑んだ
黒目がちの瞳の真っ直ぐさ
 
ありがとうございます
お辞儀して下さったときに
ドボドボとナイアガラの滝のように
顔から床に
大量に滴り落ちる汗
 
 
どこまでもリスペクトをもって
歌にも
人にも
接してくださる
アーティスト
 
 
羽生結弦さんにとっても
 
リハーサルで聴いた
キーが下がったバージョン
 
 
きっと何百回も聞いた
オリジナルキーバージョン
 
では
 
天と地ほどの違いがあったであろう
 
僕の事情による
キー下げ
僕の事情による
キー上げ
 
いずれも
和かに
受け入れて下さる
 
何一つ言い訳せずに
汗を滴らせ
黙々と練習する
 
そして
人の心を動かす
パフォーマンスへと
昇華させる
 
 
そんなことってあるの?
 
あるんだよ
 
 
マスカレイド仙台公演初日PART2