ファンタジーオンアイスの日々
素晴らしい体験をさせて頂いております


舞台裏の出来事も
僕にとっては驚きや発見に満ち溢れています



一昨日の神戸公演

第2部が始まると、しばらくして僕は

次のコラボのために

楽屋からステージ裏に
スタンバイのため向かいます


ステージ裏の溜まりスペースでは、その頃ちょうど、出番を待つスケーターが最終の確認などのウォームアップをしています

ピンと張り詰めた独特の緊張感があり
挨拶を交わすのも、もちろん声をかけることもはばかれます

その日、舞台裏のそのスペースで

スケート靴ではなく

スニーカーを履き

入念にジャンプの練習をしていたのは

メドベージェワ選手でした


真っ赤な可愛らしくも品のあるコスチュームを身にまとった彼女

2回転、3回転
その場でジャンプ練習をしています

邪魔にならぬように、
なるべく見ないようにして…
でも、あまりにもすごいジャンプ力と回転の速さに、思わず二度見…


ダメ、ダメ、と自分に言い聞かせて
なるべく邪魔にならぬように
なるべく見ないように
なるべく小さくなって
足早に端の方を通り過ぎ
自分のスタンバイの場所へ


ステージ裏の溜まりスペースといっても
狭い通路スペースのため

僕の後に続いて
メドベージェワさんの横を通り過ぎようとした
スタッフが

あろうことか
彼女がジャンプした際の着地時に
少しだけ体が触れて、当たってしまったのです



するとメドベージェワさんは
即座にスタッフに向かって

本当に申し訳なさそうに

「I'm sorry」

と謝って下さったのです


スタッフが
謝る前に。


緊張感の中

真剣な表情で

一心不乱に

ジャンプ練習を繰り返していた

彼女

その様子から一変し

優しい声と柔らかい表情

からの

とても丁寧な口調の


「I'm sorry」


スタッフが慌てて謝ると

可愛らしい笑顔でニコリと返してくれたのです


そしてまた

真剣な表情で

ジャンプ練習を再開



ほんのちょっとしたことでしたが

彼女の咄嗟の立ち居振る舞い

本当に感動をしました


もし僕がステージ直前、
ピリピリしたムードの中
誰かが不注意にもぶつかってきたら?


人としての器の大きさと
彼女の心根の優しさを
感じさせて頂いた
出来事でした


たゆまぬ努力で
身体や心を究極に鍛え上げ
怪我の痛みも
心の痛みも
とんでもないプレッシャーも
すべて弾き飛ばしながら

命をかけて
世界の舞台で
真剣勝負で戦い続け

自分の限界を突破しながら
自らを表現する
世界のトップアスリート

心から
尊敬致します!

本当に応援したい気持ちになります!

ジェーニャ
ありがとう!