剣豪秘話の土方歳三と吉原その二 | 「歳三梅いちりん~新選組吉原異聞」かれん

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その一からの続きでございます。


副長や総司や八郎さんのイラストをアップしたほうが、喜ばれているような気がしないでもないですが、その一書いちゃったので、とりあえずその二もアップします。


てゆーか、基本的に剣豪秘話にみなさん興味あるんだろうか、たいがい本は手に入りにくいんだし、吉原田圃の大喧嘩は伝説の位置付けだし。

大仰にぶちまけたけど、ちょっとテンション下がっちゃった感も無きにしもあらずですが、ちょいとばかしお付き合いを。


吉原の遊女というのは、7・8歳ころに親元から離れて遊女屋に奉公に入ります。禿(かむろ)というのになります。

花魁にいつも従い雑用をこなしながら一人前の遊女になるよう育てられるのです。


そして13・14歳頃に禿から新造という呼び名に変わり、姉女郎のもとで接客法などを見習い、17・18歳ころに一人前の遊女としてデビューします。これを「突出し(つきだし)」といいます。


また、禿のうちに将来上級遊女になると見込まれると、楼主のもとで特別に一流の教養、行儀作法や芸事を仕込まれる引込禿(ひきこみかむろ)となるケースもありました。


伊庭八郎の敵娼(あいかた)左近小稲は、将来「小稲」という稲本楼の大名跡を継ぐべき左近という名が与えられ引込禿でエリート教育された高級遊女のひとりです。


吉原が他の岡場所などと違うところは、このように7歳のころから遊女を教育養成したことと、高い教養を身につける遊女の存在はこの遊里が単にひとつの目的だけでは無い証でもありました。


そして、吉原の花代が飛びぬけて高いのにはまた別の理由があったのです。


それは、若い女の子しか置いていなかったからなんですよ。


なんと、27歳(28歳とも)定年制があったのです。


17歳で見世に出て10年の奉公で年季が明けるシステムになっていました。


もちろん吉原にも廓を囲むおはぐろどぶの東西に「切見世」という低料金の見世もありまして、それはやはりトウのたった最下級の遊女ばかりなのですが、27歳で年季が明け行き場の無い遊女たちの受け皿にもなっていたのがこの切見世でした。




そして「剣豪秘話」です。


剣豪秘話の土方の敵娼の花魁黛は「そのころ26、7歳」と書かれています。


「花魁としてはトウのたった大年増」とミもフタも無い書きかたされてますが、彼女はあきらかに年季明け間近の引退も近い遊女でした。




長くなったので、その三に続けますね。





※拙ブログ記事の無断転載転用はお断りもうしあげます。

また、アップしました吉原のシステムについては違う見解をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、だいたいのこととしてお読みくださると嬉しく存知ます。