今日のブログは、「金利が上昇すると国債の利払い費が増加(財政破綻?)するのか」

 

私は毎日、三橋貴明 さんのブログを見て勉強しています。無料なのにとても質の高いブログです。三橋さんの、日本を良くしたいという思いから無料なのでしょうが、作成されたグラフやデータも無償提供で自由に使って下さいとのことです。

 

この三橋さんのブログですが、昨日の2024年6月18日付のブログにとても重要なことが書いてあったので、私のブログでもさらにわかりやすく解説したいと思います。

※ 三橋さんのブログ↓

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12856551270.html?frm_src=favoritemail

 

このブログの図表によると、日本政府の国債への利払い額は以下の通り横ばいです。

資料:財務省及び三橋貴明氏のブログ

 

では、今後、金利が上昇すると、日本政府は利子の支払いの増加によって財政破綻するのか?こういう人は「財政破綻」という言葉の定義をあいまいにして話すので、どういう状態が破綻なのかがよくわかりませんが、私のブログでは利払い費の増加について検討してみたいと思います。

 

マスコミやテレビは、国債の利払い費だけを問題にして報道しますが、日本政府は膨大な金融資産も保有しており、利子収入が入ってきます。利払い費の増加を検討する際には、日本政府全体として、プラスなのかマイナスなのかを計算する必要があります。特に、日本銀行が国債を半分以上所有しているので、日銀から政府に納付金として支払われる利子収入と米国債の金利収入を考慮しないといけません。

 

日銀の2023年第四半期の資金循環統計によると、2023年12月末の国債の日銀の保有比率は53.8%とのことですので、「国庫納付金」として日本に戻る国債利払費が約3兆円あります。

 

■ 参考:日本銀行は2024年5月末で585兆円の国債を保有。

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/release/2024/mei240610.xlsx

 

次に外国為替特別会計で保有する米国債による利子収入です。外貨の保有状況は以下のサイトをご覧ください。

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/official_reserve_assets/data/0605.html

 

上記のサイトからの情報によると、外貨準備は1,231,572百万ドル。1ドル155円で計算すると、190.9兆円。外貨準備の中で「証券」という項目があり、おそらくアメリカ国債と思われますが、927,579百万ドルありますので、同様に1ドル155円で計算すると143.7兆円となります。

 

最新の外貨の運用収入はわかりませんが、以下のサイトに令和4年度の数字が掲載されており、令和4年度末の外貨運用収入は3兆240億円と巨額です。

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/gaitametokkai/gaitametokkai_20231108.xlsx

 

今後、アメリカ国債の金利は低下すると思われますので、これだけの収入が確実に入ってくるとは断言できませんが、巨額です。

 

2024年6月4日の参議院財政金融委員会における西田昌司議員と財務省主計局吉野次長との国会での議論によると、7,3兆円の支払い利息があり、米国債など3兆円の金利収入と日銀から政府への納付金約2兆円があり、政府の利払い費は実質2兆円程度とのことです。

 

この数字を前提として考えると、今後、金利が二倍となった場合、利払い費が14兆円となったとして、半分は日銀から納付されるので、残りが7兆円程度。そこから外貨の利子3兆円を差し引くと残りが4兆円。

 

金利が三倍となった場合、利払い費は21兆円で、半分は日銀から納付されるので、残りが10兆円。そこから外貨の利子を差し引くと残り7兆円。決して小さい額ではないですが、この程度で破綻することはありません。

 

なお、西田参議院議員と財務省主計局次長とのやり取りでは、政府の利払い費がGDPに占める割合を国際比較したデータが財務省から答弁されており、OECDの発表によると

「日本は0.28%、カナダが▲0.36%、ドイツが0.48%、フランスが1.89%、米国が2.98%、イタリアが4.01%、英国が4.02%」となっており、G7諸国の中で二番目に低い値であることを財務省が認めています。要するに先進国では、日本は金利が上昇しても耐えられるのです。

 

しかし、これからテレビやマスコミは財務省のデマの流布の片棒を担ぐことでしょう。皆さん、こんなデマに引っかからないようにしましょうね。