今回は、私の「情報社会と経済」という科目で毎年、

講義をしていただいている伊藤園の中央研究所の

所長だった角田隆巳さんのご実家である八女市

上陽町の角田製茶を訪問しましたので、その内容を

シェアします。

 

私のブログで、福大での角田さんの講義内容について、

過去8回記事を書いています。少しずつ内容が

違いますが、主な業績は伊藤園のカテキン緑茶

特定機能性食品の認証を取られたことです。

10年がかりのプロジェクトです。

※ 伊藤園のサイトから引用

 

ご関心あれば、昨年12月のブログをご参照下さい。

 

72歳のお茶の民間研究者が成果を出しました(前編)

 

72歳の技術者の素晴らしい発明!「奥八女緑茶抹」

 

新年1月7日にKBCラジオの「フォーカスイン」

というコーナーにて上記のブログの内容をまとめて

「あきらめない70G」というタイトルで角田さんの

チャレンジをお話しました。

 

このラジオで、さらりと奥八女緑茶抹の紹介をした

ところ、二日間で電話などでの問い合わせがたくさん

来たそうなのです。それで、角田さんのご実家から

一度、茶園に遊びに来てくださいとお誘いを受けて

いたのです。

 

4月10日土曜日の10時からお店と茶園を訪問して

お話を詳しく伺ってきました。角田さんの甥で社長の

角田龍也(たつや)さんと、角田さんのお兄様で

会長の角田辰次さんにお相手をいただきました。

 

経営規模は11haあるとのこと。八女ではトップ

クラスの経営規模です。鹿児島には100haを

超える巨大な規模の製茶企業があるのですが、

それを別とすると個人経営としては有数の規模です。

 

昨年は、鹿児島が静岡を抜いてお茶の売り上げが

日本一となりました。その鹿児島は、水はけのよい

シラス台地の上に割と平坦な茶畑で栽培している

のですが、八女茶の茶畑は中山間地にあり大規模化が

なかなか簡単ではないという課題があります。

 

最初にラジオ放送の件でお礼を言われました。

私がラジオで紹介したのは、「奥八女緑茶抹」という

認知症予防の効果があるテアニンを多く含むお茶

でした。

 

※ スティックに入っていて、見た目は抹茶です。

 

私はラジオで角田さんのことを紹介することを

ご本人に全く伝えずにいたのですが、龍也社長は、

当日は珍しく朝から電話での問い合わせが来るので、

一体どうなっているのかと思ったそうです。

 

通常は1日に1件あるかないか程度なのに、

ラジオの放送日と翌日の二日間で合計50件ほどの

注文がきたとのこと。私もびっくりです。話の中で

ほんのちょっとご紹介しただけなのに。

リスナーの皆さん、ありがとうございました!!

 

さらに驚いたのは、その後も継続して注文して下さる

方が多いとのこと。

 

角田製茶は、継続注文していただくための働きかけを

特にしていないのですが、それにもかかわらず継続

注文される方が多いことは、製品が本当に良いという

ことの証明です。多くの健康食品通販の悩みは、

お客さんが短期間に流出することなのに。

 

八女市役所のふるさと納税にも返礼品として出して

いるそうですが、こちらからの注文はあまり多くない

とのこと。

 

「八女はお茶の産地で、多くのお茶製品が並んで

いるので、あまり目立たないからではないでしょうか。」

とのことでした。

 

龍也社長は、通販のことにも理解が深く、積極的に

通販に乗り出しても、生産が追い付かなくなるので、

少しずつ展開していきたいとのことでした。

今年は生産量を倍にする計画で、来年はさらに

増やしていきたいとお考えでした。

 

ネット通販はPRを工夫すればヒットすることは

可能ですが、場合によっては注文が殺到し、欠品の

連続となり、かえってお客さんに悪い印象を与えて

しまうことが多々あります。

そのことをよくわかっておられました。

 

角田製茶のサイトも全面刷新されていて新しく

なっていました。トップページの下の方にドローン

で撮影したと思われる茶園での作業の様子や、

製茶の工程などの動画があります。

とてもきれいですので、是非、ご覧ください。

 

この動画でも出てきますが、茶畑にご案内いただき

ました。傾斜地を切り開かれた茶畑で、新芽が2cm

ほどに伸びてきたので、寒冷紗という日差しを遮る

薄い布をかける作業中でした。

 

75%ほど日を遮るとのこと。紫外線がアミノ酸を

分解しカテキンに変えるのだそうで、それを防ぎ、

新芽のなかにアミノ酸がたくさん残るようにする

ために必要な作業だそうです。知りませんでした。

 

11haと一言で言いますが、1haは一辺が100m

の正方形です。それが11個もあるのです。新芽は

毎日勢い良く伸びますので、短い期間で寒冷紗を

掛けないといけません。現場では6名ほどの方が

作業をしておらえました。

 

そして、新芽が5~10cmほどに伸びた時には、

寒冷紗を外して、機械で刈り取りをしていきます。

昔は人が手で摘んでいましたが、いまでは機械化

されて作業はかなり楽になっています。収穫期間が

重ならないように、品種を分けて植えてあります。

 

収穫した後は、お茶として売られている姿まで加工

するのですが、その工程もなかなかの作業でした。

製茶工場を見せていただきましたが、最終工程では、

コーヒーと同じように焙煎の工程もありました。

 

日本人として恥ずかしい限りですが、焙煎工程も

あることを知りませんでした。

 

角田製茶さんの工場は中くらいの規模だと言われて

いましたが、機械だけで1億円以上するとのこと。

それが1年で2か月間だけしか稼働しないのだから、

経営はなかなか大変です。

 

日本茶は、こんなに多くの手間をかけて作られて

いる製品なので、大切に飲まないといけないな~

と思いました。

 

まさに、「いただきます」の心です。

子供たちにもこの工程を見せたいですね。

 

あと1回、角田製茶のお話を書きます。ブランドの

展開など、よく考えてあるのです。