先月、苫小牧の「弐七」という定食屋さんからありがたいことにご注文を受けお店で使う食器を作ることになりました。

それはお店の看板商品の「弐七丼」という海鮮丼の別盛用のお皿でした。

 

「弐七」はNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」などにも登場していて今や地元の有名店です。

全てのメニューが美味しくコスパも最高、行かないなんて勿体ない。

そんなお店です。

※この異様なゴマスリの理由は後程分かります

 

 

基本的には丼なのですが、中には丼より別盛にしてくれた方が食べやすいという要望があるらしく、それに試験的に応えてみたところ使っているお皿がイマイチで盛ってて気分が乗らないそうなので、うちでお皿を作ってくれないかということで始まりました。

 

この弐七のご主人は以前は苫小牧の飲み屋街に「BAR 27」と「27 315」というイタリアンのバーとレストランを経営してた方で

その頃からお付き合いのある方です。お店で催すジャズライブなんかにもお邪魔したことがあります。

お店はもう他人に譲り定食屋をやりたいということで数年前から「弐七」を始めてました。

なので盛り付けなどは本人は「素人だから」と謙遜してますが、やはり常に気にしており色々試行錯誤しているようです。

 

そんなこんなで4月から数回打ち合わせをして作陶開始。

そうこうして焼きあがったのがこちら

 

 

盛る部分を少しはっきりさせる感じで、その部分はなるべくフラットでシンプルに白がいいかなあ、周囲の部分は任せる

という要望でした。

あくまで丼の別盛だからお刺身盛り合わせとは違うんだよね とのことでした。

この時点では若干「ん?」っていう感じでした。

 

父と相談した結果、境目の部分はフラットからくっきりと段をつけるよりはアールを付けた方がきれいだし盛りやすいという結論に至り

その方向でお皿を作りました。

これが我々の間違いでした。

 

完成した物をお店に盛っていったところ「(デザイン自体は)いいじゃないですか。ただ、少しアールが気になるなぁ」

と仰られたので、とりあえずお試しで半分購入という形になりました。

うちとしても注文品ではあるけど店名など入ってるわけではないので、このお皿は他でも販売出来るので全く困らないですし、

きっと使ってみて問題はないはずだろうと思ってました。

 

後日ご主人から写真付きでメールが届きました。

「やっぱり残り半分はもう少しフラットなのでお願いできますか?」の一文とともにこの写真

 

一見何の問題もないように見えます。とっても美味しそうです。

でもすぐにハッと気付きました。

 

真上からの写真なので分かりづらいですが、これ、アールがあるせいで中心の盛り上がりがなくなってるんですよね。

ご主人の仰っていた「刺し盛とは違う」というのはこういうことだったのか、と。

 

お刺身盛り合わせの場合は刺身1種ごとにツマと大葉などに3~5切れ盛り付け、それが1皿に3~5種といったところです。

なのでお皿にアールがあってもツマがあるため立体感は出るわけです。

しかしこれはあくまでも海鮮丼の別盛。

丼が原型である以上ツマを何種類も使わないし、お刺身も種類が非常に多く1種あたりも1~2切れになるんですよね。

確かにこれでは立体感を出すのは厳しいです。

 

先入観のせいでお店の要望に対して満足のいく物を作れなかったのは申し訳ないとしか言えません。

やはり食器は使い手のよって完成するものなのだという、用の美の思想の根本的な部分を思い知りました。

 

なので新たに作り直すまでにかかる時間のお詫びにこの場を借りて宣伝をさせて頂きます。

 

 

「喰い処 弐七」

苫小牧市汐見町1-2-2 漁業協同組合水産ビル1F

0144-33-2626

営業時間は11~15時ですが、大抵14時前には売り切れてるのでご注意を。

 

全てのメニューに小鉢が5品ついててボリューム満点です。

そして弐七丼(海鮮丼)は小鉢5品と10種類くらいの海鮮が乗って

お味噌汁も付いてなんと1200円!!

他にも定食メニュー沢山ありますよ。

海鮮丼ハーフと定食のオカズみたいな組み合わせもあります。

 

 

 

困ったときは愛嬌で時間を稼ぐ。

それが私の流儀です。