人口減少問題 自分の街から考え、ビジョンを語り合い、乗り越えよう | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

人口減少問題 自分の街から考え、ビジョンを語り合い、乗り越えよう

人口減少を自分の街から考える
最近、とかく話題の「人口減少問題」。将来的に日本が縮んでしまい、国力そのものが毀損してしまうと懸念され、様々な議論が繰り広げられています。ひとつの議論は、人口減少によって地域社会が成り立たなくなる、というもの。元総務大臣の増田寛也氏が代表を務める日本創世会議では、子どもを産む当該者となりうる20~39歳の女性人口から推計し、その低下率が一定の割合以上の場合を“消滅可能性都市”として公表しています。兵庫県の場合は、相生市、笹山市、養父市といった地方都市のみならず、神戸市須磨区などもその対象として上がり、注目を集めています。

西宮・芦屋の人口減少はどうなる?
さて、それでは、私たちが住む西宮と芦屋といった都市部ではどうなるでしょうか。結論から言えば、西宮や芦屋の人口減少はそう大きくありません。県域全体が16%も人口が減少する中で(2040年の2010年との対比。)、一部地域の人口減少がないと言うことは、特定地域での人口減少が大きいということになります。表を参照いただければ一目瞭然、宍粟市や南あわじ市では30%以上も人口が減り、こうした地域の対策は急務です。

都市部・地方部隔てなく高齢化比率は15~20%上がる
一方、都市部と言えども問題は生じます。それは、高齢化率が上がると言うことです。2010年と2040年を比較すれば(65歳以上人口)、西宮市では19.4%→33.2%、芦屋市では23.2%→38.2%などとなり、軒並み上昇します。人口減少はないが、人口構成の大きな変化はあるわけで、ここでどういった社会をデザインするか、ここに政治のビジョンが求められます。単に外国人を受け入れろとか、街をコンパクトにするため集約せよと言うのは簡単ですが、その弊害やインパクトは大きく、市民参加での慎重かつ合意形成に重きを置いた議論が必要です。

人口減少は40年前から予兆はあった
さて、今になって大騒ぎになっている人口減少問題ですが、ここ数年で突然降って湧いてきたわけではありません。日本の合計特殊出生率は、実は1975年から2を割り、将来的な人口減少はわかっていました。ただ、当時は団塊の世代が子供を産む時期と重なり、一人あたりの出産数が減っても、産む人そのものの数が多く、一年間に150万から200万人以上が出生、死亡が70万人台でしたから、人口爆発の余韻も続いていました。とは言え、その予兆を認識しながらも、今になってバタバタするのは政治の無作為と批判されても仕方がありません。

減少を最小限にすると共に減少を乗り越える
ここで政治は、何をすべきでしょうか。まず、人口減少を最小限に食い止めるための少子化対策です。具体的には、結婚しやすい環境づくりと、子どもを産み控えなくてよい社会づくりです。塾など教育費や生活費など子供の費用負担の重さが、わが国の少子化要因となっています。また、そうはいっても減る人口、移民でカバーするという乱暴な議論は非現実的です。スキルのある外国人が、看護師、美容師などとして日本社会に参画することはあり得ますが、日本人の下請け仕事を外人に任す的な移民政策は、目指すべきではありません。あとは、65歳以上の方で、働ける体力、気力のある方は、毎日とは言わないまでも、社会の支え手として参画してもらうことも考えて行かねばなりません。人口も経済規模も右肩上がり一辺倒の我が国でしたが、立ち止まり、現実と立ち向かう政治へと変化させねばなりません。