【原発容認系ドキュメンタリー映画 「パンドラの約束」を見て】  | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

【原発容認系ドキュメンタリー映画 「パンドラの約束」を見て】 

劇場公開中の「パンドラの約束」を観てきました。これは多くの環境保護派が、環境を守るためには原発を使うのがクレバーな選択だという観点から作られたドキュメンタリー映画です。大変期待をして行きましたが、映画としてはあまり面白くありませんでした。駄作とまでは言わないけれども、原発を容認するための説得力には欠いています。ちなみに私は、バリバリの脱原発派!、とまでは行きません。リアリティこそ政治、と言う立場から、使用済み核燃料の適正保管、使用目的のないプルトニウムの分離に反対し、核燃サイクル施設は凍結すべきとは明確に言っていますが、全ての原発を今すぐシャットダウンすれば問題が解決するとは考えていません。だからこそ、この映画には興味を持ったのですが。
映画が言いたいことは、放射線の危険性は実態以上に大きく捉えられていることや、石炭を筆頭に化石燃料の多大な消費が地球温暖化を加速させておりそれを食い止めるには原発を使わざるを得ないこと、最近開発されている新たな原発は安全性能が飛躍的に向上していること、ロシアの核兵器弾頭が解体されて原発の燃料となり平和に寄与している等、監督が言いたいことを監督がピックアップしたファクトを積み上げて映画に仕上げています。それは全くその通りなのですが、うーん、「パンドラの約束」という大そうなタイトルに比して、だからどういう約束なのさと、突っ込みたくなるもどかしさが残る作品でした。
以前、「100,000年後の安全」という、これはフィンランドの使用済み燃料最終処分場を取り上げたドキュメンタリーをみましたが、あちらは「ふーん」「へー」と思う部分がいくつかあって、人にお勧めしたものです。今回のはあまり高くない評価を書いてはいますが、原発問題に対して、感情や本能でなく、科学的なアプローチで考えてみる契機を得たいと思われる方には、見ても損はないと思われます。関心のある方は、どうぞ! 

http://www.pandoraspromise.jp/