社会保障と税一体改革関連法案 衆院通過にあたり | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

社会保障と税一体改革関連法案 衆院通過にあたり

26日、衆議院本会議において社会保障と税の一体改革関連法案が通過、参議院に送られることとなりました。私は、社会保障と税の一体改革特別委員会委員に属し、129時間にも及ぶ審議にも参加し、納得の上で全部の法案に賛成を致しました。一方で、2009年の総選挙時にお示ししていなかった内容、つまり増税に言及していなかった点、公約にあった福祉の充実策がまだ実現していない点があること等、まずは有権者の皆様にお詫びしなくてはなりません。以下、私の所感を記し、ご報告します。

「賛成」する理由 持続可能性に近づける
今回、社会保障と税の一体改革特別委員会において、三回質疑に立ちました。一貫して、わが国の社会保障制度、そしてわが国の「持続可能性」を確認し、高めるための方向性であるか、という観点で質疑をしました。福祉は受給者側の視点も大事ですが、まじめに働く勤労世代にとって、納得感が得られるものでなければ、払うのもばからしいものです。今のままいくと、年金資金が枯渇するとか、医療がパンクするとか、正直、色々心配はあります。その根源的な措置は、今回の法案ではまだとられていません。ただ、措置される方向へと一歩踏み出したことは、間違いありません。

「マニフェスト違反ではないか」「党内プロセスが稚拙」と言われる意味はわかります。「党を二分すべきではない。結束を維持すべきだ」と言われる気持ちはすばらしいものです。ただ、それは民主党の問題であり、日本国全体の問題ではありません。私たち自身が、この点で批判を受けて次の選挙で支持を失うことにはなるかもしれませんが、それは私たちが甘んじて受け入れるべきもので、問題の本質とは次元が違います。

「今がその時期ではない」「わが国にはまだ余力がある」と言われる意味もわかります。ただ、いつかやらねばならぬ課題であるなら、やれるときにやるべきです。今、完ぺきではないにせよ、ここまで野田総理が煮詰めるに至ったものを、破棄するほどの材料を私は見つけることが出来ません。一方で、多くの党所属議員が反対や棄権をし、皆さんから見て見栄えの良くない政治となっていることに関しては、真摯に反省し、お詫びする以外にありません。

党内のガバナンスを改善すべき
私は、政局と一線どころか二線も三線も画しています。ただ、党のガバナンスに問題あるのは間違いありません。
政権交代直後は、私のようなヒラの議員は、政府と合同の政策会議なるもので意見を述べるに留まりました。そうした反省から、今の体制では、政策に関しては政調会長の下に党内の了承を取り付けることとし、私たちも各部門会議で法案の賛否について意見することが出来るようになりました。民主的であり、無役職の議員の意見も反映されることはすばらしいことですが、どこまで行っても反対の意見がある場合は議論が収束しないこともあり、悩ましい一面も露呈していました。この状態が、ある意味で一番悪い形で顕在化したのが今回の一任です。今後は、党の組織改革をして、全議員でなく役員会か常任幹事会において、多数決での法案決定をするなど、ガバナンスの明確化をすべきです。一般の企業などでは、取締役会での議決は当然あるもので、全社員の議決をとるような組織はほとんどないはずです。今後は今回の反省を活かし、最後は議決、これが一番すっきりします。

今後は、転嫁対策、低所得者対策などをしっかり煮詰める
これで、本件は終わりでありません。消費税がアップして、一番被害をこうむるのが、低所得者と中小企業です。これらに対する対処は、法案の中の検討事項として示され、具体的な方策は2014年4月の8%に上がるまでにつめることとなります。価格転嫁が出来ず、中小企業や小売店にのみしわ寄せが行ったり、低所得者の生活が立ち行かなくなるようでは、福祉安定のための施策とは到底言えません。今後、しっかりとこうした点を詰めて参りたいと思います。