危機への備え 火山噴火の可能性と大阪への首都機能バックアップ | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

危機への備え 火山噴火の可能性と大阪への首都機能バックアップ

東日本大震災から一年、昨今では首都直下型地震の可能性も指摘され、もしもの時への備えが十分か、問い直されています。今日は火山噴火についてと、5月2日に中川正春防災担当大臣の大阪視察に同行した際の報告について記します。

まずは火山について。先日、党の首都中枢機能バックアップワーキングチームで、火山噴火に大変詳しい、東京大学名誉教授の藤井敏嗣先生のお話を聞く機会がありました。お話の内容は次のようなものです。日本は世界有数の火山大国で、いわゆる活火山数は110、全世界に1500と言われているうちの実に7%が我が国に集中しています。その所在ですが、富士山から箱根山、そして伊豆七島に連なる群と、浅間山など信州から奥羽山脈(鳥海山など)から北海道に抜けていく群、そして阿曽や桜島、新燃岳など九州にも集中しています。私の地元、兵庫県には活火山がないことは、ちょっと安心、と言いたいところですが7300年前の鬼界カルデラ(南九州)での噴火の際に、灰が関西圏まで風に運ばれて飛んできたそうで、地層解析によれば20センチも積もり、西日本の縄文文化が壊滅したと言われています。その灰ですが、紙を燃やしたようなものではなくガラス状の噴火灰ですから、それはもう大変です。
首都・東京の火山噴火の影響は、関西よりも相当可能性が高いと考えるべきです。富士山の宝永噴火(1707年)では、16日間連続で噴煙が舞い、都内でも数千万立米(約1センチ程度)降り積もったそうです。今起きれば、ガラス状の噴火灰がそれだけ積もるわけですから交通は困難になり、噴煙が舞っている間は、飛行機やヘリコプターも全部ダメ、つまり流通が遮断され、食料不足に陥ります。富士山の大きな噴火は300年に一回だそうですが、今回の東日本大震災で噴火が誘発される可能性も指摘されている中で、噴火被害も想定すべきと強く思いました。その他、パンデミックなど地震以外の備えについても、極力「想定外」をなくす努力はしなくてはならないと感じるものです。

首都機能のバックアップも真剣に考え、政策提言レベルでは前進したところですが、現実はまだまだ体制の整備には至っていません。5月2日に、中川正春防災担当大臣が兵庫と大阪の視察に来られましたので、私も同席し、共に大阪にある合同庁舎4号館に参りました。ここは、現時点では「現地対策本部」という位置づけで、関西圏に何らかの災害など有事があった際に、政府の最前線本部になる場所です。ビルの2フロアー分くらいですが、中に気象警報を出す気象庁も入っていることなどもあり、既に非常用電源が整備されていることから、ここが選ばれたということです。隣に大阪府警や大阪城公園もあり、場所的には悪くないのですが、非常用電源が44時間しか稼働しないことや、有事の備えの備蓄や情報面の整備は十分とは言い難く、非常時を担うにはまだまだ、と言った感じでした。
党のワーキングチームでは、この関西での現地対策本部を、首都中枢機能バックアップとしてまずは整備すべしと提起したところですが、本当にバックアップ機能を担うのであれば、もっと本格的に、何の機能を、どれだけ担うのか等をあぶりだした上で、早急な整備が必要です。

災害への備えは、早くやりすぎた、ということはありません。今の備えが不十分な以上、可及的速やかに、政府は対策を講ずるべきです。