一票の格差問題、「決められない政治」から卒業し、「常識が通じる政治」にせねばならぬ | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

一票の格差問題、「決められない政治」から卒業し、「常識が通じる政治」にせねばならぬ

本日、全衆議院議員が集まる代議士会において、発言をしました。一部メディアに「執行部を批判」と書かれていますが、批判が目的ではありません。同僚と執行部の皆さん、そして与野党すべての議員に「決められない政治」が恥ずかしいことである、情けないことである、そのことを共有し、共に奮起をしたい、そうした思いを込めました。

発言内容は一票の格差の問題、国会議員秘書給与について、そして国会議員の歳費に関して行いました。

一点目で私が指摘をしたのは、衆議院の「一票の格差」問題(最高裁判所が2倍以上の格差を「違憲」としたことに関するもの)についてです。解決に向けて各党協議会で議論を重ね、私も政治倫理及び選挙制度問題特別委員会の理事として、積極的に本件に関わってきました。2月25日が区割り審議会の勧告期限ですから、それを超えると「違法状態」となります。今になってわかったことではなく、2月25日が期限であることは一年前からわかりきっていた話です。ただ、単に選挙区割りを変えるだけならここまで難儀ではないのですが、同時に「定数削減」を成し遂げようとしていること、そしてその定数削減が、「社会保障と税の一体改革」、つまり消費税増税の前提となっていることが重なって、複雑な方程式になっているのです。この定数削減は選挙制度の性質も変えかねないため、各党の思惑が交錯し、袋小路に入ってしまったわけです。しかし、いかなる理由があろうとも、立法府が「違法状態」を放置することが許される理由にはなりません。私も立法府の一員として、所管委員会の理事としてこの事態に対する責任はあります。私のサポートが不十分だということも遠因かもしれません。この「違法状態」の状況を招いた立法府に身を置くすべての者が、危機感を持って仕事をすべき、特に与党執行部に気迫を持って本件に当たるべし、と申し上げました。

二点目が、国家公務員の人件費削減と国会議員秘書給与についてです。公費で各議員三人まで認められる国会議員の秘書の給与は、基本的に人事院勧告と連動してそのベースが決定されます。その国会議員秘書給与の改訂法案が今日採決されることになったのですが、その内容に驚きました。昨日になって初めて知ったのですが、国家公務員人件費は7.8%削減、裁判官も、税務署員も、官僚も7.8%削減される中で、国会議員の秘書さんだけは人事院勧告分の0.23%のみの削減になるとのことでした。つまり、すべての国家公務員に相当な削減をお願いしながら、身内である国会議員秘書はほぼ削減なし、という話を聞き、耳を疑いました。国会議員秘書は残業手当もないし身分も安定していない、という理由だそうですが、そんなことは採用される時にわかりきっている話です。与野党間でどういう経緯があったのかわかりませんが、主要政党幹部がこのベースでまとめたことに違和感を覚え、「常識的な判断ではない」と申し上げました。

そして三点目が、国会議員の歳費、つまり給与についてです。我々国会議員の給与そのものには、手つかずの状態です。確かに昨年、我々国会議員は約15%の歳費カットをし、復興財源としました。ただ、それはもう済んだ話です。この四月から国家公務員の皆さん方に給与カットを強いた我々自身はそのまんま、というのはあまりにも非常識です。どうやら各党間の定数削減の議論の中に、「定数削減は難しいから議員の給与削減でとりまとめよう」とする意見があるようです。ただ、そうなると定数削減の話が進まないので、国会議員の歳費の話はしない、という政治論だと先輩議員に解説を受けました。その意味は、私もわかります。ただ、それは永田町の論理でしかありません。地域で奮闘する税務署員、寒い海上で我が国を守る海上保安庁職員、日々接する官僚の皆さんに、どんな顔をして国会議員は接すればいいのでしょうか。

これら三点に共通するのは、「永田町の論理」が「一般常識」に優先してしまっていることに原因があります。わが党のみならず、国会全体が永田町の論理に染まっています。決められないこと、違法状態を放置してしまうことに対し、「情けなく、恥ずかしい」と代議士会で申し上げました。この感情をバネに、とにかくできうることをやるしかないと、決意を新たに頑張りたいと思います。