「School of the Future」in Philadelphia 訪問 | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

「School of the Future」in Philadelphia 訪問

先日のアメリカ視察では、フィラデルフィアにある「School

of the Future」を訪問して参りました。


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http//www.microsoft.com/education/enus/leadership/pa

in_learning/Pages/School-of-the-Future.aspx


一時期、「ITが教育を変える!」というひとつの象徴のよ

うに言われた(というか私がそう理解していた)同校を、い

つかは訪問したいと思いながら何度か予定を組んでいました

が、今回、やっと実現をしました。


それで、詳細の説明はさておき、同校を視察して感じたこと

は、確かに「学びのイノベーション」は感じられますし、実

際にその成果は出ていましたが、「ITが教育を変える!」

というわけではやはりなく、「ITはあくまでツールのひと

つ」であり、ITが主役というわけではないようです。とい

いつつ、Innovationに寄与する重要な要素であることには間

違いないようです。


School of the Future」が一番大切にしている(と私が感

じた)ことは、「生徒の学びに対するMotivation、つまり動

機づけをどう高めていくか、という点にあります。何をして

いるかと言えば、単に教科書通りに数学や歴史、物理を教え

るのではなく、それぞれの生活に密接した話題から、それに

つながる学問につなげていきます。階段の修理と数学を結び

つける、日々の生活に欠かせない車から物理や法律、歴史の

学問に結びつけるなどして、生徒が点数を取るために学ぶの

ではなく、生きていくために必要な知識を得るために学ぶの

だとの認識を持ちながら、モチベーションを保って勉強でき

る工夫が、あらゆるところにちりばめられています。


ここは、いわゆるパブリックスクール、公立校です。入学試

験はありませんが、定員の十倍近い子どもたちが申込み、抽

選で入学者が選抜されます。入学者のほぼ100%が、昼食

費免除家庭、つまり貧困家庭の子どもたちです。そうした生

徒らに、一人一台のパソコンを配布し、教科書を自動的に学

ぶわけでなく、先生が工夫を重ねたオリジナル教材を駆使し

て、生徒の可能性を引き出していきます。


ここの先生たちは、他の先生らよりも挑戦意欲があり、そし

て単科の免状だけを持たない先生が集まっています。つまり、

私に色々教えてくれた数学の先生であるTomは、同時にTechn

ology の免状を持った先生です。ここでも、単なる学びでな

く、科目横断的な教育が前提となっていることがわかります。


他国の学校ですから、制度の違い、文化の違いは多々ありま

す。ですから、細かいことを私が報告しようと考えていませ

んが、そうした中で共有できる教訓は以下の点です。


・学びの最大の武器は、生徒のモチベーションを高めること

・ITは革新的な教育に極めて有効なツールであるが、IT

 の導入で自動的に教育が変わるわけではない

・最大の教育向上の要素は、教師の志の高さであり、意欲の

 強さである


また、ITを活用して教育を行う際の問題点として、その著

作権問題は両国に共通する問題として、先方も意識をしてお

りました。いわゆるFair Use規定の議論もしましたが、日本

では特に、この観点での法整備が遅れていますので、対応の

必要性について認識を強くしたところです。


一昨年の韓国へのIT教育視察、昨年のシンガポール、そし

て今回のSchool of the Futureと、全部自分の目で見た議員

もそういないと思います。こうして私の中に積み上げられた

蓄積を、しっかりとわが国の教育に活かしていきたいと思い

ます。