災害時の情報発信の難しさ | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

災害時の情報発信の難しさ

連日、幹事長室の党地震対策本部につめ、党所属議員からの各種情報や様々な要望、善意の申し出を受け付け、官邸はじめ各省庁との連絡対応に追われています。同じような要望や質問が多く寄せられますが、それを省庁や官邸に個々にあげるのではなく、交通整理もしながら、必要なプッシュを行う機能と考えていただければと思います。

阪神大震災当時との大きな違いは、情報化社会が相当進んだ、ということです。当時は、携帯電話こそありましたがさほど普及しておらず、メール機能もなかったように思います。今は、ブログにツイッター、その他あらゆるネットツールがあり、正確不正確な情報が混在しているところです。そして、未曾有の広域大災害ですから、一般の国民の皆さんが情報の真偽を確かめることは簡単なことではありません。ただ、官邸や政府サイドも、これからしっかり情報公開をすることでいらぬ混乱を起こさない努力が求められると私は考えています。


それにしても、情報化社会の発信は極めて大切ですが、極めて難しい。これが私の実感です。私が対策本部で触れた、二つの事例を紹介します。

ひとつが、ある首長が「全く支援物資が来ない!」とインタビューをある局が流しておりました。確かに物資の配給が遅くなったのは事実だったのですが、既に相当量の食料を自衛隊によって届けられた後も同じインタビューが流れ続け、今もまさにその地区が物資不足のように報道されていることがありました。ある議員からそのニュースが続けざまに流されるのは政府が物資を届けていないからだ、と言った指摘を受けたのですが、実際には、結果として遅れはしましたが、手を打ったものがまるで未対応のように扱われ続ける、情報伝達は難しいものだ、そう実感しながらTVを見ながら、旧知の同局記者に私の考えを伝えました。

もうひとつが、官邸のHPに「物資を空中より投下します」といったことが掲載されていて(事実)、それがあるときからなくなっていました。それを受けてネット上で「官邸が『空中から支援物資を投下する』と書いたのはデマだった」と流されたのですが、これは、「投下を開始します」という告知をするためにHPにアップしたため、実際に空中から投下が始まった後にその告知は役割を終えた、ということで削除したまでだったのですが、「デマ」として取りあげられてしまいました。ここでは、「投下します」の後に、「投下継続中です」とかに変更すればこうしたネットでの書き込みにならなかったのでしょうが、なんせ大変な火事場状態が続いている故に、情報発信に関しては対応が十分出来ていないのが正直なところです。

ただ、私も阪神大震災の経験がある身として、現地にいらっしゃる方々の不安は、それなりに理解できていると思います。私たちも全力をつくし、官邸も全力を尽くしている中で、より正しい情報をわかりやすく出していけるように、更に力を尽くしていきたいと思います。